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生きもの二人三脚

ダメ猟師のダメ解体前作業

「これだけは、やっちゃダメ!」な解体前作業の失敗話を思い出してしまいました。

それはそれは悲しい出来事でした。

有害鳥獣捕獲で14貫の雌イノシシを捕獲した時の出来事です。

そのイノシシを軽トラに積み・・・

2名で本部に戻り、水を張ったプラ舟の中にそのイノシシをドボン!

で、また二回戦目のために猟場へと戻ったのです。

そして二回戦目が終わり隊員たちが本部へと帰還。

と、そこには・・・・・

数え切れないほどのカラスが一面に。

着弾が腹部だったため、その銃創がカラスたちの突破口となってしまったのです。

獲物を運んだ2名が先輩たちに叱られたのは言うまでもありません。

なぜなら、ヤルべきことをやっていなかったから。

捕獲したイノシシの日除けやカラス対策を行っていなかったのです。

いつもは獲物上にコンパネを置いて、プラ舟内に水道水をホースで注ぎ、掛け流し。

このコンパネの「目隠し」を忘れてしまっていたのです。

これが用水路や、その溜まり場、つまり水深があるところならば目隠しのコンパネなど必要ありません。
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しかし、水深の浅いプラ舟はダメ。

水面より上に出てしまう部分が多過ぎ。
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そりゃ「カラスさん、どうぞ」と言わんばかりなのです。

あれは酷かった・・・。



またある時は・・・

同じような場面で、今度は米一俵ほどの大きな雌イノシシ。

それを隊員1人で本部へと運び、腹を割って中身を取り出し半解体。

そしていつものようにプラ舟に浸けてコンパネ。

ここまでは良かった・・・いや、ダメだった・・・

水道ホースを空っぽのお腹の中に突っ込んだのはイイけれど・・・

偶然ではあれ、そのホースの先が、お腹の内側に貫通していた着弾口にスッポリ。

それに気づかずホースを固定し、お水をチョロチョロと。

二回戦目が終わって本部に戻り「さぁ、解体だ!」と、プラ舟からイノシシを引き上げ。

うん?なんか重い。

で、解体を始めてビックリ!

脂の乗った美味しそうな肉が水分を含んでビシャビシャの水だらけ!

圧力と流れによりホースの水が太い血管から侵入し、濃度拡散作用でイノシシの血液と入れ代わり状態に。

切り分けた肉からはポタポタと水の雫が滴り落ちます。

あれも酷かった・・・。



そしてシカでも。

猟場や猟隊によっても様々なシカの解体方法。

それは吊るし解体を行う猟隊でのことでした。

たまたまお邪魔をした別猟隊の隊員が、用水路に浸けてあったシカを引き上げて解体の準備を。
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そのシカは後足に着弾していて吊るす部位が・・・

解体開始で・・・・・あれ?なんかヤリにくい。

皮が剥きにくいったらありゃしません。

どれどれと覗きに来たその猟隊の親方が吊った状態を見て一言。

「おい誰だ、これをやったのは」と。

後足ではなく、前足を引っ掛けて吊るしたシカを見て呆れていました。

皮を剥く向きが違っただけで、剥きやすさが全然違うのです。

小ぶりなシカなどは、お尻から頭に向かってはナイフが無くてもOKな場合も。

ところが逆は全然ダメ。

吊り直したのは言うまでもありません。

シカの吊るし解体の時は、やはり後足を吊るのが基本なのです。

その隊員は、いつもは台の上か地面で解体をしていたんですね。

許してあげましょう。

って、これを仕出かしたのは・・・

全て私。

「あ~やっちゃいましたよ!💢  ごめんなさいね!💢」

なんて逆ギレするすることもなく、毎回、素直に謝まりました。

でも、その時は・・・・・

涙が出そうになるくらい有難いことばかりだったのです。

カラスがメチャクチャにした時は・・・

「これで分かったでしょ、カラスってスゴイよね」と皆さんが慰めてくれて、掃除を手伝ってくれましたし・・・

極上肉を水でビシャビシャ肉にしてしまった時は・・・
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「大丈夫!毛細血管の中に水が入り込んだだけだから、サラシやキッチンペーパーで包んで、水分を取り除けば元の肉に戻るよ!心配するな」

