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生きもの二人三脚

人間の惑星

12月1日(土)は仕事が忙しく出猟できずで、カノの訓練は中止。

明日、2日(日)は、H猟隊の猟場でシカ狩りを行う予定。

こちらの地域では依然としてシカが多く、猟期中であっても、シカは管理捕獲扱いとなります。

「管理捕獲」とは環境省によるニホンジカの頭数管理捕獲のことを言い、ニホンジカが適正頭数に減るまで続けられるのです。
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(同地域の夏前の管理捕獲にて)

このH猟隊の猟場は未だにシカの生息頭数が多く、定期的にシカ猟を行わざるを得ません。

猟の面白さや難しさは、イノシシ猟の方がシカ猟より断然上。

ただ逃げ惑うだけのシカを狩るのは、少々気が引けます。

なんだか、弱い者をいじめ、苦しめているようで・・・・・。

シカの「巻き狩り」の時は毎回、ある映画のシーンを思い出してしまうのです。

ゴリラの兵士が馬に乗って、非力な生きものとなってしまった人間を狩る場面。

そう「猿の惑星」の、あのシーンです。

「人間も少しは反撃すればいいのに・・・」と、子供ながらに憤り、テレビの前で地団駄を踏んでいたのを覚えています。
ゴリラ兵

ついでに、チャールトン・ヘストン扮するテイラーが「やっぱり地球に戻っていたんだ~!」と、最後に叫ぶシーン。
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テレビに向かって「気が付くのが遅いよ!」とも・・・・・これは関係ないか。

何はともあれ「自然・生態系のバランスを守り保つため」と称し、猟隊の軍資金を稼ぐため、報奨金目当てでシカ狩りを行うのです。

・・・・・ゴリラ兵士と、なんら変らんな、最低。

ちょっと言い過ぎかな。

でも、背に腹は代えられないのです。

農家の方々からは、感謝もされますし。

さて、どうなることやら。

猟犬たちがシカを追って、地の果てまで行ってしまわぬことを願うばかりです。

コーネリアスあっきょは悩むのでした。

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月と生きもの

地球上の生命体は「重力変化」つまり「月」の満ち欠けにより、その活動が様々な影響を受けています。

海洋生物、もしくは潮の満ち引きに繁殖が関係している生物は尚更。

進化の過程を遡って考えると、人間ですら少なからずその影響を受けているのです。

話は逸れますが、狼男だって「月と生きもの」との関係から作りだされた想像上の怪物なのでしょう。

これら月の影響を受けている生きものたちの習性を基本的な考え方として、私は密かに観察を続けていたのです。

何の?

もちろん「猟犬」の。

普段はお利口さんにしている我が家の猟犬たちも、時々、急に気が荒くなったり、悪さをしたりします。

「もしや」と思ってカレンダーを見てみると、決まって満月か新月。

こんな時や・・・・・(ケンカはいけませんよ)
バトル

あんな時も・・・・・(網戸をビリビリにしてはいけませんよ)
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(ヤマがやった訳ではありませんが、カノを注意しなかった道義的責任はあります)

どれも、そんな「お月さん」の時。

先日の「ゴンとサブ」のハレンチ事件の時も満月。

その日は、2頭ともに何時になく朝から気が荒くなっていました。

そして、その前日はカノがヘン。
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急に親方に吠え掛かったりして。

確かに人相は悪いけど。。。。。

家に帰って夜中も、やたらとハイテンション。

玄関ポーチに座っている私に、しつこくじゃれ付き、背後より私の耳をベロベロと。

そのベロベロが徐々に激しくなり、耳を甘噛みしだします。

ついには普通に噛みだし・・・・・

「痛いっちゅうの!」と注意。

そのまま我慢していたら「耳なし芳一」ならぬ「耳なしあっきょ」になっているところでした。

おまけに、コーシンもハイテンション。

私の股間をクンクンして今にも噛みつきそう。

「おいおい ヤメてくれ~!」

今度は「玉なしあっきょ」になってしまう・・・・・

失礼。

ハイテンションな2頭の攻撃を避けるため、パーカーのフードを被り、股を閉じて玄関ポーチに座り、夜空を見上げます。

そこにはキレイな真ん丸のお月さん。
満月 

犬も元は狼だもんなぁ。

このハレンチ狼女め!
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観察は続くのでした。。。

猟奇!狂気!残酷クッキング

このタイトルは検閲に引っ掛かってしまいそう。

でもホントなんだもの。

先日の猟で皆さんが持ち寄った収穫物の中の漁獲物「モクズガニ」
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地方によって様々な呼び名があるようですが、こちらの方では「ズガニ」と呼んでいます。

