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生きもの二人三脚

所持許可更新に思う

「定年退職後に何をしよう」で始めた狩猟。

当時の推計値において、将来はハンターが激減して森の生態系保全が難しくなるであろうことが、容易に判断できる状況にありました。

したがって、役立てる猟師になるための準備期間として「我武者羅に狩猟に取り組んでも最低で10年は掛かるであろう」と考え、生活安全課の門を叩いたわけです。

その頃は今とは違って「猟銃所持許可は与えないぞ」感が丸出しだった警察と公安。

電話の向こうの担当者が非常に不愛想で不親切だったため、反抗心が芽生えてしまった私。

敢えてヒゲを蓄えたままの極悪な風貌で臨んでみました。
この顔に・・・

その反応が見てみたかったのです。

また、理不尽なローカルルールにクギも刺したかった。

明らかに銃刀法から逸脱した押し付けが多かったのです。

そうしたところ、生活安全課は完全に警戒モードに。

生活安全課の課長や公安委員会の課長との面接は、まるで取り調べ。

何の伝手もなく、突然の所持許可申請もアヤシイと思われたようです。

その取り調べに対し、私は終始一貫して否認を。。。いや、冒頭のことを言い続けたのです。

「森の生態系を守りたい」と。

一般的な理由を一言も口に出しませんでした。

実際に、それではウソになるから。

おそらく、そんな理由一つで所持許可申請する人などいなかったのでしょう。

なので理由書には、若い頃に行った野生動物の調査活動について、証明できるモノを添付。

「以前から生態系保全に関心がある」と訴え続けて許可を取り付けたのでした。

なんとも厳しいクレイジーな県です。

最もシカ増殖で困っている県なのに。

思えばあれから6年。

来月には2回目の猟銃所持許可更新となります。

年間の出猟日数は平均すると50日程度。

バタバタの6年間には、様々な出来事がありました。

初めの頃は怒鳴り付けられながらの猟でしたが・・・

近頃では怒鳴り返しながらの猟。

まだ6年生のド初心者猟師ですが、随分と偉くなったものです。

自分で言うのも何ですが。

でも猟師同士、山に入れば全員が真剣。そして平等。

それに真剣にヤラないとイノシシは獲れない。

なので怒号が飛び交うことも、しばしば。

けれども皆仲良し。

お互いに分かり合っているのです。

こんな人間関係を築かせて頂いた先輩方には本当に感謝。

そんな凄腕先輩猟師の一言一言は私にとっては、これからも宝となっていくのです。

しかし先輩方の多くいは、これからもドンドン狩猟をヤメていかれることでしょう。

何だか近頃は焦りにも似た感覚に苛まれます。

6年間、真剣に狩猟に取り組んできましたが、やっとその入口に立てた程度。

更新も終わるこの猟期からは、次の段階にチャレンジしたいと思っています。

今までの先輩方の教の中で実感してきたことに自分の考えを組み合わせて、立証していく猟です。

もう先輩方まかせの猟はお仕舞い。

そうでないと、いつまで経っても進歩しない。

タツ配りも全部私の指示で。

山は毎日のように変化し、その変化を勢子の私が今は一番知っているからです。

何とか一皮剥けたいものです。




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猟師小屋を求めて

狩猟の楽しみの一つに、猟仲間と語らう猟師小屋でのひと時があります。

なんか「男の隠れ家」的で、ワクワクもしてしまいます。

これは「狩猟者ならば誰でも経験できる」という訳ではありませんが・・・

それを大事とする猟隊と関わることが出来れば、猟の楽しみも倍増なのです。

猟師小屋には様々な形態があるようですが、どれも一長一短。

「猟場の中に設置」「隊員の家や離れを提供」「ロッジなど借りる」などでしょうか。

その中での理想は、寝泊まりの出来る設備やスペースがあること。

私の所属する猟隊には、本部はあれども解体する設備があるだけ。

本部を提供してくれている隊員の別荘の母屋が隣にあるのですが・・・
本部

上がり込むのは、なんか気が引ける。

なので解体が終わったら、いつも「お疲れさん!」で解散。

一抹の寂しさを覚えるのです。

私の理想とする猟師小屋とは少し違う。

なので猟期中は他の猟隊にも、ちょくちょくお邪魔するわけです。

そのうちの一つが素晴らしいのなんの。

「これぞ猟師小屋!」と言った感じの、猟場の中にポツンと一軒家。

写真を撮り忘れましたが、とても隊員たちの手作りとは思えない出来栄えなのです。

電気、ガスは完備で、水は湧水を引き込み使用、12名ほどが寝泊まりできます。

そして・・・

もう一ヶ所の別の猟隊の猟師小屋は、6名ほどしか寝泊まりできませんが、これまた素晴らしい。
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こちらも猟場の中にあり、ミカンの貯蔵庫を改築したそう。

