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生きもの二人三脚

職場の人間関係と猟犬

その猟犬の能力を生かすも殺すも飼い主次第。

これについては概ね間違いは無いのでしょう。

とくに和犬においては「完全にそうだ」と言い切れると実感しています。

ダメ猟師のもとで猟芸が開花しないか、もしくは使い辛くなってしまった和犬を多く見てきました。

本当に何頭もです。

残念で仕方がありません。

その度に私自身の日頃の猟犬たちとの接し方や、猟での判断や行動を顧みて「自分は大丈夫だろうか」と。
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まだまだ不安になることの方が多いのですが、おぼろげながら分かって来たこともあります。

今更ながらではありますが、猟犬を「人」として接する感覚が大切なのではないかと。

真の能力を引き出すには、その感覚が求められると感じたことが幾度もあります。

これは「子供」とか「パートナー」という事ではなく、あくまでも「身近な人」として。

私としては職場の「部下」や「同僚」あたりの感覚に近い方が、その猟犬の能力を引き出せると考えています。

ペット犬や盲導犬などは子供やパートナ的な感覚の方が良いのかもしれません。

ところが「猟犬の場合は異なるのではないか?」と近頃は感じているのです。

そこで重要なのが自分が職場において、信頼される人間であるかどうか。

挨拶から始まり、指示やアドバイス、そして褒めたり注意をしたり。

また、時には「ごめん」と誤ったり。

猟犬も、そのコミュニケーションの全てがわかります。

これは分かっている人にとっては当たり前のこと。

ところが「犬だから」と見下している人には全く理解されない。

これが「猟犬との接し方の初歩」であることさえも受け入れてくれない。

私はその様な分からず屋猟師たちとの付き合いを断ちました。

しかし、そんな自分が実際の職場ではどうなのだろうかと。

一見すると、同社員たちの私に対する挨拶や報連相などは、ごく普通で問題ナシ。

また、私を信頼しているようで、指示した仕事にもシッカリと取り組んでくれている。

その一方で「アイツはうるさい」「アイツは細かい」との陰口を言う者もいる。

つまり、一部の人間には嫌われているのです。

決して不寛容な自分ではナイと思うのですが・・・難しい。

こんな私が猟犬たちに本当に信頼されているのだろうか。

いささか不安にもなります。

なんだか難しい話になってしまいましたが、それほどに猟犬には繊細な部分を感じるのです。

でも、こうやって、たまには猟犬たちとの接し方を考えるのもアリだと私は考えています。

やはり犬の考え方や心の在り方は、人となんら変わらない。

種は違えど、犬と人は同じ。

近頃は犬たちと一緒の時は心が安らぎます。

穏やかな心を持ち続けることが本当は一番なのかもしれません。



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有害鳥獣捕獲の裏話

有害鳥獣捕獲に携わっている方なら既に多くの方が耳にしていると思います。

例の使用無線機についてです。

捕獲隊は、お金を頂いている以上はプロ。

プロである以上はアマチュア無線機は使用不可。

この数年間、そんなアホな話になっていました。

確かにお弁当代程度は頂いているけれど、有害鳥獣捕獲は基本的にはボランティア。

しかし、私たちも数年前の騒動以降はデジタル登録局式の無線機を使用しています。
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それに当たっては役場が隊員全員分を用意してくれました。

ところがある日、隣町の猟友会分会がパクられてしまったのです。

原因は有害鳥獣捕獲にアマチュア無線機を使用したから。

その後、生活安全課から難癖を付けられた隊員たちは鉄砲をヤメてしまい、事実上のお家取り潰し状態に。

それをタレ込んだのは近所の無線機屋。

何だか嫌な話です。

そんな中、時は流れ・・・

今年の3月15日より「やっぱりアマチュア無線機を使ってもいいよ」と総務省。

何を今さら・・・とも思いましたが。

そのことで昨晩、猟友会会長と長電話を。

どうやら自民党の二階幹事長が一肌脱いでくれたよう。

「アマチュア無線は災害時など、国民が困っている時にも使用できる」

「有害鳥獣捕獲は国民が困っているから行う。ならばアマチュア無線を使用してもいいではないか」と、半ば強引とも思える論理で。

二階幹事長は、件の「総務省の会食に弱い体質」を利用したのかな。。。

会食代は大日本猟友会の佐々木会長が負担して。。。

私の皮肉話にウケる電話向こうの会長は・・・

「でもさぁ、役場がせっかく買ってくれたんだし、アマチュア無線のようにチャンネル無線は被らないから、このままデジタルを使おうよ。アマチュア無線は予備的に使って」と。

