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生きもの二人三脚

残念な新人狩猟者

いったい何がしたくて狩猟を始めたのか。

鉄砲を所持し、獲物を狩り、その肉を頂く。
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簡単にはそんなことなのでしょう。

確かに、これらは狩猟を続ける上では重要な要素。

私も概ねそんな感じです。

しかしそれとは別に、新人で『猟場・タツ』や『見切り』にまで興味を持ってくれる人は、私の周りにはいません。
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因みに、ここでの新人は「若手」とは捉えずに、狩猟を始めて年数の浅い人とします。

確かに大物猟を始めてスグでは何もかもがチンプンカンプン。

他にも覚えることが山ほどあります。

よって、そこまでは気が回らないこともあるでしょう。

でも2・3年もすれば、とりあえずは余裕が生まれるハズ。

遅くとも、その辺りからは「猟場、タツ、見切り」に興味を持って貰いたいのです。

ただし猟隊によっては、見切りを行わなかったり、見切りの重要性を分かっていなかったり、そもそも見切りが出来ない場合も多く、一概に「興味を持って下さい」とは言えないのですが。

イノシシ猟おいては、その「見切り」が明暗を分けます。
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見切りの出来る猟隊が、そうでない猟隊の何倍も猟果を上げることは珍しくないからです。

こちらの方にも見切りが上手い猟隊が幾つかあり、そのような猟隊には必ず見切りの達人が一人や二人はいます。

その達人方の技術たるや半端ではありません。
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足跡を見て、イノシシの大きさや頭数などは当たり前として、時間経過も特定します。

何度か農家の方がセットしているトレイルカメラと照合したことがあり、その的中精度には驚くばかり。

土質をもとに、気温、湿度、風、日の当たり具合、ひっくり返された落ち葉の乾き具合等々から足跡の経過時間を推測。

これらの要素を複合的に分析し、経験と照らし合わせてイノシシの寝場を特定するのです。
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普通の狩猟者では絶対に追跡できないような微かな痕跡を基に。

また、イノシシには面白い特性があります。

寝場に近付くにつれて、どんどん足先をすぼめ立てるのです。

まるでバレリーナのように。

そして寝場の周りを少し掘ることもあります。
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寝る前に小腹でも空いたかな?なんて思う程度に。

見切りをしていて、この痕跡を発見したら、それ以上は進まずに抜き足差し足忍び足で退散。

その先にイノシシが寝ているからです。
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(イノシシの寝場跡)

ときには「ぐ~すか🎵」とイビキをかいて。

イノシシは睡眠中が自分にとっては一番無防備であることを分かっています。

足先をすぼめたり、寝場掘りをするのは、おそらくは自分のニオイを敵に察知されないため。

足先のニオイを地面に残さず、掘った土のニオイで自分のニオイを隠す。

太古より連綿と続いてきた防御本能が、そうさせているのでしょう。

実際の見切りでは、そこまで寝場を特定する必要はありませんが、獲物が居るかどうかを確認できる猟場であれば、見切りをするに越したことはありません。
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それなのに「とりあえず、やってみよう!」では、まともな狩猟者は育ちませんし。

また、そんな猟隊では猟犬すらも、ちゃんと仕事をする犬には育ちません。

血筋が良い猟犬がダメ犬になってしまうのです。

私は、そのような猟隊で、まともな猟犬を1頭も見たことがありません。

やはり、猟場を知り尽くし、見切りが上手い猟隊の猟犬たちは優秀。
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猟犬たちは狩猟者を信じているのです。

そう、お互いに信頼関係が構築されていて、それが良い猟果や安全狩猟に繋がっているのです。

そんなことからも、狩猟の奥深さを感じたならば、新人の方たちにはもっと「猟場、タツ、見切り」に興味を持って貰いたいのです。

巻き狩り自体が「仕上げ」とすれば、猟場・タツの熟知や見切りは「段取り」

その段取りがあるから仕上げが完遂する。

段取りが楽しめれば、仕上げはもっと楽しい。

つまりは楽しむ幅は、考え方やヤル気しだいで大きく変わるのです。

狩猟を末永く楽しむ上でも、その幅を広げることは肝要。

そして捕獲業務の場合は仕事である以上、もっと真剣に取り組むべし。

隊長や先輩方が獲物の抜け足(イノシシがその猟場から出ていないかの足跡)の確認に行くときに、なぜ一緒について行かない。

朝の猟場確認にや見切りに、なぜ同行しない。
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教わり学ぶのは今しかないのに。

私では、そこまでは教えられない。

だから私は金魚の糞みたいに先輩方について回っているのに。
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恥ずかしながら、これは私の所属する有害・管理捕獲隊での話です。
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数名が、このブログを読んでくれているようですので、次に会う時が楽しみ。