この猟師小屋の売りは、何と言って台所用具や食材・調味料などの充実ぶりが半端でないこと。
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一般家庭のそれを完全に凌駕しています。

親方が元飲食店のオーナーで、自称「料理研究家」
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また、その猟隊の先輩勢子の料理の腕前もプロ級。
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そんな二人が入れ代わり立ち代わりで料理を振る舞ってくれるのです。
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猟師小屋はもう完全に小料理屋。
楽しいな

正直言って、猟よりそちらの方が楽しくなってしまいました。

一回戦が終わった親方の一言。

「今日は1頭獲ったからもうヤメ! 飯にしよう!」

そして運転手役の隊員がいる時は昼から酒盛り。

ついでに私も一杯。

そのまま猟師小屋で眠ってから帰ります。

猟犬たちも併設する犬舎を拝借。

なので、そのために購入した寝袋は大活躍。
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届いたその日に家内に試し寝されてしまいましたが・・・「超、温か!」だと。
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小屋内が2℃の日でも、ぐっすりと寝ることが出来ました。

所属する猟隊の隊員が揃わない時は、どちらかの猟隊の猟師小屋に泊まりに行く日が増えそうです。

猟師同士の楽しい語らい、そして旨い物を食べ、酒をかわす。

これほどの至福の時はないのでしょう。

私も将来は自分の猟師小屋を設けたいものです。

そして猟仲間と心行くまで狩猟を語り続けたい。

「猟師小屋」とは、何とも贅沢な空間なのです。




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猟友会の七本槍

戦国時代の合戦で、功名をあげた武将を「七本槍(しちほんやり)」と呼んでいたのはご存知のとおり。

当時は「七」のゴロが好まれていたんですかね。

この七人に選ばれた武将はにとっては、これ以上の誉れはなかったことでしょう。

そんなことをフッと思いながら、せめて道具の槍だけは良い物を作ろうと作業開始。
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「良い物」との定義は難しいのですが。

ところで・・・

こちらの猟友会の中にも「七本槍」に例えてみたくなるような猟師が何人かいます。

残念ながら若手猟師の中には一人もいないのですが、先輩方の中には何人も・・・

だったのですが、だいぶ亡くなられてしまった・・・。

つい先日も、捕獲業務の時にお世話になった先輩猟師が急逝。

この方は、賤ケ岳の七本槍に例えると「福島正則」みたいな方だったな。

まさしく豪傑。

以前、その方が猟犬の訓練中・・・

猟犬がイノシシを咬み止めしたそう。

鉄砲も剣鉈も持っていなかったため、岩石を両手で持ち上げて、殴り掛かって仕留めたとのこと。

立ち会っていた訓練仲間は未だに昨日の事のように話します。

供養祭の直会でも、ちょっと酒乱気味だったし。。。

昨年も、あんなにお元気だったのに・・・。



そうだ、今思えば・・・

私の師匠も、私的には七本槍の一人でした。

筋が一本ビシッ!と通り、骨のあるところが「加藤清正」みたいだったな。

なにしろ「猟犬」においても凄い人でした。

遺品を整理していたところ、猟犬の系統図を何枚も発見。

「系統図を作るために東海以西を何年も巡った」と話してくれたのを思い出します。



先日、止め刺し用の槍が完成しました。
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止め刺し専用のナイフを作り替えただけですが。
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本当は、こんなものを作る予定も、使う予定も無かったのですが・・・
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捕獲業務での役割り上、仕方がなくなってしまいました。

今後は罠に頼ることも多くなりそうです。

隊員としては、獲物たちに極力苦しみを与えずに事を済ませるのも重要な仕事。
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冒頭の「良い物」とは、そんな処理を行える槍なのでしょう。
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獲物に悲鳴を上げさせるようでは失格。