私もそれには賛成。

続けて会長はこんな提案も。

同じ猟友会会員の中に、フレンチレストランのオーナーシェフの方がいるのです。

このコロナ禍の影響で売り上げは厳しい状態のままだそう。

「少しでも足しになれば」とのことで・・・

有害鳥獣捕獲の時のお弁当を「お願いしてはどうか?」との話になっているのだとか。

シェフ隊員も「是非とも!」とのことだそう。

ウッホホ~! それは大賛成!

フレンチシェフのお弁当なんて、楽しみ~!

それだけでも有害鳥獣捕獲に参加する意味がある。。。なんて。

こんなことでも、協力できることがあれば、いくらでも! 

2人前、注文しちゃうよ!

そして午後は解散!。。。お腹いっぱいだろうし、暑いし。。。

ところで二階幹事長殿。

猟犬用のGPSの話はしなかったの?

ガーミンが使えるように総務省に言って下さいよ。

フルノのドッグナビは本体も高いけど、修理代も高過ぎ。

修理時間も掛かり過ぎだし。

猟期が終わった後に発信機が戻って来ても遅いのです。

まぁ、有害鳥獣捕獲には間に合ったからいいかな。



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猟師のあるある

松田優作さんに憧れ、ファンでもあった私。

あのベルボトムのジーパン姿がカッコ良かったな。

実は家内も優作さんのファンなようで、未だにあのセリフを口にすることがあります。

「なんじゃこりゃ~!」と優作さんのモノマネで。

『太陽にほえろ』でのジーパンの殉職シーン。

当時、小学生だった私には衝撃的でした。

それが時代を越えて、昨日の晩餐で聞くことになろうとは・・・。

あのシーンを彷彿とさせる強い口調の「なんじゃこりゃ~!」に、ただならぬ事態を感じた私。

家内は、それを口から出し、手の平に乗せて差し出しました。
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鈍く鉛色に光るその物質。

目を凝らして見てみると・・・

鉄砲の弾の破片でした・・・って、そのまんま。
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イノシシ肉カレーを作り、二人で夢中で食べている時の出来事でした。

「ごめん、肉のトリミングが甘かった」と謝る私。

カノのおかげで獲れた米一俵の雌イノシシ。

その良質な部位ではなく、ネック肉で作ったのが良くなかったか。

カレーの旨さは抜群ですが。
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頸椎を弾が砕いた際に破片が飛び散ったのでしょう。

血肉のトリミングをシッカリとしたつもりだったのですが。

それでもまた、ニコニコ顔でイノシシ肉カレーを口に流し込む家内。

彼女にとって、カレーは飲み物のようです。

優作さんのモノマネをする・・・

ウガンダ・トラさんの様相を呈していました。

お二人とも天国で仲良くやってるかな。




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獣医さんの機転

「もう辞めたい」

いつもお世話になっているU先生が私に一言。

師匠の代から猟犬たちの駆け込み寺となっていた街外れの獣医さん。
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U先生は高齢のため、昨年からは週3日午前中のみの診療に。

春は犬たちにとって、狂犬病ワクチン接種、混合ワクチン接種、そしてフィラリア症予防薬購入など、何かと大変です。

それを5頭ともなれば獣医さんに通うだけでも結構シンドイ。

ましてや、役場管轄外の少し離れた地域にその獣医さんがあるため、狂犬病予防に関する書類を私が役場に提出。

それだけでも、ワクチン接種と併せて貴重な有給休暇を何日も浪費。

「悪いけど、役場に行って来て」と、U先生。

格安でワクチン注射をしてくれるのは、ありがたいのですが。

よって、U先生には断りの連絡を入れて、狂犬病ワクチン接種は近所の獣医さんで行うことにしました。

こちら近所の獣医さんのI先生は、今年で14才になるウメの主治医でもあります。
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でも、チビチビの頃に何度かお世話になっただけかな。
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そう言えば、ラン・スー・ミキのスーもお世話になったな。

