少し風が吹いてくれると、昨日の雨しずくが落ちて、ボサの中を進みやすいのですが。
贅沢も言っていられません。
猟場付近の山は低山なので、紅葉はまだ始まったばかり。

さて、シカ山でイノシシを獲るための事前準備をはじめるとします。
コーシンとトラの夫婦コンビでシカの掃討作戦。

シカを蹴散らしてから、和犬のカノでイノシシを獲りに行こうという皮算用。
実際にはコーシンとトラがシカを追っている最中にイノシシに乗り替わることも多いため、油断は禁物。
2頭を山頂付近から放し、まずは様子を見てみます。

初めに目を付けていた場所には獲物はいなかった様子。
しばらくすると2頭が戻って来て、隣の尾根に向かいました。
程なくして、盛大に鳴き出す2頭。
一気に谷の方へと獲物を追い落して行きます。

鳴き方からして間違いなくシカでしょう。
さぁ、ここからが正念場。
私は何処で待ち受けたらいいのかな。
場所的に、この深いシダの方に逃げてくることは無いだろうから・・・

ぐるっと山の中腹を回して、犬を入れた辺りにシカが逃げて来るかも。
よし、スピード勝負だ。
尾根を猛ダッシュで・・・山の裏側へ急げ!
キエ~心臓が止まりそう! 昨日はビールを飲み過ぎた!
GPSを見ると方向的にイイ感じ。
弾を装填!
よ~し、犬の鳴き声が聞こえてきたぞ。
すると3段角の雄シカ2頭が混んだ木々の中をスッ飛んで来た!
けつベタで、コーシンとトラが追っている。
その距離30メートル。
え~い、撃ちにくい!
スイングするも、木が多くて撃てない!
と、少しだけ開けたところに差し掛かった・・・
すかさず「ドシャ~ン!」と1発。
2発目は猟犬への誤射が心配だったため、ストップ。
先頭を走っていた3段角は、その場で即倒。

後ろの1頭は、トラをしたがえて行ってしまいました。
命中した雄シカは、倒れたものの、まだ動いている。
私は駆け寄って、止め刺しを。
御免。
ところが・・・あれ?
3段角の雄シカが、角無しの雌シカに変わっている。

でも、玉無しではない。
どうやら、スラッグ弾が角の根元に命中してしまったよう。
狙ったのは鼻先50cmあたり。
だけど、ちょっと上ずったみたい。
付近を捜すと角が落ちていました。

解体を始める前にGPSを見てみると、トラが200m付近まで戻ってきている様子。
何度か呼んで・・・しばらくすると戻ってきました。

ご苦労さん。
一旦、2頭を猟車に連れ戻し、水分補給。

私は解体をしに、また獲物の所へ。
そして解体が終わり、猟車に戻ると、まだ11時。

でも、今日は色々とあり、帰ることに。
また、猛ダッシュをして、私は疲れてしまいました。
体がまだ猟に慣れていないのです。
あぁ、情けない。
そう言えば・・・
着弾した角の表面を見たら、粉状になった鉛がビッチリと付着していました。

それにしても、2本とも角が飛ぶとは・・・
真横から命中したとはいえ、こんな事は初めて。
猟とは、何が起こるか分からないものです。
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