「これだけは、やっちゃダメ!」な解体前作業の失敗話を思い出してしまいました。
それはそれは悲しい出来事でした。
有害鳥獣捕獲で14貫の雌イノシシを捕獲した時の出来事です。
そのイノシシを軽トラに積み・・・
2名で本部に戻り、水を張ったプラ舟の中にそのイノシシをドボン!
で、また二回戦目のために猟場へと戻ったのです。
そして二回戦目が終わり隊員たちが本部へと帰還。
と、そこには・・・・・
数え切れないほどのカラスが一面に。
着弾が腹部だったため、その銃創がカラスたちの突破口となってしまったのです。
獲物を運んだ2名が先輩たちに叱られたのは言うまでもありません。
なぜなら、ヤルべきことをやっていなかったから。
捕獲したイノシシの日除けやカラス対策を行っていなかったのです。
いつもは獲物上にコンパネを置いて、プラ舟内に水道水をホースで注ぎ、掛け流し。
このコンパネの「目隠し」を忘れてしまっていたのです。
これが用水路や、その溜まり場、つまり水深があるところならば目隠しのコンパネなど必要ありません。

しかし、水深の浅いプラ舟はダメ。
水面より上に出てしまう部分が多過ぎ。

そりゃ「カラスさん、どうぞ」と言わんばかりなのです。
あれは酷かった・・・。
またある時は・・・
同じような場面で、今度は米一俵ほどの大きな雌イノシシ。
それを隊員1人で本部へと運び、腹を割って中身を取り出し半解体。
そしていつものようにプラ舟に浸けてコンパネ。
ここまでは良かった・・・いや、ダメだった・・・
水道ホースを空っぽのお腹の中に突っ込んだのはイイけれど・・・
偶然ではあれ、そのホースの先が、お腹の内側に貫通していた着弾口にスッポリ。
それに気づかずホースを固定し、お水をチョロチョロと。
二回戦目が終わって本部に戻り「さぁ、解体だ!」と、プラ舟からイノシシを引き上げ。
うん?なんか重い。
で、解体を始めてビックリ!
脂の乗った美味しそうな肉が水分を含んでビシャビシャの水だらけ!
圧力と流れによりホースの水が太い血管から侵入し、濃度拡散作用でイノシシの血液と入れ代わり状態に。
切り分けた肉からはポタポタと水の雫が滴り落ちます。
あれも酷かった・・・。
そしてシカでも。
猟場や猟隊によっても様々なシカの解体方法。
それは吊るし解体を行う猟隊でのことでした。
たまたまお邪魔をした別猟隊の隊員が、用水路に浸けてあったシカを引き上げて解体の準備を。

そのシカは後足に着弾していて吊るす部位が・・・
解体開始で・・・・・あれ?なんかヤリにくい。
皮が剥きにくいったらありゃしません。
どれどれと覗きに来たその猟隊の親方が吊った状態を見て一言。
「おい誰だ、これをやったのは」と。
後足ではなく、前足を引っ掛けて吊るしたシカを見て呆れていました。
皮を剥く向きが違っただけで、剥きやすさが全然違うのです。
小ぶりなシカなどは、お尻から頭に向かってはナイフが無くてもOKな場合も。
ところが逆は全然ダメ。
吊り直したのは言うまでもありません。
シカの吊るし解体の時は、やはり後足を吊るのが基本なのです。
その隊員は、いつもは台の上か地面で解体をしていたんですね。
許してあげましょう。
って、これを仕出かしたのは・・・
全て私。
「あ~やっちゃいましたよ!💢 ごめんなさいね!💢」
なんて逆ギレするすることもなく、毎回、素直に謝まりました。
でも、その時は・・・・・
涙が出そうになるくらい有難いことばかりだったのです。
カラスがメチャクチャにした時は・・・
「これで分かったでしょ、カラスってスゴイよね」と皆さんが慰めてくれて、掃除を手伝ってくれましたし・・・
極上肉を水でビシャビシャ肉にしてしまった時は・・・

「大丈夫!毛細血管の中に水が入り込んだだけだから、サラシやキッチンペーパーで包んで、水分を取り除けば元の肉に戻るよ!心配するな」
と、先輩勢子さんや、他の先輩方がフォローして下さいました。
「米一俵の極上肉を台無しに・・・」と、気持ちの中では切腹していた私。
その言葉に救われました。
それに、その対処方法は事実。全く以って教えて頂いた通り。
肉の表面細胞が浸透圧により細胞破壊した状態、いわゆる肉を水に接触させた状態とは異なります。
タフな血管細胞が、その浸透圧による筋肉細胞破壊を防いでくれていたのです。
よって、キッチンペーパーを何度か取り換えて毛細血管内の水分を抜いたところ、完全に普通の肉に戻りました。
そして最後のシカの逆さ吊り(逆さの逆さだけど)の時も・・・
「なっ🎵やってみると分かるだろ🎵」と、その親方はじめ皆さんが笑いながら優しく。
今となっては良い思い出であり、経験であり、勉強でもありました。
冷凍ストッカーから取り出した有害鳥獣捕獲で捕獲したイノシシの極上肉。
それを眺めながら、失敗話を思い出すのです。

だって、この肉はあのビシャビシャからの復活肉だもの。
そう、あの大失敗は今年の春先での出来事だったのです。
いつになったらダメ猟師から抜け出せるんだろう・・・
そんな自分を助け教えて下さる先輩猟師方のことを思うと・・・(´;ω;`)ウッ…
いつも申し訳ありません・・・(´;ω;`)ウゥゥ
心して、この極上イノシシ肉を頂きます。
今回は串焼きに。

「おぉ、旨い!」味もいつもと同じだな。
全然問題ナシ!
やっぱり先輩方の知識はスゴイのです。
いつも応援ありがとうございます!