と、先輩勢子さんや、他の先輩方がフォローして下さいました。

「米一俵の極上肉を台無しに・・・」と、気持ちの中では切腹していた私。

その言葉に救われました。

それに、その対処方法は事実。全く以って教えて頂いた通り。

肉の表面細胞が浸透圧により細胞破壊した状態、いわゆる肉を水に接触させた状態とは異なります。

タフな血管細胞が、その浸透圧による筋肉細胞破壊を防いでくれていたのです。

よって、キッチンペーパーを何度か取り換えて毛細血管内の水分を抜いたところ、完全に普通の肉に戻りました。

そして最後のシカの逆さ吊り(逆さの逆さだけど)の時も・・・

「なっ🎵やってみると分かるだろ🎵」と、その親方はじめ皆さんが笑いながら優しく。

今となっては良い思い出であり、経験であり、勉強でもありました。



冷凍ストッカーから取り出した有害鳥獣捕獲で捕獲したイノシシの極上肉。

それを眺めながら、失敗話を思い出すのです。
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だって、この肉はあのビシャビシャからの復活肉だもの。

そう、あの大失敗は今年の春先での出来事だったのです。

いつになったらダメ猟師から抜け出せるんだろう・・・

そんな自分を助け教えて下さる先輩猟師方のことを思うと・・・(´;ω;`)ウッ…

いつも申し訳ありません・・・(´;ω;`)ウゥゥ

心して、この極上イノシシ肉を頂きます。

今回は串焼きに。
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「おぉ、旨い!」味もいつもと同じだな。

全然問題ナシ!

やっぱり先輩方の知識はスゴイのです。




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小さな庭の小さな命

今日も朝から庭のニホンイシガメたちのお世話。

水替えをしようとバケツに目をやると・・・

おりょ?
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もしや?
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あれ、ヤモリちゃん、おはよう🎵
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大きさからして生後2ヶ月くらい。

バケツに直接落ちたのかな?

ガラスでもヘッチャラでよじ登れるヤモリが、なぜ出られないの?

とも思いましたが。

実はヤモリにも苦手な壁面があるのです。
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材質がポリプロピレンで垂直面に小キズが少ないと、登れないこともあります。

ま容器が新しいと離型剤などが付着したままのこともあり、尚更に登れません。

なのでバケツや角型タライなどは伏せて保管した方がいいかも。

底に落ちたヤモリに気が付かないと・・・可哀そう。

いやいや、申し訳ない。

おそらく、このストックしてある流木がお家だったのかな?
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何となく分かっちゃう。

だって、その下がウンチだらけだもの。
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さあ、お帰り。

ところで、この流木。

通勤路の海岸でせっせと拾ってきたモノです。
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爬虫類ケージのレイアウトに使うために。
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しかし、玄関に置いておいたら家族から邪魔だと。
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よってカーポートの下に挟み込んだわけです。

それが図らずもヤモリのマンションに。

と、今度は壁際のリュウノヒゲの中から・・・・・なんだ?
トカゲの赤ちゃん

今年産まれたニホントカゲの赤ちゃんが。
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ワンコたちのところに行ってはいけないよ。

とくにカノのところへは。

何でも食べちゃうから。

それにしても逞しい。

こんな庭でも・・・

生きものたちは営みを続けられるんだな。

大したものです。




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猪犬カノのお婿さん候補と苦悩

猟犬を使役した大物猟において、悩ましいのがその猟芸。

猟芸とは、猟犬のイノシシとの対峙の仕方。

捜索、追い、止め方など、色々とあります。

すべては狩猟者の好みや考え方次第なのですが・・・

猟場や共猟者の人数によって、またイノシシの大きさによっても猟芸を使い分けたい場合が多いため、様々なタイプの猟犬を揃えておきたいというのが正直なところ。
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でも、それは一般的には困難。

大人数での捕獲業務などでは勢子が2・3名揃うことも多く、そんな時は見切りに合わせて猟犬、つまり猟芸を使い分けます。

しかし、猟期に入れば合同猟以外は猟芸を云々などと言ってはいられません。

こちらの地域では、そんな猟芸において、共通した変遷があるようです。

イノシシが少なく、何が何でも捕獲することを目的としていた時代。

40年ほど前までは、咬み止めを猟芸とした和犬でイノシシ猟を行っていたようです。

しかし、毎度の猟犬とイノシシの命の交換ゴッコのような猟に皆さん辟易と。
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よって30年ほど前からは、鳴き止めを猟芸とする洋犬に徐々に移行。