このズガニを、どうしたら皆で美味しく簡単に味わえるかを協議した結果「ズガニそば」に決定。

ズガニ汁と麺つゆを混ぜて、ホッカホカのカニ風味あふれる椀そばに仕立てるのです。

しかし、この下ごしらえが大変なため、私が家にズガニを持ち帰り、その作業をすることに。

その前に確認することが・・・・・

我が親方はじめ、合同猟を行っているH猟隊の親方兼会長さんや同猟友会の次期会長さんの身に何かあってはいけません。

私は公儀大目付与り「お毒見役」として、食材の安全性を確かめる立場にあるため、その職責を全うします。

調理方法は、ズガニエキスから身まで全てを確認できる「ズガニ味噌汁」

検体を無作為に抽出し・・・・・
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半分にして鍋の中へ・・・・・
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沸騰してから10分、味噌を入れて出来上がり。
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さて、お味は 安全性は、「美味しい!」 「問題なし!」
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と言うことで、ズガニはシッカリとドロ吐き(胃・腸内容物を排出させる)が出来ていることを確認。

本格的下ごしらえにに掛かります。

このズガニたちを粉々に潰すのです。

本来は臼や硬い器の中にズガニを入れ、上から杵や棒で叩き潰し、ペースト状にします。

それを水で薄めてザルや網で濾し、その後、沈殿させて殻を取り除き出来上がり。

その叩き潰す作業。

私は、これに大きな抵抗を感じますし、あまりに無慈悲な行為ではないかと以前から思っていたのです。

とてもあんな残酷な方法では調理は出できません。

よって、今回は新兵器を試してみます。

で、コレ。
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早速、中にズガニを入れて「スイッチ オン!」
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「ギャ~!!」 (私の悲鳴)

目の前で繰り広げられる阿鼻叫喚の世界。

殺戮の場と化した台所。

「カニさんゴメンネ~!!」

で、こうなりました。
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このまま「ズガニそば会」まで、冷凍保存しておきます。

これだったら叩き潰す方が遥かに良い方法です。

ミキサーによるこの作業を、平常心で行えるようなメンタルを、私は持ち合わせていませんでした。

後悔しています。

あとは美味しく食べてあげて、なんとかその供養とするしかありません。

因みに、ミキサーでこの作業をする場合は、ズガニと一緒に少量の水を入れるとスムースに粉砕できます。

しかし、一般のご家庭で味わう場合はそんな食べ方をしなくても、半分に切って味噌汁で味わっても十分に美味しく頂けると思います。

大型ズガニだったら、丸の茹でか蒸しかな。

何れにしても、一週間以上はキレイな水にさらしてドロを吐かせないと、料理が生臭くなり、台無しになってしまうこともありますので、ご注意ください。

「ズガニ料理」
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秋のささやかな贅沢なのです。

金の卵

猟期に入り、かれこれ一ヶ月。

せっせと出猟していたため、我が家のカメたちは大丈夫か心配。

全然お世話をしていません。

しているのは週一回の水替えだけ。

この「水替え」が意外に大変な作業なのです。

水槽全てを一気に行うと、2時間は掛かってしまうかなりの重労働。
カメ部屋

本当は毎日でも水替えをしてあげたいところですが・・・・・

猟犬たちの世話もあるし・・・

時間も無いし・・・

面倒くさいし・・・

水替えをしなくても、簡単には死なないし・・・

飼い主「失格!」なのです。

自分を戒めるために、あえて書いてみました。

こんな気持ちで先日、心を入れ替え二階のカメ部屋に入ると・・・・・

おおっ、なんと!

今年も産んでくれているじゃあ~りませんか。

ハラガケガメが卵を4つ。
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母さんガメよお疲れさん、そしてありがとう。
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父さんガメも喜んでいるよ。
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この調子で、あと1・2回卵を産んで下さいな。

毎年そんなペースで産卵するのです。

今年は、あまり世話をしなかったのに・・・・・。

あっ! あれが効いているのかな?

今年の8月、娘が夏休みで家に帰って来るにあたり、喜ばせてあげようと、観賞用川魚を近所の用水路に獲りに行ったのです。

しかし、ビンドウで獲れるのはアメリカザリガニばかり。

仕方なく、こんなことに・・・・・
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ところが私を気遣ったのか? 面白かったのか?