槍使いは「突き」以上に「引き」も大切かと。

そんな練習を今は段ボール相手に行っています。

「なんだかなぁ」と思いつつも・・・

そこは拘りたいところなのです。




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コスパで勝負の水回り資材

犬舎を作るにあたっては、プロの業者さんに専用資材で建てて頂くのが本当は一番。

何軒かの勢子さん宅にお邪魔して、そんな素晴らしい出来栄えの犬舎を拝見したことがあります。

照明、換気、柵、水道、排水関係などはもう完璧。

つまり、全部OK!なんですね。

飼育されている猟犬たちの全身にも、清潔感があふれています。

それに引きかえ、不潔感あふれる我が家の犬舎と猟犬たち。。。
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そして貧乏猟師の友は「単管パイプ」

でも、めげずに生き生きとしているコーシン、カノ、トラ、それとグレムリン2頭。

この悪々2頭には、ミカサとマルコとの名前が付いていますが・・・

ヤルことはグレムリン。

形ある物は全て粉砕し、私を悩ませます。

これは心が大人になるまでは、どのワンコも通る道。

仕方がないのです・・・と教育的指導の思いにブレーキを掛ける毎日。

その中で先日の題目の「シフトチェンジ」の一環として、ミカサとマルコを分けることにしました。

元が単管パイプで作った自作犬舎だったため、改築は簡単。

また、仕切りと扉を作るための材料費は5千円程度で済みました。
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やはり、一番助かったのは水回りの資材を使えたこと。

中でもコイツは優れモノ。

固定バンドで、メーカーはアカギ。
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本来は水道管パイプ類を固定するモノですが、単管パイプとの相性の良さは抜群!

40Aサイズが通常の単管パイプにマッチします。

単価が100円程度のわりに製品のクオリティの高さにはビックリ!

同じモノを2年以上、柵の取付けで使用していますが、表面はピカピカのまま。

メッキも強いのです。

今回は扉の蝶番代わりとしても取り付けてみました。
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挟み付ける内側にボルトを入れて隙間に厚みを持たせ・・・
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扉の可動域は270度以上可能となりました。
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そうしたところ、これが実にいい感じ。

と、遡りまして・・・この堅牢な作りの扉は、屋外用流し台の棚網。
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値段は2千円ほどでした。

ホームセンターには、意外な優れモノが眠っていることを改めて認識。

あとは、メッシュ柵を仕切りに使用。
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今回は、また中国製「高儀のチップソー切断機」が大活躍。
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単管パイプや鋼材をカットするのに2年間使用していますが、納得の品質と性能。

「送料込み8千円で、これはナイス!」の一言。

おかげで今日一日で作業は完了。

そう言えば・・・

ミカサとマルコは工具の使い方を熱心に見学。
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とくにミカサは水準器に興味津々・・・ずっと見てる。
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コーシンは単管パイプ切削時の音や火花もヘッチャラ。
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みんな良い職工犬になりそうです。。。



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黄金スープの無限ループ

ワンコのエサ用に取っておいたイノシシの背骨。

先日、冷凍ストーカーの整理も兼ねて全部食べてしまいました。

脂の乗っている個体の背骨だったため、ワンコ用には不向きであろうと判断。
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それは正解でした。

背骨周りの肉とはいえ、何しろ脂がスゴイ。

今回は塩味で大根と一緒に煮たのですが、煮れば煮るほど脂が浮いてくる。
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その量は表面が層になるほど。

よって適度に脂を取り除きます。

そうでないと脂っこ過ぎて食味を損ねてしまうのです。
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そして、最後に残されたのは煮汁。

しかし「煮汁」との陳腐な表現は、この液体に対して失礼千万。

山栗やドングリなどの木の実、時にはデンプンたっぷりの根っこ類を食べてエネルギーを貯えたイノシシ。

その活力の源が「旨味」として凝縮された肉や骨。

それを時間を掛けて煮込み、旨味を抽出。

大根エキスと塩が、さらに旨味のバランスを整えてくれているのです。

この煮汁、いや、スープはもはや「宝」

つまり黄金。

そう「黄金スープ」となったわけです・・・色もそんな感じだし。
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レンゲで一口・・・旨い! 

絶対に捨てちゃダメ!