その頃は狩猟人口も多かったため、タツ役の人数に困ることも無く、鳴き犬でもイノシシを捕獲しやすい状況が続いていました。

またその頃は、和犬と洋犬とのミックス犬も多く使役されていたようです。
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ところがミックス犬の猟芸は定まらず。

鳴く鳴かない、咬む咬まない、追う追わないなど、知っているのは神様だけ。

優秀な猟犬はそれなりには生まれますが、そうでないのも多かったよう。

つまり求めている猟芸が思うように作り出せなかったのです。

したがって、最終的には鳴き止め中心の洋犬か、その血筋の濃いミックス犬が活躍していました。
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ところが、ここに来ての急激な狩猟者の減少。

もちろん、それに伴いタツ役も減りつつあります。

すると一気に鳴き止め猟芸の洋犬が不利に。

実際には「鳴き止め猟芸」とは言ってもその猟犬気質は様々。

咬み止め猟芸の和犬に近い感じの猛烈な鳴きでの鳴き止め洋犬もいますし、ただ鳴いてイノシシの後を追うだけの猟犬もいます。

私が経験した限りでは後者の洋犬の方が圧倒的に多く、このような洋犬では少人数のタツではかなり不利。
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最終的には毎猟での犬探しに。

これでは猟どころではありません。

なので、近頃は戻りの良いバカ追いしない猟芸、つまり和犬が見直されるようになってきたのです。

とは言っても和犬全てがそうかと言うと、そんなことは無く、猟欲の強い和犬は、洋犬のように長追いすることもあります。

ただ、総じて洋犬よりも小回りの効く気質ではあります。

私もこの急激なハンター事情の変化に翻弄されている一人なのですが・・・

やっぱり、悩ましい。

有害鳥獣捕獲や今後、管理捕獲に代わる認定捕獲においては、大勢での巻き狩り。
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一方、猟期は少人数での巻き狩りか、単独猟のいわゆる「一銃一狗」

次の猟期はタツ役が揃わない日が殆どと思われるため、一銃一狗が大半を占めるでしょう。

すると一番使いやすいのが、和犬のカノ。
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この和犬は師匠のご友人だった三重県の方から譲って頂きました。

昨猟期はコーシンの代役を務め、イノシシとの駆け引きが更に上達。
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カノなら楽しませてくれるでしょう。

そんな最中、諦めかけていたカノのお婿さん探しに一筋の光が!

先月にお邪魔をした喫茶店マスターSさんの猟犬が抜群にいい感じなのです。

昨年に福岡県まで車を走らせて引き取りに行ったそう。

容姿はカノそっくり。

咬み傾向にあるのが少し気になりますが、その猟欲の強い気質が素晴しい。

まだ動画でしか確認していないため、今度はお邪魔をして見せて頂こうかと。

カノの血統も残したいと考えていたため、こればかりは気になって仕方がないのです。
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しかしそうなると、我が家の敷地内では猟犬飼育はもう無理。

定員オーバー。
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幸いにして猟仲間が土地をタダで使わせてくれるので、犬舎を移設するかな。

犬屋さんの気持ちが何となく分かって来たようにも。

どこで線引きをしたら良いのか、自問自答の日々が続いています。



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猟隊戦士カルンジャーの思い

森林の生態系を守るため、そして・・・

農作物被害を無くすために立ち上がった猟隊戦士カルンジャー。

パワードスーツとアーマードベストに身を固め、様々な戦闘具を操り、任務に・・・

任務遂行中はパワードスーツを脱ぎますが。。。

その戦闘具は、刈払機、チェンソー、ノコギリ、鎌、剪定バサミ等の、ほぼ植木屋さん。
猟隊戦士

そう「カルンジャー」の「カル」は「狩る」ではなく「刈る」

町内や猟場の山裾や農地周辺の草刈りをせっせと行い「山の生きもの」との戦線を、山側へと押しやる事をその任務の「主」としています。
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実はこの活動は、私たち若手(相対的)捕獲隊員4人で行う予定でした。