ニワトリの若鳥の具合が悪くなり、診てもらったのです。

かなり昔の話ですが・・・忘れません。
ラン・スー・ミキ・シュウ

380円で買ったヒヨコでしたが、治療費に5,000円も掛かってしまい、ビミョーな気持ちになりましたから。

も、もちろん「治って良かった♪」ですよ。。。命は大切ですからね。

と、そのI先生。

私が猟犬を5頭も飼育していることなど知る由もありません。

相談をしたところ、電話の向こうで狼狽えているI先生。

すると、ある提案をして下さいました。

「お宅に伺いますよ。それに5頭ですから往診料はいいですよ」と。

おぉ「渡りに船」とは、まさしくこのこと。

前日に、愛犬手帳と接種代を渡しに病院へ。
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そして昨日、I先生が「訪問接種」をしに、我が家へと来て下さいました。

颯爽とランクルで我が家に乗り付けて・・・
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「1頭ずつ、いらっしゃ~い♪」で、狂犬病のワクチン接種開始。
注射

あっと言う間に5頭の注射を終えました。

前もって預けていた愛犬手帳を受け取ります。
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そしてまた、I先生は颯爽とランクルで病院へと戻って行ったのでした。

ありがとうございました。

こりゃ楽だわ。

猟犬たちも分かるのかな?獣医の先生だって。

思いのほか騒ぎませんでした。

でも、何だか寂しいな。

先輩猟師が狩猟をヤメてしまうのと同じ心境です。

亡き師匠と盟友でもあった獣医のU先生。

混合ワクチン接種と、フィラリア症予防薬はお願いしますね。




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犬の駆虫と神秘

先日、行ったマルコの駆虫。

ホームセンターで売っていた駆虫薬。
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薬事法に抵触しないレベルの代物ですが、なかなかの効き目を発揮してくれました。
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どこで何を食べているのか分からない猟犬。

しかし、マルコの駆虫は幼犬の時に行っただけ。

若犬ともなれば「犬回虫の成虫は体内に居なくなる」との認識だったため、すっかり油断をしていました。

どうやら中には成犬になっても尚、腸内で犬回虫の成虫化を許してしまう個体もいるようです。

その稀有な個体のマルコ。

2回目の駆虫を前に驚くべき変化が表れました。

なんと、この10日間で体重が600gも増えたのです。
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ミカサの方は全然変わらないのに。
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ことの発端は単純。

マルコの見た感じが「ガリガリ君」ではなくなってきたから。
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以前は「あんなに食べてるのに。父犬トラの血筋かな?」と気になる時もありました。

それを楽観していた私。

でも、ここに来て、さすがにオカシイと。

そんな中「煮干しキャベツスープ」をドライフードに混ぜて与えだしたところ・・・
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犬回虫が「こんにちは~♪」とポロリ。

で、スグに駆虫と相なったわけです。

それがこんなに明確な変化となって表れるなんて・・・

マルコよ、すまん。

おそらくは犬回虫が何らかの影響をマルコの体に与えていたのでしょう。

自分が栄養分を多く吸収したいがために、栄養吸収を妨げるような物質を分泌していたとか。

はたまた・・・

幼犬と同じ高体温にして、自分が成虫として生存しやすい環境とするために、体脂肪を燃焼させる物質を分泌していたとか。

実際にどうなのかは分かりませんが、マルコが急激に太りだしたのは事実。
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驚きと同時に生命の神秘を感じずにはいられません。

今回のことで、私の犬飼育に対する未熟さを思い知った次第。

マルコの幼犬時に、もっとシッカリと駆虫をしておくべきだったのです。

「他の4頭が大丈夫だから」と、健康管理に対する慢心もありました。

今は反省しきりです。

言葉を喋れない生きものたち。

だからこそ飼い主がその変化を見逃さず、早め早めに手を打つことが肝要。

今一度、その「飼育の基本」を自分に言い聞かせるのでした。





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アルプスの猟犬と有害鳥獣捕獲

こちらの地域にはアルプスがあります。

でも「アルプス」とは言っても、低山のアルプス。
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南アルプスの標高2,500mから下をダルマ落としのように「スコ~ン!」と弾いて・・・

