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生きもの二人三脚

シカよ山からは出さんぞ!

液晶テレビの後に、危うく事故続きになるところでした。

これだから民家が隣接する山での有害鳥獣捕獲は考えてしまうのです。

通常の猟とは異なる配慮や注意が必要となり、気を揉むばかり。

役場からの要請がある以上は仕方ないのですが、その辺は捕獲員の腕?の見せどころなのでしょう。

タツの張り方(射手の配置)や射撃のレベルアップ、猟犬の入れ方等、様々な事故防止に向けての意識を高める必要があります。



さて、日曜日はハイカーさんが多い山での捕獲業務。
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もちろん、その方々への配慮と注意は怠りません。

朝の打ち合わせを済ませ、それぞれの配置場所へと向かいます。

勢子役の私は、配置完了の無線が入るまで、コーシンとカノと待機。
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暫くして無線から「タツ配置OK、犬放して」と隊長。

「了解、犬放すよ」で猟がスタート。

コーシンとカノのリードを外します。

2頭は足並みを揃えて捜索開始。

すると程なくして尾根上に向かって2頭が猛ダッシュ・・・・・で、激しく鳴き出します。

「鳴き出したぞ」と静かに無線を飛ばし、GPSの猟犬たちの動きを見ると、獲物は凄いスピードで逃走している様子。

すかさず「起きたぞ(獲物が動き出した)」とまた無線。

逃げ方やそのコースからして獲物はシカであると判断し、その方面のタツに注意を促します。

コーシンとカノが猛スピードで獲物を追っている様子をGPSの画面で確認していると・・・・・

あれ?タツ配置の場所をそのまま通り抜けて行くではあ~りませんか!

山々に木霊する銃声と「止めたよ!」との無線を期待していたのに・・・なんにもナシ。

すると無線から叱責の声が。

「おいっ、なんで鳴らさ(撃た)なかったんだ!」と。

締めタツ(一番外側のタツ)の一人が、撃たなかったタツに怒っているのです。

後で聴いてみて分かったのですが、ボォ~ッとしていて真横をシカに抜けれたそう w( ̄o ̄)w

もう、Uさ~ん・・・・・。

仕出かしたところを隣のタツに見られちゃったんですね。

GPSを見ると、コーシンとカノは仲良く1km以上私から離れてしまい、私は寂しく一人旅。
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山椒の花が可憐だな。

「たぶん、カノはすぐに戻って来るからタツはちょっと待っててよ!」と私は無線を飛ばし、勢子声を張り上げ進みながら猟犬たちを待ちます。

すると、やはりカノだけが、こちらへ戻って来ている様子のGPS。

勢子声と呼び声に反応し、ズンズン近寄って来ます。

そして「シカは無理!速すぎる!」と言わんばかりに私の元へ帰還。
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なんでも有りのコーシン姉さんは放っておいて・・・

さぁ、もう一度やり直し!

イノシシ好きのカノと共に今度はイノシシの寝場に進行。

はい、矢印の方向ね・・・・・沼津アルプス?
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スグにカノは何かを気取ったようで・・・・・
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走り出し、鳴き出し、獲物が起きます。

カノの追い鳴きが遠ざかる中・・・

タツに無線を飛ばします。

しばらくすると銃声が間を空けて2発。

「イノシシ止めたよ!」との無線が二人より入ります。

あ~今度は良かった。

仕留めた現場に向かいながらGPSを確認すると、コーシンは近くまで戻って来ています。

その距離80m。

しかし、私が呼び声を掛けるものの、それを無視。

尾根の逆側へ走って行ってしまいました。

あれま?・・・・・もしや・・・・・

そして次の瞬間、お得意の強烈鳴き!

「ワァワァワァワァワァワァ~ン!」

その声に反応したカノ。

イノシシの止め現場よりスッ飛んで来て、私の前を横切り、コーシンの方へ走り去ります。

私は付近のタツに向けて「気を付けろ!」と無線。

その直後に「バァ、バァ~ン!」と銃声。

と、同時に「中ったと思うんだけど行っちゃった!オスジカだ!」と、捌き師匠のKさんの無線。

コーシンとカノの激しい鳴き声はどんどん山の下の方へと下がっていきます。

「ま、まずい!」

シカは猟犬に過度に追われると、開けたところに逃げる習性があるのです。

山から出た先には集落や交通量の多い道路が。

山中をズッコケて泥だらけになりながらも駆け下りる一人『ファイト~!イッパ~ツ!』の私。

鳴き止め現場に着くと猟犬たちとオスジカが壮絶バトル中。

オスジカの反撃も激しく、角で猟犬たちを突き刺さんがごとく突進を繰り返しています。

落石止めの壁が、シカの民家への侵入を防いでくれていたのが何よりでした。

しかし、私の後ろ5mのところはその壁の切れ目。

通す訳にはいきません。

先頭で果敢にアタックするコーシンが邪魔。

おまけに民家からは見学しているご夫婦が。

撃ち難いたらありゃしません。

私はご夫婦に向かって「ちょっと失礼します!撃ちますんで耳を塞いで下さい!」と告げ・・・

「御免」

「どうもすいません、お騒がせしました!」となったのです。
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この日の捕獲業務を終え、獲物が冷えるまで、一日の反省会。
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やっぱり、Uさんが隊長である猟友会会長よりお叱りを受けました。