他にはイベント会場や学際などに赴き、ハンター事情や狩猟文化を綴った自作のビラを配ることや、ハンターアピールのために壇上のマイクを握らせて頂くなどの計画を。

そして、それに当たっては「インパクトがあった方がいい」とのことで、4人でパワードスーツを着る予定だったのです。

レッド、グリーン、ブルー、イエローの4色を・・・もちろんアーマードベストを羽織って。

ところが、ここで大きな問題が発生。

カルンジャーグリーンの予定だった隊員は、身長173cm、体重100kg。
グリーン

カルンジャーブルーは、身長182cm、体重100kg。
ブルー2

カルンジャーイエローは、身長168cm、体重110kg。
イエロー

そしてカルンジャーレッドの私は、身長172cm、体重78kg。

身長と体重のデータは、この猟隊戦士カルンジャー活動を発案した1年以上前のモノ。

この数値を維持しているのは私だけ。

他の隊員はもっと悪化している感じ。

捕獲業務で会うたびに、私は彼らのお腹をポンポンと触診。

「赤ちゃん大きくなったね♪」とか「あっ!蹴った♪」とか「双子?」とか・・・

規格外の体型に元からスーツ装着不可能だった彼ら。

そのお腹は、どんどん大きくなっているのです。

つまりパワードスーツは特注品しか受け付けず、その値段は桁違いで高価。

そもそもカッコ悪いし。

よって猟隊戦士カルンジャープロジェクトは、早々に暗礁に乗り上げてしまったのです。

パワードスーツを装着できるカルンジャーはレッドの私だけ。

そのまま1年が経過。

そして・・・

「何とか活動を続けなくては」思っていた矢先のコロナ禍。

これでもう完全に頓挫。

でも、このままではハンターが居なくなってしまうかも。

10年、20年、30年と、先を見据えた活動を続けなくては。

今の子供たちが将来大人になり・・・

イベント会場でのカルンジャーショーを思い出し・・・

「ハンターになってみようかな」などと考えてくれる人が千人に一人でも現れてくれたら嬉しいけれど。

そして・・・

「小さな頃、幼稚園に猟隊戦士カルンジャーなんて猟師のオジサンが来て、面白い話をしてくれたな」なんて、新人ハンターが話してくれたら最高!

その新人君からは・・・

「ところで、あのカルンジャーの猟師さんは、もう亡くなられているんでしょうね」なんて聞かれそう。

それまで私は狩猟を続けていられるかな。
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ねぇ、ウメちゃん。




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「コロンボ」と「孔明」

いや面白い。

大人になって改めて『刑事コロンボ』を見てみると、実に面白い。

昨日、BSで刑事コロンボを見ていて「なるほどなぁ」と。
コロンボ

小学生の頃は、理解が追い付かなかった部分も多かったのです。

よって、コロンボと犯人との心理のせめぎ合いが分からないこともありました。

コロンボが犯人の知力を見抜き、その知力に沿って考える。

そして、犯人の知力を逆手に取ったオトリ捜査で追い詰めるわけです。

裏の裏をかくような攻め方に、三国志の諸葛亮孔明の兵法が重なります。
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敵軍大将や軍師の知力に合わせた効率的かつ安全な戦法で・・・

時には優しく、時には厳しく、そして激しく。

変幻自在な攻撃に、成す術もなく降参する敵軍。

本やマンガを読んでいて、これまた実に面白いのです。

これは小学生の時でもバッチリと理解できました。

すべては横山光輝先生のおかげなのですが。
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ところで・・・・・

「相手の知力に合わせて」なんてことはイノシシ猟でも時々あります。

括り罠により3本足にされてしまったイノシシが、とくにそんな感じ。

そこから何年も生き抜いてきた雄の大イノシシなどは、かなり手強いことも。

そのようなイノシシは、山中で十分なエサを獲ることは難しいのです。

また、繁殖期の雄同士のケンカに加わることも殆どありません。

したがって、畑やミカン畑近くに居坐ることが多く、人工物を恐れず巧みに利用します。
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(選別廃棄したミカンなども食べています)

そして猟犬のあしらい方も上手。

なので、ナメてかかると手痛い仕打ちを受けることも少なくありません。

見切りを何日か続けると「あれ?この大イノシシはヘンだぞ」と分かることも多いので、私たちは警戒モードに。

猟犬の掛け方やタツの張り方を十分に考えるわけです。

そんなことが猟期中に2・3回は必ずあります。

因みに、前の猟期では全敗しました。

やっぱり、そんな手強いイノシシにはコーシン先生が来ないとダメ。
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でも、先生は子育てで大忙しでした。

無茶を言ってはいけませんね。

さて、私もこれから徐々に狩猟モードに入っていくわけですが・・・

知力と知力のせめぎ合いに備えて、猟場の見回りに出掛けてみようと思います。

まずは相手の陣形を確認しなくては。
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そしてイノシシの気持ちになり、逃走経路をシミュレーション。