「ドスン!」と、その場に連なる尾根が落ちたような山々なのです。

なので尾根伝いのハイキングコースは、低山なのに思いのほか変化に富み、ハイカーさんを飽きさせません。

眺望の美しさも抜群!
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つまり低山ですが、良い山なのです。

それはイノシシやシカにとっても同様で、彼らにとっては居心地の良い山。

よって役場からの要請が毎年のように掛かるわけです。

もちろん、その有害鳥獣捕獲の前には広報や町内放送で入山の注意喚起を。
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そして、その有害鳥獣捕獲の参加者は事前に射撃練習会を行い、安全狩猟に努めています。

また猟犬たちも躾がシッカリとされていて、いい子ちゃん揃い。
アルプス

先輩勢子Tさんの和犬たちも、みんなお利口さん。

ハイカーさんの邪魔をするような犬は一頭もいませんので、ご安心を。

因みに我が家の猟犬たちはこんな感じ。

「アルプスの少女ハイジ」こと「アルプスの猛女カノ」
アルプスの猛女カノ
(なんでも牙の餌食にしてはいけませんよ)

「歩けるようになって良かったね♪」のクララではなく・・・

「猛ダッシュのクララ」こと「猛ダッシュのコーシン」
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(タツを抜けられたら戻ってきましょう)

そして「お昼寝ペーター」こと「お昼寝トラ」
お昼寝トラ
(頑張り過ぎて爆睡中)

あとは何だろう・・・そうそう、偏屈で人嫌いのオンジではなく・・・

「フレンドリーオンジ」こと「フレンドリーミカサ」
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(ハイカーさんに付いて行っちゃダメ)

ちょっと怪しいキャラクター揃いですが、ハイカーさんを妨げるのはミカサだけ。。。

以前に迷惑をお掛けしたハイカーご家族さん、ごめんなさいね。

あっ、なんか一頭忘れてた。

キミは何だろう・・・
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穴を掘るのが好きだから、ヒメモグラのマルコだな。

ならば私は、ドテチンのあっきょ。

家族や友人たちは、ナゼか私のことをそう呼びます(実話)。

・・・何の話だったかな。

そう、4月から始まる有害鳥獣捕獲。

安全狩猟で臨みたいと思います。



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猟友会の分裂

「ほれ、言わんこっちゃない」

今はそんな感じです。

なんだか悲しい限り。

こちらの地域では、あちこちの猟友会で分裂話が囁かれ出しました。
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実際に当人たちは揉めに揉めているのですが。