早速、猪鍋を作ることにしました。

まずは半解凍の肩ロース肉をスライス。
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鍋の具は冷蔵庫にあった、白菜、長ネギ、ニンジン、椎茸、お揚げ。

味の調整として、塩と魚介系の出汁の素を少し加えました。

で、出来上がり。
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文句なしの旨さにスグに完食!

残されたスープは更に旨味を増しています。

よって次の日も・・・そして、その次の日も猪鍋・・・の3連チャン。

旨いのはいいのだけれど、この無限ループに何処かで終止符を打たなくては。

結局、無難に雑炊を以って有終の美を飾ることに。

最後の一滴まで余すことなく森の旨味を堪能させて頂きました。

猟場に向かって手を合わせて感謝。

そのまま体を捻って犬舎の方へも。

ごちそうさまだワン!



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猟犬仕込みのシフトチェンジ

猟犬というものは、一頭ずつ分けて飼育するのが本当なんでしょうね。

なんとも悩ましいのです。

とくに狭い庭では。
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一緒にしておくと・・・

今まで、とても仲が良かった2頭が、どうしたことか急に・・・

何てことは良くあります。

まるで人間みたい。

私と家内だってそう。

私の方はそうでもないのですが、家内の方が近頃は・・・

手を繋ぐどころか、目も合わせてくれません。

お尻なんて触ろうものなら蹴り飛ばされます。

人間の場合はおおよその原因は分かりますが、猟犬はどうなんだろう。

順位決めや発情期が、その引き金になっているように思います。

あと、複数頭の同時のエサやりも要注意。

大抵は躾で何とかなりますが、油断は禁物。

状況によりけりですが、最大級に気を遣う必要がある場合も。

猟犬は、一旦怒りのスイッチがオンになると・・・

水をぶっ掛けたくらいではオフにならないことも多いのです。

したがいまして、生後8ヶ月目に入ったミカサとマルコを分けることにしました。
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この2頭を一緒にしておくのは将来的に非常に危険だと直感的に判断。

今は仲が良いのだけれど。

ブチ切れ気質がコーシン母さんにソックリなのです。
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そして気の強さや力も互いに拮抗。

中には「徹底的にケンカをさせて上下関係をハッキリさせろ」なんて言う猟師もいますが、甘い。

猟犬の場合は取り返しのつかなくなることも多いのです。

それに今後の躾と訓練においても、分けた方がいいハズ。

私は、もうパピーウォーカーはお仕舞い。

優しき鬼軍曹へと、2頭に対する接し方を変えます。

メリハリが大切なんでしょうね。

今週末から犬舎改造作業を開始。
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それを想定しての区画割でしたので、大した作業ではありません。

サクッ!と柵を設置してみたいと思います。

そこからが本番です。




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自然災害とオオカミ少年

これだけ様々なことが発達しているのに・・・

なぜ台風の進路は予想と違って、いつも逸れるんだろう。

良い方にも悪い方にもブレ過ぎるように思います。

台風10号の時も「神様、どうか九州の人たちを、お守りください!」と、お祈りしいたら、ビミョーに逸れてくれたし。

今回の台風12号も「あっちに行って!」と、神様にお願いしたら・・・

八丈島の方々、すいません。

私の崇拝する山の神様の力がスゴイのか、、、

気象庁の人たちの頑張りが足らないのかは分かりませんが、良く逸れます。

地震の警戒警報と同じで、甘い制度のもとに警報を乱発すると、オオカミ少年になってしまいそう。

私はそれもコワイのです。



さて、今日も海沿いの道を通って職場に向かうとしますかね。

駿河湾は台風一過とは思えない程に穏やか。
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この進路だと伊豆半島の山々に守られて、駿河湾内は風裏となります。

よって・・・・・
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海洋調査船「ちきゅう」は、いつもの如く湾奥に避難。
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地引網船は陸上に。
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カモたちも貯水池に避難。
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風の強かった日の翌日は・・・カモさんたちは、こんな感じですよね。

台風の進路においては、大抵は富士山が、この静岡県東部を守ってくれます。

なんか「守ったぞ!」感あふれる富士山。
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いつも、ありがとね。