確実で安全なタツ場や攻略方法を考えておきます。

それには・・・

師匠から教えて頂いた様々なことがビッシリと書き込んである「勢子日誌」を参考に。
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もう一度、初心に帰って師匠の「教」を読み直してみようと思います。

私にとっては「兵法書」でもあるのです。




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自然災害と狩猟と救世主

普通に都会で暮らしている方には全く縁のないチェンソー。

しかし、田舎では刈払機と並んで必要になる場合も多いのです。

地方に住んでいる私も生活圏内ではチェンソーなんて全然必要なし。

ところが狩猟を始めて・・・・・でも必要なし。

だったのですが。



ここ10年ほどの気候の激変ぶりには驚くばかり。

とくに、この数年は完全にイカれてる。

豪雨や台風災害により日本国民はコテンパンに。
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(近所の川も氾濫。浸水被害が数百棟も)

それと同じように山中も自然災害に翻弄されて、同じ状態。

狩猟者ならば、皆さんそう実感されていることでしょう。
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地滑りや崩落、そして強風による大量の倒木。

それが場所によっては林道や農道を通センボ。
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農家や山仕事の方々が、その度に倒木を撤去して下さいますが・・・

耕作放棄地の増加や林業の衰退に伴い、手が回らなくなり、廃道同然の山中の道は増えるばかり。

でも我々狩猟者は、そんな道でも分け入らなければならない場合も多いのです。

今までは先輩猟師方が自前チェンソーで整備をしてくれていました。

ところが先ほどのように自然災害の激化で、この2・3年だけでも倒木がかなり目立つようになってきたのです。

そこへ先輩猟師方の相次ぐ引退。

つまり倒木処理が狩猟とセットで次世代にバトンタッチ。

こちらでは、そんな感じになって来ています。

「まいったなぁ」なんて思っていたところに・・・

先日に取り上げた「ナラ枯問題」
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山を何とかしなくては!

なにも山の生きものを捕獲するだけが生態系の保全につながる訳ではありません。

山や森を整備することも重要で、効果的なのです。

微力ながら、それらの事にも貢献できないだろうか。

しかし、私は普通のサラリーマン。

それに生身の人間。

その作業のためのエネルギー放出量、つまりパワーは微々たるもの。

モンスターマシン『スチール 051AV』を手に入れたところで限界があります。
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・・・・・・・・・・

ついに・・・この時が来たか・・・・・

私は『パワードスーツ』を装着。

すると・・・・・

パワードスーツから照射されたベータ線により、私の全身細胞は活性化され増強。

体内に電流が走ったかのような衝撃が・・・

「ウォ~~ッ!」

「ハッ!」と我に返り・・・

アーマード・ベストも装着。

『猟隊戦士カルンジャー』
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どれどれ・・・・・

おぉ、モンスターマシンの重さなど全く感じないぞ!

倒木なんてキュウリの薄切り状態だ!
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と、ここで写真を撮ってくれた娘が一言。

「あのね、お父さん知ってる? イベントで着るからといっても、着ぐるみを被って公共の場に出る時は警察の許可がいる場合もあるんだよ」と。

すかさず私はこう返します。

「大丈夫だ、これはパワードスーツ。 着ぐるみではない」と。

実際には仮装大会なんかでは事前に警察に許可申請をしないとダメですが・・・

私一人だけなら職務質問をされるくらいでしょう。。。

本当は今年のあるイベントで着る予定だったのですが、コロナ禍のせいで中止に。

来年に向けてもっと痩せないとダメかな。

今のままでは「正義の味方」感が今一つなような気がします。

あ~暑かった。




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岸壁の父

今日は寂しい出来事がありました。

18年間も一緒に暮らしてきた息子が東京へと旅立ってしまったのです。

手にする荷物はオンライン授業に使うパソコンのみ。

このパソコンは国からの特別定額給付金のおかげで買えました。

給料が減ったというのに、無慈悲にも大学は普通に学費を請求してきます。

それに本来のカリキュラムなど、全然行えていないのに。

娘も、学費の一部や生活費のために頑張っていたアルバイトを解雇されました。

インバウンドに頼っていた大阪の店舗だったため、コロナ禍の直撃だったようです。

特別定額給付金については賛否ありますが・・・

こんな我が家においては、その給付金により大いに助かったのは事実。

この国家への恩返しは必ずや果たさねば。

今の私にはボランティアの一環として捕獲業務を頑張るくらいしか出来ませんが・・・
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そのうちに「林業ででも貢献できれば」と真面目に考えるようになりました。

