
高齢な上、フィラリア症により多臓器不全を併発している可能性が高いのです。
一時はもうダメかと思ってしまいました。
ところが3日後にはエサを食べ出して徐々に元気に。
今ではエサを催促するまでに回復。
このまま治ってくれたら・・・と楽観したいところですが、そう甘くはないようです。
でも今が元気ならばそれで良し。
フィラリア症のことは考えないようにしています。
そうなると、また頭の中をよぎるのがブリーディングのこと。
ひょっとするとヤマの血筋が残せるんじゃないか?と欲が出て来ます。
今は亡き老師匠が言っていた「ヤマみたいな犬は、なかなかいるもんじゃないぞ」との言葉が頭から離れません。
実際にヤマの猟芸(猪との駆け引き)を何度も目の当たりにして来た私としても、それは納得。
コーシンと一緒にイノシシ鳴き止めしている時は、たとえ30貫モノでも全く怯まず、いつまでも正面鳴き。

ところがヤマが1頭の時は「と~ちゃん、頼むよ~」と言わんばかりに私を呼びに来ます。
それで大物を仕留めたことが何回かあり、ヤマの判断力には脱帽なのです。
一線級で猟をやって来た猟犬が12年も生き残っているのは稀なこと。
勇猛果敢なだけの猟犬ならば、とっくの昔に殉職しています。
そんなヤマを上回る猟欲と、駆け引きの上手さを有するメス犬のコーシン。

果たしてどんな子犬が産まれるのか、期待せずにはいられません。
もし、子犬が産まれた場合の譲渡先も決まっているため、ヤマにはなんとか頑張って貰いたいと思っていた矢先の病状悪化。
そして復活。 (今日のヤマ)

悩ましいのです。
こんなことを書く理由として、もう一つ。
コーシンがここに来て発情期に入り、これが2頭の間の子犬を授かる最後のチャンスだと思われるから。

そうだとすると、これからの2週間が正念場。
ヤマとコーシンの様子を見ながら一緒にするタイミングを見計らいます。
この2頭はとても仲が良く、信頼し合っているため、相性の点では問題なし。
問題なのは、やっぱりヤマの容体。
ところが今日もコーシンのニオイを嗅いで大興奮!
でも、フィラリア症の影響で咳をゲホゲホ。
「なんとか、神様 お願~い!」と、叫びたい!
無理はさせられないけど・・・・・揺れまくるオッサン心・・・・・
今はただ、ヤマのど根性を信じるしかないようです。