程なくして職場に到着。

今日も仕事を頑張るか。




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罠猟と怒りと止め刺しの流儀

今年の4月に亡くなられたC.W.ニコル氏。

彼は罠猟が大嫌いだった。

「罠に掛かった獲物は苦しみ続ける。罠猟は密猟者の手段だ」と。

「そんなことを公然と推奨しているのは日本だけだ」とも言っていた。

確かに環境省の罠猟師大募集的な愚策や、その成果の自画自賛には呆れてしまう。

現場の状況や日本の従来の狩猟文化、そして後の狩猟界のことを全く考えていない。

つまり、その場しのぎの安直な方法に走ったわけだ。

しかしニコル氏の訴えていたことは理解は出来るが、海外と日本とでは事情は異なる。

日本のイカれた銃刀法下では無理があるのだ。

野生動物の生息地と、人の生活圏が近過ぎることもその要因。

銃刀法前の問題でもある。

常識的に考えて危険なのだ。

安全かつ合理的な方法を考えると、やはり罠猟は日本にとっては必要不可欠。

今後は、この猟法も狩猟文化の重要な一つとなっていくだろう。

ところが現状はどうしたものか。

山は酷い有様だ。

『名札無しの罠」』

『違法構造の罠』

『罠数制限無視』

『見回り不履行による獲物の放置』

本当に酷い。

無法状態と化している山もある。

お坊ちゃま育ちが性善説のもとにルールを作ると、こういうことになる。

日本とは全く以ってお目出たい国だ。

ファンタジーだ。

その陰で山はどうなってもいいのか。

生きものたちを、ここまで苦しませてもいいのか。

私は一狩猟者として耐えられないのである。

死臭の漂う山に入ると、生きものたちの苦しみの声が聞こえてきて耐えられないのである。

無慈悲な一部の罠猟師たちと同じ狩猟者と思われることが耐えられないのである。

そんな一部のデタラメ罠猟師たちを『密猟者』と呼べばいい。

天国のニコル氏には分かってもらいたいのである。

罠猟を一括りに「密猟者の手段」と考えるのは、この日本においては違うのだということを。

遵法精神のもと、現状の農作物被害や将来の生態系のことを考えて、真面目に罠猟に取り組んでいる狩猟者を、そんなヤツらと同視してはならないことを。

罠猟を上手に利用し、安全や獲物への配慮を忘れない狩猟者が多数派であることが、私の何よりの心の支えだ。

真面目に取り組んでいる彼らは、止め刺しにおいても獲物に対する苦痛をどう和らげるかを考えている。

その手法には、獲物の恐怖心や苦痛に対する精一杯の配慮と情けが感じ取れる。

奪う命に対する鎮魂と感謝の表れなのでもあろう。

そのような罠猟師の捕獲した獲物の肉は旨い。

隅から隅まで旨い。

残すところなど無い。

それこそ山の恵と罠猟師の心意気に感謝なのである。

先日、10月から始まる捕獲業務を前に対象区域周辺の猟場を確認するために私は入山した。

そこで目の当たりにしたデタラメ罠猟師たちによる生きものたちの悲鳴とも取れる山の惨状。

証拠として写真を撮ったが、こんな画像はとても公開できるものではない。

それほどに惨たらしいのだ。

鳥獣保護管理員は何を監視している。

そもそもデタラメ罠猟師たちと交遊のある管理員など意味があるのか。

おまけに見て見ぬフリの彼らの手当ては税金からなのだぞ。

私は怒っている。

猛烈に怒っている。

デタラメ罠猟師たちを、このまま見過ごすわけにはいかないのだ。

そんな怒りのままの文面になってしまったことを、ご容赦願いたい。




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行方不明のローラ

二年前、私が勢子請負人として、お世話になった猟隊のM親方。
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先日の射撃練習会で、そのM親方が私にガッカリとした表情で話し掛けてきました。

「ローラが帰って来ない」と。

「ローラ」とは、M親方が丹精込めて仕込み上げた猟犬の名前。
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「仕方ないよ」と言うM親方の声に力は無し。

事の成り行きを聞いてみると・・・

猟犬の訓練中にありがちなパターンでした。

猟師小屋に併設している犬舎から、訓練のために外に放ったローラが犬舎裏手の山でスグに鳴き出したそう。
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しばらくは一ヶ所で鳴いていたそうですが、そのうちに山中へと鳴きが遠のいていた、とのこと。

