字は題目の通りですが、見た目もそのままです。
ナイフの親分みたいな道具で、大物猟猟師にとっては必需品。

「狩猟を始めてみよう!」なんて方にとっては、鉄砲と同じくらい気になるアイテムの一つでもあります。
そんな私もそうでした。
所持許可が下りるまでの間に色々と物色を。
どんな刃のタイプが良いのかな?材質は?
刃渡りは何寸くらいが実用的なんだろう?等々。
ネットでプロの作った剣鉈を眺めては、それを使用する情景を思い浮かべて・・・
生活安全課からの電話を首を長くして待っていたのです。
そんなことを考えているうちに、徐々に自作を試みる方向へと。
身近にあった鉄クズで剣鉈を作ってみることにしたのです。
ところが、材質の特性についてはネットを調べれば分かるのですが・・・
適切な刃渡りについては調べても分からない。
今から考えれば当たり前なのですが、狩猟スタイルや役割によって様々。
当時は「だったら長い方が良いに決まっている」と。
ここで「大艦巨砲主義」の思想を持ち出したわけです。
私はせっせと戦艦大和と武蔵のような剣鉈作成に没頭したのでした。
刃渡りはおよそ八寸。

若干の長さを感じつつも、しばらくは気に入って使っていました。
しかし、そのうちになんか邪魔な感じに。
剣鉈を付けたままの猟車の運転や、山中での進行困難箇所で引っ掛かるのなんの。
ハッキリ言って長すぎたのです。
イノシシやシカの止め刺し放血においても、こんなに長さは必要ありませんし・・・
イノシシを咬み止めしている場合は、犬たちを傷つけないように刃を上に向けて使用するも、なんだか危なっかしい。
やっぱり八寸は長い。
ここで考え方を改めます。
昨猟期からは我が家の鳴き犬のみでの猟だったため、思い切って刃渡りを短くしても大丈夫だろうと。
それで刃渡り六寸に。

ところが今猟期はとうとう単独猟となり・・・
今までの勢子ルートとは異なる直攻めルートとなったため、さらに山奥へと立ち入ることに。
よって、必然的に現場解体の機会が増えてしまい、より使い良い剣鉈を考えます。
今度は刃渡り四寸半。

この剣鉈は師匠の遺品として、長男さんより授かりました。
そうしたところ、これが実に使い良い。
イノシシやシカの止め刺し放血でも、この刃渡りで十分。
そして何よりも、軽くて仕舞寸法も短い。

移動を全く妨げないのです。
なので気づかずに腰に付けたままコンビニで買い物をしてしまったことも。
お巡りさんにはナイショ♪
そしてもう一つ。
これはアリだと思ったことは片刃だったこと。

魚を捌き慣れた私にとっては、イノシシやシカも同様に片刃は使い良いと感じた次第。
研ぐのも楽ですし。
ツバに指止めが無いのが少し不安ではありますが、解体や研ぎがやりやすいため、これでもいいかと。
そんなことで、年々小さく軽くなる剣鉈。

その変遷の中で、どのようなタイプや、刃渡りの剣鉈が良いのか。
振り返ってみますが、今の私には明確な答えは出せません。
したがいまして、これからも理想の剣鉈を求めて、作り続けようと考えています。
本当はプロの作った剣鉈を購入するのが、間違いないのですが。
ただし、大艦巨砲主義に戻ることは、もう無いでしょう。
狩猟スタイルに合った剣鉈を選ぶことは、鉄砲同様に大切だと気が付きましたから。
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