娘はしばらく、その水槽に見入っていたのを覚えています。

それにしても変わった女子。

つい先日もサークル活動として、琵琶湖で淡水魚調査を行っていたそうです。

・・・・・なんかオモシロそうだなぁ。

そう。

そんな娘が新学期前に下宿に戻ったのを機に、アメリカザリガニたちをリリース。

ハラガケガメのメスたちの水槽内に。

それが良かったのでしょう。

卵の栄養源となったアメリカザリガニたちに感謝です。

この卵も来年の6月頃には孵化する予定。

他にも、いろんなカメたちが卵を産んでくれますので、もっとコマめに世話をしなくちゃ。

孵ってから、ある程度まで大きく育てた外国種の子ガメたちは、毎年「レプタイルズ・ショー」で「レップフォレスト」のブースにて委託販売して貰っています。

普通はスポーツなどで将来有望な子供さんのことを「金の卵」などと称しますが・・・・・

この題目は金の卵「カネのタマゴ」と読んでください。

イヤらしい話でスイマセン。。。

狩猟で捕れる色んな物?

猟犬カノの特訓次の日、11月25日(日)は、また他の猟隊と合同猟。
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人も猟犬も集います・・・・・もちろんゴンベーも・・・・・イヤな予感。

朝の綿密な作戦会議の後、迅速にタツが配置に就きます。

勢子は私。

猟犬7頭を引き連れてGO!

もう慣れました。

なんだか近頃「勢子役」として、変わった楽しみ方を見付けたのです。

優秀な猟犬2・3頭を使役して獲物を捕るのは当たり前。
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猟犬たちが勝手にやってくれます。

勢子はそれを無線で実況放送したり、イノシシと絡んだときは、猟犬の手助けをしてあげるだけ。

そこに様々なタイプの猟犬が加わると、いきなり勢子役としての難易度が上がります。

複数の猟犬の鳴き声や足の速さ、そして、どんな状況だとその猟犬が鳴くのかを1頭1頭把握し、猟場で起こっていることを瞬時に分析しなくてはいけないから。

GPSとマーカー(犬の声の送信機)で、ある程度はそれを補足できるのですが、それでも大変。

中には、そんな必要のない犬も1頭いますが・・・・・。

ともあれ、そんなことを考えながら「猟犬たちを使いこなしてやろうじゃんか!」と思える余裕が生まれて来たのです。

と、そんな矢先、おかしなことに・・・・・

ケガより復帰したサリーと、昨日カノを指導してくれたベッキー2頭のメス犬の「ワン!・・・ワン!」と断続的な鳴き。

「ん?獲物ではナイな、なんだ?」と思って見ていると・・・・・。

オス犬のゴンとサブが、サカリでもないサリーとベッキーのお尻のニオイを嗅ぎながら、追いかけ回しています。

真面目に獲物捜索をしているサリーとベッキーは、それがイヤでの怒り鳴き。

「ワン(もうエッチ)!」

その様子を私は無線で全国的にオンエア。

「ゴンとサブが、いつになくメス犬のお尻を追っかけてるよ」

「サリーとベッキーがよっぽどセクシーなんだね、笑っちゃう」

「飼い主に似たんだわ、ワハハハハ~!」

その飼い主のお一人は猟友会会長でもあり、その猟隊の親方。

そうです、勢子は猟の間は何を言っても許される特権があるのです。

たぶん。

「いや~、ゴメンゴメン、ゴンとサブを回収に行くよ」と会長。

そんなこんなで一回戦目は大失敗、猟どころではありません。

って、あれ?ゴンベーは何処?

ゴンベーが行方不明になってしまったのです。

開けた所まで移動し、GPSで探すと、どうもミカン畑の中に迷い込んだみたい。

私が回収救出に向かいます。

ミカン畑の柵と電柵(害獣よけのビリビリ来るやつ)を越えてミカン畑の中に「お邪魔しま~す!」

程なくしてゴンベーを発見!確保!
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どうやってミカン畑の中に入ったのかは分かりませんが、ゴンベーは大の電柵嫌い。

少しの高さでも飛び越えようとはしませんし、そもそも飛び越えられません、おまけにくぐれません。
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大き過ぎて。

なんとか電柵と柵を外し、ゴンベーを外に出し、それらを元通りに復旧。

皆の待つ林道に向かって山を登ります。

デゴイチみたいな重機関車のゴンベーは、好き勝手な方向に進もうとし、私はそれを制御するのに汗だく。

スゴイ馬力。

大きなオシリ。
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これに比べれば20キロ級のコーシンやカノは可愛いもの。

暫く山を登って、なんとか皆と合流。

あ~しんどい!