M親方は足が悪いため、追うことも出来ず。

悔やんでも悔やみきれないのがGPSを装着していなかったこと。

それでは、どうにもならない。

何があろうと、大抵は2時間ほどで戻ってくる猟犬だったローラ。

とうとう、その日は帰って来ず。

それから一週間探し回ったそうですが、未だに発見できないでいるのです。

私もローラが子犬から若犬の時までは訓練に同行していたこともあり、話を伺ってショック。
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ローラはイノシシもシカも無難にこなす健気な猟犬でした。

これは私の持論ですので、偉そうに言うつもりはないのですが・・・

ここは一考するべきかと。

猟経験の無い生後数ヶ月の若犬の山訓練は別として・・・

猟期を経験した猟犬の山訓練は考えるべきだと感じています。

猟期を前にウォーミングアップとして山中に猟犬を放ちたくなる気持ちは分かります。

猟欲の弱い犬やイノシシを怖がる犬ならば、猟期前の山訓練は、それほど問題は無いでしょう。

ところが、猟欲のある追いの強い犬は如何なものかと。

ただ鳴いてダラダラとイノシシを追うような犬ではなく、隙あらば咬み止めようとする鳴き犬や、元から咬みたがる咬み犬。

そんな筋金入りの「猪犬」と呼ぶに相応しい犬は、危険な目に遭うかもしれません。

鉄砲を使えない丸腰状態の猟期前に、なんでそんな猪犬を山中に放つのかが理解できないのです。

私の身近でも毎年そんな話を聞きます。

「我慢しろよ」と思ってしまうのです。

良いとされる猪犬ほど、ケガをしたり殉職したり。

実際には「猟欲が弱いから・・・」と思っていると、いつの間にか猟欲が強くなっていて、とんでもナイことにも。

逆に猟欲の強い犬がイノシシにヤラれて、イジケ犬になってしまったり。

その場合は、帰らぬ犬となるよりかはいいのですが。

そのうちに猟欲が元に戻ったりもしますので。

かく言う私も、昨年は散歩中に大失態を犯してしまい、コーシンを失いかねない事態になりました。
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また猟期経験の無い若犬たちを、危険な目に遭わせてしまったこともあります。
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他の猟師のことなど言えないのです。

でも、だから言いたい。

「猟期も長くなったことですし、猟犬の猟期前山訓練は我慢!」と。

「あの時、リードを外さなければ良かった・・・」なんて後悔は、して頂きたくないのです。

どうしてもと言われる方は絶対にGPSを装着して、山中を走れる恰好で。

「そんなモン、わかってるワイ!」なんて怒られそうですが。

それでも油断をしてしまう猟期前。

焦ってしまう猟期前。

我慢できない猟期前。

「早く猟に連れて行って!」と鳴き叫ぶ猟犬たち。

生き生きと山中を駆け回る猟犬たち。

それを思い出してしまうと・・・

気持ちは分かるんですけどね。

ヤル犬は放っといてもヤリますので、放っておきましょう。

ところで・・・

ローラよ、どこ行った!

ひょこっと帰って来ないかな。




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ジビエに思う様々なこと

大物猟師の特権は、なんと言ってもジビエを自分の好みの料理で、いつでも味わえることにあるのでしょう。

本当に自然に感謝なのです。

でも自然からの恵も、管理が悪いと台無しに。

命を粗末にしている事と同じになってしまいます。

よって計画的に様々な方法で消費。

必然的に猟期中の一般的な狩猟も計画的になるわけです。

無益な殺生を行う者を、私は「猟師」とは思っていません。

何かに取り憑かれた殺し屋にしか見えないのです。



さて、そんなことで猟期を前に冷凍ストッカーのジビエ在庫を整理。

そこへ強力な助っ人である息子が東京から帰って来ました。

帰ってきた理由が笑っちゃう。

「イノシシの串焼きが食いて~!」だと。
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ついでにスペアリブも作って欲しいとのこと。

そして「イノシシ肉を持ち帰りたい」とも。

大学の友人たちに父が猟師であることを伝えたところ・・・

皆から羨ましがられたそう。

息子の学ぶ学部が農学系だからなのかもしれませんが・・・

「ジビエ」や「狩猟」への好反応率は、かなりのモノだそうなのです。

おぉ、ニッポンの若者の中には、同志がこんなにもいたのか!