「もっと集中していないとダメ!」

「は~い!ごめんなさい」と、素直なUさん。

ほのぼのとした光景に小学生の頃を思い出します。。。

そして奪った命は隅々まで有効に利用させて頂きました。
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また暫くは、山に向かって手を合わせる日々が続くことになります。

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コーシンもカノもお疲れさん。




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コメント


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洋犬・和犬

もうお気づきとは 思いますが 洋犬 和犬 それぞれ別で
使い時期に 来ているのでは ないでしょうか?
その性能を 人間が 理解し使用することです。
むやみに 犬を使いと 事故のもとです。
気を付けてください。
楽しみが 後悔になります。

ではまた。  龍

| URL | 2019-04-16 (Tue) 18:48 [編集 ]


こんばんは~

まるで、ドキュメントの実況中継のようで、
まさに手に汗握る感じで読みました。
世のため、人のため、素晴らしいですね。(*^_^*)

窓 | URL | 2019-04-16 (Tue) 18:54 [編集 ]


龍さん

おっしゃる通り『足並み』の合わない犬を同時に引くのは本来は御法度ですよね。
ところがコーシンもかなり和犬に近い猟芸なのです。
本来の洋犬スタイルとの違いに、老師匠も驚いていました。
もちろんカノの猟芸は筋金入りの和犬スタイル。
猟期中もイノシシにはバッチリと足が合っており、コーシンがラウンドでカノが正面止め。
先の猟期はカノを訓練する意味でコーシンとあえて引いていました。

でもシカに出くわすと・・・・・
カノは深追いはせず、コーシンは長追い。
それでバラけてしまうのです。
今回は、たまたまそれが上手くいっただけ。

今後のことを考えると、やはり和犬の猟芸で行きたいですね。
捕獲業務にはオールマイティーなコーシンのような犬2頭で本来は臨みたいです。
正直、カノは猟期の一銃一狗に温存しておきたいところ。
今は「感を鈍らせない程度に」ですかね。
ヤマはのんびり隠居生活を楽しんでいるようですし。

今の捕獲隊は、以前、やたらと多い猟犬頭数で猟をしてた時期もありました。
私はそれに疑問を感じ、会長と先輩勢子さんと協議。
今は基本、一組しか入れない猟のやり方で皆さん納得です。
そちらの方が捕れますし、犬もケガをし難くなりますね。
『楽しみが後悔になります』
そのお言葉、しかと肝に命じておきます。
ありがとうございました。

あっきょ | URL | 2019-04-16 (Tue) 19:48 [編集 ]


窓さん

そう言っていただけて、とても励みになります。
反面、恐縮もしてしまいます。
実のところ嫌々な面も少しあったりして・・・
仕事との両立や、暑さ・害虫など、大変過ぎるのです。
おっしゃる様な「崇高な志で」と言うよりは「自分たちしか出来る人がいないから」でしょうか。
でも実質、今はハンター総出で「世のため、人のため」状態。
人と野生動物とのせめぎ合い。
これから先、このままでは野生動物が優勢になるのは必至。
泣き言なんて言ってはいられませんね。
頑張りま~す!

あっきょ | URL | 2019-04-16 (Tue) 20:59 [編集 ]


お気づきでしょうが

私は現在有害鳥獣捕獲を行っていません。
色々な理由があるのですがお休み中です。
そこらへんは機会があればまたゆっくり書いてみたいと思います。

しかし離れて見えることもたくさんありました。
何より狩猟を始めた頃の様に「猟期が待ち遠しくなった!」ということが一番良かったことでしょうか。

これから暑くなりますのであっきょさんもワンコさん達もご自愛くださいね。

じゃん | URL | 2019-04-16 (Tue) 22:51 [編集 ]


じゃんさん

そうですよね、以前はじゃんさんも捕獲業務に従事していましたよね。
私も捕獲業務については色々と考えてしまっているところです。
何しろ現状では問題が多過ぎ。
まずは私も含め、今のボランティア的な寄せ集めの隊員構成ではなく、完全に業務に専念できるプロ集団で行うべきではないのかと思っています。
各猟隊からの寄せ集めでは、猟のスタイルや個々の技量に大きな違いがあり、危険を感じることも多いです。
狩猟における「各種の免除目当て」「猟期の延長線上」「暇つぶし」程度の考えの狩猟者も多く、そこに『仕事』との意識は感じられません。
いくら弁当代しか支給されないとは言え、税金が投入されている訳ですし。
そんな状況ですから獲物がいる割には捕れませんし、猟犬や勢子も危険だと感じています。
ですから本来は猟犬を出動させたくないところ。
しかし、こちらの地域では猟犬を扱う狩猟者がいなくなりつつありますし「仕方なく」と言った感じです。
また、野生動物による農場被害が相変わらず深刻ですので、これも然り。

こちら静岡県東部のシカ大増殖は全国的に見ても異常状態。
有害鳥獣捕獲だけではなく生息頭数調整の管理捕獲や認定捕獲も併せて「今」を踏ん張っておかないと、もっと大変なことになるでしょう。
今後の狩猟者減少を十分考慮に入れた捕獲業務のあり方を模索する上でも、今は従事して行くしかなさそうです。

ホント、じゃんさんが言われるように猟期のありがたみや楽しみが薄らいでしまっていますね。
いつもご心配やアドバイスを下さったりと、ありがとうございます。
『狩猟』と楽しく長く向き合えるよう、アドバイスをふまえて私なりに考えていきたいと思います。

あっきょ | URL | 2019-04-17 (Wed) 16:50 [編集 ]