まさしく紛糾状態。

原因は何と説明して良いのやら。

事態は複雑なのです。

でも・・・単純と言えば単純かな。

要するに環境省や自治体の方針や要請に「猟友会側が沿える体制に至っていなかった」とのことなのです。

その至っていなかった一番の要因は、組織のリーダーである大元の猟友会上役にリーダーシップが無かったから。

しかし、そう言い切ってしまうと上役さんたちが少し気の毒か。

猟師の決まり事を考えていない筋を通さない罠猟を中心とした猟師たち。

一方の昔ながらの考え方で、尚且つ排他的なガメツイ猟師たち。

そこに絡む猟師同士の揉め事。

他にも様々な要因が重なって絡み合い、ついに空中分解寸前に。

そして、その根源は「お金」だと言っても過言ではありません。

つまり「獲物の奪い合い」=「お金の奪い合い」の様相を呈してきている今の狩猟。

もはやイノシシやシカが、お金にしか見えていない連中の報奨金争奪戦。

それが分裂の発端の一つになっているのです。

恥ずべきことです。

お金は人を狂わせ、調和を乱します。

こんな状況では、まともな人が「猟師になろう」などとは思わないでしょう。

どうやら環境省の安直とも思える考えと、それの伴う税金の無駄遣いは、猟師たちの分裂を招いただけに過ぎなかったようです。

「報奨金」などといった形で税金を垂れ流すくらいなら、もっと有効な使い方があるのにと。

罠猟地区を定めた上で、準公務員的な形で特定の腕の立つ罠師を雇うなど、完全管理のもとに捕獲を行えばトラブルも少ないハズ。

今の認定捕獲では効率が悪すぎますし。

そんな猟友会内でのゴタゴタを知ってか知らずか分かりませんが・・・

行政は報奨金制度の見直しに動き出した様子。

遅きに失した感は否めませんが、それでいいのです。

未来のハンターさんのためにも狩猟環境を整えるべきなのです。

今の私には、この騒動や流れを静観することしか出来ません。

昨日、私の所属する猟友会支部の総会がありました。

総会の後半はその話で持ち切り。

しかし、決して対岸の火事ではないのです。



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柄素材としてのシカ角

剣鉈の柄にシカ角を利用するハンターさんは多いと思います。

シカ角は素材としての強度に優れ、加工しやすいことも理由の一つ。

それに何と言っても見た目が良い。

なので剣鉈再生にあたって、柄にシカ角を利用することに。

前回は大まかにシカ角を削り・・・
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真鍮バルブをヒルトに改造。
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今回は柄であるシカ角に刃を差し込む溝を掘り、ヒルトを接合するまでの作業を行いました。

まず、溝堀はドリルで角度を確認しながら掘り進めます。
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次は溝やヒルトのハマりしろを棒ヤスリで整えて・・・
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因みに、棒ヤスリは木工用ヤスリが効率的に削れます。

そして荒削り状態のヒルトがハマるように成形。
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ハメると、こんな感じ。
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柄は後端部の余計な部分をカット。
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様々な事情で、一般的なシカ角柄とは向きが逆。

ここは私の拘りでもあります。

試しに刃を差し込んで、刃と柄の角度の塩梅を確認。
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この剣鉈は分解することを考えず、ハメ殺しに。

よってエポキシ樹脂で接合する予定。

エポキシ樹脂で固める利点は、刃とヒルトと柄の間の隙間が埋まり、洗いが楽だから。

止め刺しや解体で汚れる剣鉈には、アリな接続方法だと考えています。

さて、ここまで出来れば今週末には完成かな。




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猟犬は褒めるべからず

何だか誤解を招きかねない題目ではありますが、これは前話に関わる話でもあります。

「猟犬を褒めない」は、是非とも留意して頂きたい事柄でもあるのです。

これは勢子や猟師同士の人間関係が上手くいかなくなる要因になってしまう場合も。

私自身も、その巻き添えとなったことがあります。

猟師の心得として「他人の犬は、けなさない」「とやかく言わない」は、基本。

他人の猟犬の猟芸や仕事ぶりについて、直接的に注文を付けることは御法度なのです。

また同じ犬種や出生に関係する犬屋さんを侮辱することも絶対にダメ。

この事をわきまえない猟師は猟師として失格、いや、人間として失格でしょう。

自分が逆の立場になれば、誰でも理解できると思います。

愛するもの、大切にしているものを侮辱されることほど腹の立つことはないのです。

また猟犬の気質や猟芸に悩んでいる勢子に対して、直接的に指摘することも余計なお世話。

ただし間違った認識や訓練、そして飼育などを行っている場合は、関係の深さに応じて適切なアドバイスをしてあげることは必要だと思いますが。

一方、本題である「猟犬を褒める」は、人の心の本質を土足で踏み荒らしてしまう危険性をはらんでいます。

つまり、そこに複数人が立ちあっている場合は「嫉妬」に繋がってしまうことも。

嫉妬は放っておくと、あらぬ方向へと脱線し、憤り、恨み、そして最悪は謀略や抹殺へと。

人の・・・もしかすると生きものの本質なのかもしれません。

これは、猟隊や捕獲隊において、勢子が一人の場合は「褒める」は全く問題ないと思います。

しかし、複数の勢子が集まり、猟犬パックが揃った時は十分な配慮を忘れてはいけません。

よく見かけるパターンとしては、こんな感じ。

猟果が上がった場合や、タツ役がその勢子の猟犬のおかげで獲物を仕留めることが出来た場合にありがちです。

その勢子や猟犬のことを皆の前であからさまに褒める行為や・・・

また鳴き犬の「激しい鳴き」に対して・・・

「やっぱり鳴き犬は楽しいねぇ」などと、静かな和犬を引いている別の勢子に聞こえてしまう状況で話す行為等。
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褒められる勢子が年上の先輩ならば、まだイイのですが、それが後輩勢子だと、ややこしい事に後々になってしまうことがあります。