思えば今年の3月のあの日。
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東京は季節外れの雪化粧となりましたが、私たちは引っ越しを断行。
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あれから5ヶ月以上が経ちましたが・・・

コロナ禍の影響で息子は一日も住んでいない新居。
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その家賃をずっと払い続けています。

静岡の田舎の方が安全でしたからね。

週に一度は伊豆の山中の実家へと両親の様子を見に行っている私。
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父が心臓病を患っているため、家族全員で3密を避けるように心掛けていました。
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また娘と息子は、友達とは敢えて会わず・・・・・スマホで十分なようでしたが。

よって「当面は」と言うことで、片道燃料で東京へと向かった息子。

コロナ禍玉砕だけは、するでないぞ。

学科の指針である「山の環境保全」についてをシッカリと学び、自然や人々の明るい未来に貢献できる人間となるべし。

その勉学に勤しむことができるのも、目の前のメチャ高いアップル ノーパソのおかげ。

天からの授かり物と思うなかれ。

全ては国民一人一人の血税の賜物ぞ。

何しろ国民のワクチン接種が一段落するまでは行動を自重すべし。

そして家に帰って来るときは元気で笑顔で。

東京に行ったばかりなのに・・・

早く息子に会いたいと思う心配性の私なのでした。

「岸壁の母」ならぬ「岸壁の父」の心境。

・・・・・

いや、正確には「崖っぷちの父」だな。(´;ω;`)ウッ… 

稼ぎが悪くてゴメンネ。(´;ω;`)ウゥゥ



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モンスターマシン来たる

旧型、いや、もう骨董品の域に達している西ドイツ製の工業製品。

なんて書くと、昔、ブームになった『ポルシェ911ターボ』を思い出します。

当時、買ってもらった本を、まだ大切に持っている物持ちの良い私。
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実際には、当時のスーパーカーブームの頃より、だいぶ前からポルシェが好きでした。

小学一年生からポルシェの助手席が私のお気に入り。

友人のお父様のポルシェ・カレラに、たびたび乗せてもらっていました。
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友人のお父様は社長さん。

ちょっと小林旭に似ていて「カッコイイおじさん、イヤお兄さん」といった感じ。

もう、友人とお父様には何十年も会っていないけど、元気かな。

そんなことを思い出させる西ドイツ時代の工業製品が、宅急便で我が家に届きました。
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中身は『スチール チェンソー 041AV』

ガイドバ―とチェン無しのジャンク品。

一抹の不安を胸に、外観を見回してみると・・・結構な使用感。
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オークション画像どおり。

一応、一通り確認をしましたが、エンジンは掛かりそう。

問題なのは回転伝達系かな。

まぁ、それは後のお楽しみ。

このチェンソーは排気量61㏄で、一般的なモノに比べるとパワフル・・・なハズ。

それこそ、車で言うと、先ほどの小林旭似お父様のポルシェ・カレラくらいかな。

でも、それでは少し控え目な感じ。

バイクでも古い大馬力のエンジンが大好きな私。
油冷エンジン

空冷カワサキとスズキの四発や、その後は油冷エンジンにも夢中になりました。

また、実家のナラ枯れしたミズナラ巨木の伐採のことも考えると・・・

チェンソーにも大馬力を求めてしまうのです。

すると、西ドイツ時代のポルシェ・カレラでは、ちと物足らない。

「やはり、ポルシェ911ターボくらいでないと自分らしくない」との思い込みのもと・・・
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またもや、オークションをポチッ!

今度は同じスチール チェンソーの『051AV』

の、ジャンク品。

製造年からして、ベルリンの壁が崩壊した後のドイツ製。

排気量90㏄! これこそモンスターマシン! ポルシェ911ターボだ!