「なんだ、あっきょさんに教えて貰おうと思ったのになぁ」なんて言われたらどうしよう。

「金魚の糞をもっと長くしよう! レッツラゴー!」で、先輩方の後に皆でついて行くしかないな。

よく考えたら、なんだか一番残念なのは自分だな。

何年やっていても覚えられないんだもの。

トホホ。

ヤル気はあるんですけどね。




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コメント


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こんにちは
新人さんが居るのが羨ましいです(笑)
私の所属する猟隊にはこの10年位は新人さんは入ってません。
たしかに私が新人の時は、入り、出、雄雌、大きさを学ぶ為に先輩猟師に金魚の糞みたいに付いて回ってましたね(笑)
一銃一狗を目指していた私には良い勉強になりました。それでも単独でやっと捕れたのは狩猟を始めて3年掛かりましたね。
見切りや、犬は良い仕事をするのに当たらなかったんです。寄りが甘かったんです。
それを教えてくれたのは「犬」でした、犬も私の大事な先生なんです。
それから、ボチボチ結果が出て来ましたが、その犬は病気でもう山には一緒にいけなくなりました。

kotaro | URL | 2020-07-27 (Mon) 14:31 [編集 ]


kotaroさん

本来は趣味への入れ込み方は人それぞれ。
何も全員が徹底的にヤリなさいということでは無いのです。
しかし巻き狩りは社会人草野球みたいなもの。
全員が真剣に取り組むことに意味があるのです。
それでなくては、そこに信頼関係や目標達成などは存在しないのですから。
したがいまして、ある程度のレベルに達する必要があります。
その辺を理解してもらいたいですよね。
隊長や先輩猟師方も時には厳しくするのですが・・・
新人たちは、いつまで経っても負んぶに抱っこ。
因みに新人には60代も2名含まれます。。。
私も近頃は隊長の了承を得て注意をするようにしています。
安全狩猟の面からも。
皆が一銃一狗を目指すくらいの気持ちがあると嬉しいのですが。
そんな人は技術の習得も早いのでしょうね。
真のヤル気のある狩猟者が増えて、初めて「狩猟者が増えた」と環境省にも発表して貰いたい。
そしてそんなヤル気のある人には、もっと法的優遇制度を拡充して頂きたい。
やはり何でも真剣に取り組むって大切ですよね。

あっきょ | URL | 2020-07-27 (Mon) 16:19 [編集 ]


新人かぁ

私も狩猟歴で言うと、猟隊の中ではまだ下から数えて二~三番目くらいです(笑)。

最初は新しく入って来る人にも期待しましたが、最近は過度に期待しないようにしています。
「狩猟の上達度合い=やる気×センス」と思えば、やる気もセンスもない人間に一生懸命に教えるエネルギー(と期待する心)が無駄だと思うからです。

逆にやる気のある人には惜しげなく幾らでも教えたいと思うのですが…。

ちょっと狩猟倦怠期に入っていて、嫌なコメントでごめんなさいm(_ _)m。

じゃん | URL | 2020-07-27 (Mon) 21:42 [編集 ]


じゃんさん

いえいえ、私も実は狩猟倦怠期。
報奨金制度を含めて様々な嫌な思いをしてきたため、一部の先輩以外は誰も信用できなくなってしまいました。
純粋に猟犬たちと野山を駆け回りたいのですが。
猟期に入っても全然楽しくないのです。
それに新人についても、じゃんさんと同じ。
私の方からはアレコレと言わなようにしています。
今後、狩猟や捕獲隊を率いるにおいて、本物と偽物を見極めるために。
狩猟に対して、その人間が正義感を持って臨んでいるのか否かを見ています。
言われるように、一生懸命に教えるエネルギーを無駄にはしたくないですからね。
後々嫌な思いをするだけです。
今は「一日でも早く信頼できる仲間に出会いたい」
その一心です。
真っ当なコメントをありがとうございました。
「やっぱり、そうだよね~じゃんさん」これが私の正直な気持ち。
なぜか「ホッ」としました(笑)。

あっきょ | URL | 2020-07-27 (Mon) 23:39 [編集 ]


写真の中に印があって初めて説明を面白く興味深く読んでしまいました。これがいのししの痕跡って経験が無いと無理ですね~ それも体験ではなくしっかりした経験が・・・

自遊自足 | URL | 2020-07-28 (Tue) 09:08 [編集 ]


自遊自足さん

そうなんですね。
巻き狩りは「見切り」の検証作業みたいなモノなのです。
見切りとは、足跡からその猟場内にイノシシが留まっているかを確認する作業。
落ち葉のめくれ具合、時には路面の霜の付き具合からも推測します。
寝場所が特定できたら、タツがその周りを囲みます。
そのタツ配置も経験が大いに活かされます。
そして、猟犬をその猟場内に入れて追い出し、獲物を捕獲。
見切り名人の場合、大抵は見切った獲物と、大きさや頭数は一致します。
その繰り返しなんですね。
したがいまして、高い分析能力とシッカリとした経験が伴わないと、本来の見切りなどは出来ないのです。
誰でも出来ることではないんですね。
でも、努力をすれば、そんな見切り名人の足元くらいにはなります。
私も何とかそのくらいにはなりたいのですが。
経験も何もまだまだです。

あっきょ | URL | 2020-07-28 (Tue) 10:45 [編集 ]