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それはそれは悲しい出来事でした。
有害鳥獣捕獲で14貫の雌イノシシを捕獲した時の出来事です。
そのイノシシを軽トラに積み・・・
2名で本部に戻り、水を張ったプラ舟の中にそのイノシシをドボン!
で、また二回戦目のために猟場へと戻ったのです。
そして二回戦目が終わり隊員たちが本部へと帰還。
と、そこには・・・・・
数え切れないほどのカラスが一面に。
着弾が腹部だったため、その銃創がカラスたちの突破口となってしまったのです。
獲物を運んだ2名が先輩たちに叱られたのは言うまでもありません。
なぜなら、ヤルべきことをやっていなかったから。
捕獲したイノシシの日除けやカラス対策を行っていなかったのです。
いつもは獲物上にコンパネを置いて、プラ舟内に水道水をホースで注ぎ、掛け流し。
このコンパネの「目隠し」を忘れてしまっていたのです。
これが用水路や、その溜まり場、つまり水深があるところならば目隠しのコンパネなど必要ありません。

しかし、水深の浅いプラ舟はダメ。
水面より上に出てしまう部分が多過ぎ。

そりゃ「カラスさん、どうぞ」と言わんばかりなのです。
あれは酷かった・・・。
またある時は・・・
同じような場面で、今度は米一俵ほどの大きな雌イノシシ。
それを隊員1人で本部へと運び、腹を割って中身を取り出し半解体。
そしていつものようにプラ舟に浸けてコンパネ。
ここまでは良かった・・・いや、ダメだった・・・
水道ホースを空っぽのお腹の中に突っ込んだのはイイけれど・・・
偶然ではあれ、そのホースの先が、お腹の内側に貫通していた着弾口にスッポリ。
それに気づかずホースを固定し、お水をチョロチョロと。
二回戦目が終わって本部に戻り「さぁ、解体だ!」と、プラ舟からイノシシを引き上げ。
うん?なんか重い。
で、解体を始めてビックリ!
脂の乗った美味しそうな肉が水分を含んでビシャビシャの水だらけ!
圧力と流れによりホースの水が太い血管から侵入し、濃度拡散作用でイノシシの血液と入れ代わり状態に。
切り分けた肉からはポタポタと水の雫が滴り落ちます。
あれも酷かった・・・。
そしてシカでも。
猟場や猟隊によっても様々なシカの解体方法。
それは吊るし解体を行う猟隊でのことでした。
たまたまお邪魔をした別猟隊の隊員が、用水路に浸けてあったシカを引き上げて解体の準備を。

そのシカは後足に着弾していて吊るす部位が・・・
解体開始で・・・・・あれ?なんかヤリにくい。
皮が剥きにくいったらありゃしません。
どれどれと覗きに来たその猟隊の親方が吊った状態を見て一言。
「おい誰だ、これをやったのは」と。
後足ではなく、前足を引っ掛けて吊るしたシカを見て呆れていました。
皮を剥く向きが違っただけで、剥きやすさが全然違うのです。
小ぶりなシカなどは、お尻から頭に向かってはナイフが無くてもOKな場合も。
ところが逆は全然ダメ。
吊り直したのは言うまでもありません。
シカの吊るし解体の時は、やはり後足を吊るのが基本なのです。
その隊員は、いつもは台の上か地面で解体をしていたんですね。
許してあげましょう。
って、これを仕出かしたのは・・・
全て私。
「あ~やっちゃいましたよ!💢 ごめんなさいね!💢」
なんて逆ギレするすることもなく、毎回、素直に謝まりました。
でも、その時は・・・・・
涙が出そうになるくらい有難いことばかりだったのです。
カラスがメチャクチャにした時は・・・
「これで分かったでしょ、カラスってスゴイよね」と皆さんが慰めてくれて、掃除を手伝ってくれましたし・・・
極上肉を水でビシャビシャ肉にしてしまった時は・・・

「大丈夫!毛細血管の中に水が入り込んだだけだから、サラシやキッチンペーパーで包んで、水分を取り除けば元の肉に戻るよ!心配するな」
と、先輩勢子さんや、他の先輩方がフォローして下さいました。
「米一俵の極上肉を台無しに・・・」と、気持ちの中では切腹していた私。
その言葉に救われました。
それに、その対処方法は事実。全く以って教えて頂いた通り。
肉の表面細胞が浸透圧により細胞破壊した状態、いわゆる肉を水に接触させた状態とは異なります。
タフな血管細胞が、その浸透圧による筋肉細胞破壊を防いでくれていたのです。
よって、キッチンペーパーを何度か取り換えて毛細血管内の水分を抜いたところ、完全に普通の肉に戻りました。
そして最後のシカの逆さ吊り(逆さの逆さだけど)の時も・・・
「なっ🎵やってみると分かるだろ🎵」と、その親方はじめ皆さんが笑いながら優しく。
今となっては良い思い出であり、経験であり、勉強でもありました。
冷凍ストッカーから取り出した有害鳥獣捕獲で捕獲したイノシシの極上肉。
それを眺めながら、失敗話を思い出すのです。

だって、この肉はあのビシャビシャからの復活肉だもの。
そう、あの大失敗は今年の春先での出来事だったのです。
いつになったらダメ猟師から抜け出せるんだろう・・・
そんな自分を助け教えて下さる先輩猟師方のことを思うと・・・(´;ω;`)ウッ…
いつも申し訳ありません・・・(´;ω;`)ウゥゥ
心して、この極上イノシシ肉を頂きます。
今回は串焼きに。

「おぉ、旨い!」味もいつもと同じだな。
全然問題ナシ!
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