で、また宅急便。
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このチキチキマシンの全貌と分解整備編は、また後日。お楽しみに🎵

これも修理が終わったら、山で猟場整備を兼ねて、試し切り試運転をします。

そのうちに「猟師ブログ」から「木こりブログ」に変更するかもしれません。

その時は引き続き、よろしくお願いします。。。

「森を守ること」に、変わりはありませんので。




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狩猟装備「引き綱」の色々

大物猟では、山中からの獲物の引出しは重要な作業の一つ。

よって普通の狩猟者ならば、引出し具である「引き綱」は必ず携帯しています。
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また巻き狩りなどでは、タツ役であっても猟犬回収のためのリードも大切。

そのリードの兼用具としても引き綱は使えるため、どちらにしても引き綱は携帯装備には欠かせないのです。

狩猟の装備品と言えば、どうしてもナイフや無線、そして猟服・履物に目が行きがちなもの。

でも、引き綱も一考する必要のある重要な狩猟道具なのです。

ところで、この「引き綱」

猟仲間はじめ、多くの先輩猟師のモノを見てきましたが、皆さんそれぞれに工夫をされています。

また、それぞれの役割によっても変化が見られるのです。

つまり「これじゃなきゃダメ」なんて引き綱はありません。

とは言っても、それなりの共通点はあります。

まずは、いつもマネをすることから始める私は、当時、獲物が獲れるたびに先輩の引き綱を観察。

多くの先輩方から、引き綱についてのノウハウを教えて頂き、色々と試してきました。



今日は朝からいつ豪雨になるか分からない天気だったため、お出掛けは中止。

よって捕獲業務を前に、アルミボックス内の整理整頓も兼ねて、引き綱各種をチェックしてみることに。
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まぁ、それにしても様々なタイプを作ったものです。
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でも、結局は使うのはいつも同じ。

私の場合は勢子が殆どなので、極力、かさ張らないモノを携帯するようになりました。

猟犬のリードを別に携帯していることも理由の一つですが。

ところが、考えてみると、それはタツ役でも同じ。

一日に1・2頭の捕獲であれば、それで十分だからです。

しかし、管理捕獲で一日に20頭から50頭ものニホンジカを捕獲すると、さぁ大変。

ここ数年は、一度にそんなに捕獲することは稀ですが、以前は毎度でした。

若い(相対的)私は、何頭ものシカの引き出しのために山を登ったり下りたり。
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よって、こんなタイプまで作りました。
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強靭な深海底引き網で作った帯を体にタスキ掛け。

そしてロープの先にはシカ。

で、何度も何度も奴隷みたいに猟場内を往復。

しかし、今は勢子役なので、使わなくなりましたが。

シカも減りましたし。

あっ、そうだ、この漁網を頂いた猟師さんからは、深海魚も頂いたっけ。
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旨かったな🎵



さて・・・

ここで「引き綱」の私なりの拘りを紹介してみます。

これは「もっと良いものがあれば教えて頂きたい」との思いもあってのことであることを、ご容赦ください。

まずはロープの材質。

今までに一般的に市販されている殆どの材質を試してみましたが、私の一番はクレモナ。

強度、耐候性、滑り、扱いやすさ、そして適度な吸湿性。

これら引き綱に必要な要素のどれをとっても、適していると感じました。

問題なのは、その太さ。

引き出すことだけを考えるのならば、9mmがいいでしょう。

ところが、かさ張るため、これを携帯するとなるとリュックなどが欲しくなります。

なので、今は6mmに。

クレモナならば、その太さでも300kgくらいは大丈夫。

でも、そのままでは細過ぎて掴みにくいため、コブを作ります。
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あとは長さですが、3人くらいで引ける長さがあればいいでしょう。

そうすると、2.5mくらいかな。

あとは獲物との結び方。

クレモナや滑りの良い材質ならば「投げ縄むすび」でOK。
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引けば勝手に締まりますし、コブをスライドさせれば取れます。

またステン材質の強度のある物なら、ナスカンでもいいでしょう。
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ただし緩みやすいです。

なので、もう一重くらいはグルグルと。

緩まないようにするならば、先だけワイヤーにするのもいいでしょう。

しかし、ワイヤー処理を考えないと、ベストの背袋を破くこともありますので、ご注意を。

結局、今の私はクレモナ6mmのコブ付き2.5mで、ナスカン。
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これをリードとは別に1本だけ携帯して、ベストの背袋に。