そこで、褒められた後輩勢子が有頂天になろうモノなら、もうお仕舞い。

・・・お仕舞いになった例も見たことがあります。

ここは一つ、その嬉しい気持ちを押さえて・・・

褒められた勢子は静かに謙虚に対応し、できれば公然と褒める猟師を、さり気なく諫めてあげましょう。

その辺りは、ベテランの酸いも甘いも分かっている先輩猟師方は流石です。

勢子全員に「ご苦労」と声を掛けるだけ。

そして静かに猟犬たちのところへと行き、囁きながら頭を撫でて、頑張った猟犬を労います。

褒められた猟犬たちは分かっています。

ですので、猟犬自身は大いに褒めてあげて頂きたいのです。

ただし、その時は静かにさり気なく。

また、どうしても勢子にお礼を言いたい時は、これまた更にさり気なく。

昔は猟隊によって様々なお礼の仕方があったようですが。

とにかく、場合によっては「猟犬を褒める」は人間関係が崩壊し、猟隊分裂に至ってしまうことすらあります。

良かれと思ったことが、とんでもない事にもなりかねません。

「褒める」は直接本人に・・・が基本なのかもしれません。

「巻き狩り」は調和の上に成り立っている狩猟スタイルなのでしょうから。



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勢子のプライド

昨日、過去の話をする機会があり、書き綴っておくことにした次第です。

私の勢子としての歩みを振り返ると、順風満帆とは言い難いモノでした。

その障壁の大部分は「人」だったのですが。

果たして、これが私の良い経験になったのかと考えてみるも、答えは・・・

嫌な思いも沢山してきました。

しかし、そのことで狩猟をヤメてしまおうと思ったことは、タダの一度もありません。

かえって「同じことを自分は絶対にしてはならない」との思いが強くなりました。

しいて言えば、その思いを強く出来たことが良い事だったのではないかと。

かなり遠回しな言い方ではありますが、端的に言いますと・・・

先輩勢子たちのプライドに翻弄され続けてきたのです。

今となっては「先輩」などと呼ぶことすら考えてしまいますが。

真っ当な先輩方や師匠が現役の頃は良かったのですが、その方々が居なくなってからは酷いもの。

それは今でも続き、未だにがっかりすることもあります。

巻き狩りにおいては、勢子の能力や猟犬の良し悪しが猟果に明確に現れるもの。

よって先輩勢子は、その気概と「唯一無二の存在」との思いを強く意識するようです。

ところが思いのほか、それらを「先輩意識」が助長してしまう人も多い。

そんな中で様々な思いをしてきた私。

とてもここで書き連ねることが出来ないレベルでした。

そこで、私が先輩となった時のことを考えてしまうのです。

本当は年上も下も関係なく、良いところも悪いところも話し合える環境が大切なはず。

普通は狩猟を知るにつれて相談したくなることが色々と出て来るものです。

その中で、話しやすい流れを作ってあげることも先輩の役目。

若手が健全に前向きに狩猟に取り組める環境とは、そんなことではないかと。

若手を育てる意識には、くだらないプライドは邪魔なだけ。

若手をライバル視するのは、己が未熟なだけ。

こちらの地域ではそのような勢子が散見され、情けない限りなのです。

一方、若手にとっては育てる意識のある先輩に出会えるかが、運命の分かれ道のよう思います。

しかし「学ぶ意識」が無い者には、良き出会いは期待できないでしょう。

「学ぶ意識」は有能な先輩猟師を引き寄せるものです。

これは言い換えれば、世の習い。

私も、その世の習いに従って、学ぶ意識を持ち続けている一人。

そうしたところ、昨日は先輩猟師Wさんから電話がありました。

バイク修理の合い間に、自宅に伺うと・・・

有害鳥獣捕獲が近いとのことで、猟場の状況などを教えて頂いた上に、ミカンも頂戴しました。
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Wさんはミカン農家でもあり、その地域でも一番の稼ぎ手。

常に甘いミカンを作るため、農協での取引単価もトップレベル。

私のミカン農家転職へのアドバイスもして下さいました。

この先輩も私の目標とする方。

師匠の盟友でもあり、若手を育てる意識に溢れています。

二回りも年下の私に対等に接して下さるスタンスには、いつも感謝なのです。

家に戻り、抜群に旨いミカンを家内と頬張りながら・・・

今までの歩みを思い出すのでした。




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