嬉しくて仕方ない私は更に聞いてみます。

「父の真の姿が『猟隊戦士カルンジャー』であることを学友たちに明かしたか」と。
ヒーロー

「そんな意味不明なこと、恥ずかしくて言えないよ」と、スルーされそうになったため・・・

「学際でイノシシの実演解体をやって、その後に猪鍋を学生たちに振舞うのはどうだろう」と私。

「それいいねぇ。 大鍋で作ったら旨そうだね」と、またニコニコ顔に戻った息子。
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(コレの20倍くらいので)

「15貫くらいのメスなら学際の季節でも脂の乗った個体はいるし、もし獲れなくても猟期中のを魚市場の友人に頼んでマイナス60℃で保存しておくよ」と私。

続けて・・・

「もちろん父さんだけでは無理だから許可を待った食肉のプロを二人連れて行くよ」と。

「学際は地元の人も大勢来るみたいだから足りる?」(息子)

「15貫なら200人分くらいは作れるよ。どう、それで」(私)

「う~ん、でも解体ショーは、みんなドン引きするだろうなぁ」(息子)

「そうだよね。マグロの解体ショーはOKだけど、イノシシは厳しいだろうね。 皮を剥いて、お腹をカラッポにして足先をカットしておいてもダメだろうね」(私)

「やっぱり食文化の問題だよね。 真っ二つにパカッとしたらマグロと同じようなもんだよねぇ」(息子)

「でも必ず『可哀そうだ』とか『動物愛護だ』なんて言う人が出て来るんだよな。 そんな人たちに限って、普段はトンカツや焼肉を旨い旨いと言って何も考えずに食べてるんだよな」(私)

「食べ物が出来るまでの流れを考えられないのかな?」(息子)

「さすがにそれはナイと思うけど、牛や豚や鶏は食べるために作り出された物だからイイんだって。 それにそんな人に限って食べ物を粗末にするんだよな」(私)

「それを、ご都合主義って言うんだろうね。 勝手だね」(息子)

「うん、勝手だ。 食のこと、命のこと、自然のこと、生態系のこと、それらの知識を備え考えて、実状と照らし合わせて考察できれば、本当は誰でもジビエのことを理解が出来るハズ」(私)

「そうだよね。 生きものは、他の生きものを食べて生きてるんだもんね」(息子)

「そう。 その理屈が分かった上で森林の生態系を学び、環境保全と人々の生活の両立について考えてちょうだいよ。 そういう学科でしょ」(私)

「わかった・・・・・ところで、まだ?」

冷凍ストーカーに残っていたイノシシの背骨と腰骨で、前日より作っていたスペアリブ。
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(私と家内で殆ど食べてしまった残り。。。)

背骨で作るスペアリブは骨髄や軟骨が溶け出すため、コクがあります。

我が家では大根と煮た塩味スペアリブも以前から大人気。

イノシシの旨味の染み込んだ大根は最高!
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ビジュアル的には何ですが。。。

アバラだけでは、この旨味は出ません。

そして、このところ定番化したイノシシ肉の串焼きは肩ロース肉で。
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家に居た頃は、ガツガツと無言で食べる息子が私に一言。
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「父さん、旨いよ!」と。

一人暮らしをするようになり、また学友たちと交友を深める中で、息子の中で何かが変わってきたようです。

「ところで、向こうでは何を食べてるんだ」(私)

この前、友達たちと江戸川でハゼ釣りをして、たくさん釣ったよ。 それを天ぷらにして食べたら、めっちゃ旨かった!」(息子)
ハゼ
(自家製ポテトチップス作りはマイブームだそう)

「味付けは何で食べたの? 天つゆ?」(私)

「塩だよ!」(息子)

「おぅ、それはいいね🎵  江戸川までは、どうやって行ったの?」(私)

「地下鉄。 道具は現地集合した友達に借りた」(息子)

「釣れたハゼは、どう持って帰ったの?」(私)

「ビニール袋に入れて、その中にコンビニで買った氷を入れて、手にさげて」(息子)

((((;゚Д゚)))))))

釣ったマハゼをビニール袋に入れて、手さげ状態で地下鉄に乗る大学生。

向こうは静岡ではないのだぞ。

って、静岡でもそんな人は見たこと無いし、地下鉄も無い。

コロナ禍において、学友たちと感染を考えた楽しみ方をしているところが泣かせます。

そんな学友たちがハンターになってくれたらいいのだけれど。

まあ、若人たちよ・・・

待っていて下さいよ。

イノシシを担いでいくからね!

もちろん、シカもだよ!



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