ナスカンにしたのは、他の勢子の犬を回収しても首輪に付けやすいようにするため。

そうそう、引き綱は使用したら必ずスグに洗いましょう。

血を洗い流すのはもちろんとして、獲物からマダニが伝っていることも多いため、そのまま背袋やポケットにしまうと厄介なことにも。

スグに洗えない時は、猟車の荷台に「ポイッ」と放置。

なにしろマダニはしつこいです。

さて、もう使わなくなったものはどうしよう。

来年度、新人君が捕獲隊に入って来るそうだからプレゼントしよう。

あの漁網バージョンなんてイイぞ🎵

「オレに引かせるつもりか?」なんて嫌われるかな。

でも本来は・・・

獲物の引き出しは、老いも若きも共同作業なのです。

私が所属する捕獲隊はとくにそう。

ありがたいことです。

「老い」は掛け声だけですが。。。




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狩猟を始める方への注意点とお願い

「狩猟って面白そうだな♪」と考えている方は多いと思います。

これから先、ハンターが減っていく中において、そんな方はとても貴重な存在。

山の生態系バランスの保全や獣害対策においても、ハンターは絶対に必要です。

したがいまして「よし!」と考えている方は、どんどんハンターになって頂きたいのです。

それに「今」ハンターになっておかないと「本物の猟師」から真の狩猟を学ぶ機会を逃してしまうかもしれません。
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ご高齢のハンターの中には、たまに想像を絶するような狩猟技術を有した方がいて、その「狩猟コンピュータ能力」に驚かされることもしばしば。

「えっ?それで分かっちゃうの!」とか「ほ、本当だ・・・スゴイ!」みたいな。

そんな方との出会いには「運」もありますが、もし出会うことが出来たのならば・・・

それは、あなたにとって一生の宝となり、狩猟文化の良き継承者となれることでしょう。

そして一足先に、その様な良き継承者となった先輩若手ハンターと出会えたのならば、これもまた宝。

これほど幸運なことはないのです。

しかし、そんな素晴らしい先輩若手ハンターは、今の時世を反映してか、これまた少ないと感じています。

私の身近にも、スペシャリストな先輩若手(相対的)ハンターがいて、何とか教えて頂こうと思うのですが、捕獲業務の時にお会いする程度。
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まぁ、そのうちに猟隊の合併などがアチコチで始まるでしょうから・・・

「その時は一緒にお願いします」と唾を付けておきました。。。

話は逸れましたが、ここからが大切。

まずは信頼のおける狩猟技術の高い先輩ハンターに出会うためにも、ちゃんとした猟友会支部・分会選びに力を入れて頂きたいのです。

正常な猟友会支部・分会には、正常なハンターが多く、そのようなハンターは技術の高い人が多いのです。

「まずは最寄りの猟友会で」なんて決まりはありませんので、情報網を可能な限り活用して正確な情報のもと、加入する支部・分会選びに慎重になって下さい。

世の中には、とんでもない猟友会支部や分会も多いのです。

私の場合は、事前調査をした結果、最寄りの猟友会が「正常」であることを確認。

よって、そこに入会。

こんな事を言ったら会長が怒りそうですが・・・

会長をはじめとして正常なハンターが多かったんですね。

・・・やっぱり失礼かな。。。

それともう一つ。

もし、生活環境が許すのならば、是非とも猟犬を飼育して頂きたいのです。

勢子をヤルとかヤラナイとかではなく、まずは飼っちゃう。

こんな私も、初めは全く猟犬のことなど考えていませんでした。

ところが、様々な流れで猟犬を飼うことに。
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そうしたところ、この経験で、狩猟の本当の奥深さの存在に気付くことが出来ました。

もしも猟犬を飼育していなかったら、狩猟の上辺だけを知って、知ったつもりになっているダメ狩猟者のままだったことでしょう。

おかげで、今はだいぶ「ダメ」が取れてきた感じです。

また、たとえ番犬のまま狩猟に使役しないとしても、猟犬は飼うべき。

「猟犬気質」が分かってくると、猟で使役している他人の猟犬のことも分かって来るからです。
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すると、猟犬の動きや反応で、猟場の状況などがタツ役でも分かるようになります。

俄然、狩猟が面白くなってくるハズ。

猟犬から学ぶことは、まだまだ書き切れないくらいありますが・・・
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気が付くと、狩猟から足を洗えなくなっているのです。。。

また生活環境が許さない方や、猟犬に関心の無い方でも、猟犬のことに詳しい方から、猟犬気質や能力のことについて学んでみて下さい。

猟犬のことが少しでも分かってくると、狩猟スタイルの異なる方でも、少なからず猟果や狩猟ノウハウの向上に役立つことと思います。

そんなことをお願いしつつ・・・

若い勢子の誕生を願う今日この頃なのであります。

決して私が楽をしたくって、こんなことを綴ってみた訳ではないのです。

ホントです。。。




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