獲物の引き上げより大変でした。

二回戦目は、ハレンチ犬とゴンベーを外したのは言うまでもありません。
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(お留守番のハレンチ・サブ)

最終的には、この日、様々なモノを捕ったと言いますか・・・・・何と言いますか・・・・・

「ナニ狩り?」と言いたくなるような状況に。

二回戦目の終了後、別動隊がせっせと「捕る」「獲る」「採る」?

畑の恵や・・・・・
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狩猟小屋の土地を貸して下さっている大家さんの畑で、ミカンやハヤトウリを収穫。
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私も少し頂きました。

川の恵や・・・・・
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ズガニ(モクズガニ)は2週間ほど井戸水に漬けておいたそうです。

そして、二回戦目の山の恵。
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ところで、家に丸ごと持って帰って来たズガニはどうしよう。

今度の定例会で「ズガニうどん」か「そば」でも作るかな。

家での下ごしらえが大変そう。

でも、美味しんだよなぁ・・・・・

よし!もう食べ物にしか見えなくなってきたぞ。

合唱。
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ベッキー先輩

11月24日(土)は定例となった猟犬カノの土曜特訓。

実際には、親方と二人で猟をするため、ニオイを頼りに遠くまで獲物を追い過ぎてしまう洋犬の使役を避け、和犬のカノで訓練も兼ねて楽しもうと言うことなのです。

そう、和犬は獲物のニオイ頼りの長追いをしない傾向にあるのです。

その頼れる先輩役は、洋犬と和犬のミックス犬「ベッキー」

先週もカノをしごいてくれました。

ベッキーは、おしとやかで真面目な女の子。

獲物に対する鳴きも追いもイイ感じ。

カノとの相性も悪くはありません。
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例えば子供の学校生活において考えてみます。

模範的な先輩が一緒だと、その子は真面目な生徒として成長するもの。

逆に先輩が不良の場合、次第に悪い生徒になってしまいます。

生意気になったり、門限破りなどなど・・・・・。

犬も全く一緒。

その点、ベッキーは信頼のおける先輩。

対照的なのが我が家の先輩、コーシン姉さん。

不良です。

先月などは、コーシンとカノが「山中湖事件」を起こしてしまいました。

あれはスケバン・コーシン姉さんが悪いのです。
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そんなカノを更正させるため、ベッキー先輩に指導をお願いします。

今回の猟場も実績のあるところ。

二頭を放して様子を見ていると、しきりにニオイを嗅ぎ、激しく動き回っています。
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獲物の捜索においては、お互いを意識すると共に、勢子の私への意識も忘れていません。
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しかし、今回はここまで。

獲物が猟場にはいなかったのです。

朝の見切りでは、12貫くらいのイノシシの足跡があったのに・・・・・

猟が内も同サイズの足跡が沢山あり「もう起きるぞ(猟犬が獲物を追い出すぞ)!」と、わくわくしていただけに残念。

後に、農家の方が朝一番、その猟場近くでチェンソーを使った作業をしていたことが判明。

どうも、その音でイノシシが抜けてしまった(猟場から出て行った)ようです。

今日はこの一回戦でもうヤメ。

カノもベッキーもお疲れさん。
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なんだか暗がりのベッキー怖いな・・・・・。
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そして時計を見ると、もうお昼。

お隣の猟友会次期会長さんを呼んで昼食会をします。

親方は前回日曜日に捕れた獲物で「シカ肉ステーキ」と「イノシシ肉と骨の煮込み鍋」を作ってくれました。
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次期会長さんは魚介類を持参。

私は食べるだけ。

「イノシシ煮込み鍋」の見た目が悪いのは、私の盛り方が雑なだけなのですが、お味は最高!
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味噌、おでん出汁、イノシシの骨出汁がミックスされて、何とも言えない味わいなのです。

「シカ肉ステーキ」も、ミディアムレアの火の通し加減と、ニンニクベースのタレが文句なし!

どれも美味し過ぎです、ごちそうさまでした。

その間、カノはお昼寝。
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もうチョット待っててね。

美味しく頂く第一条件

平地で降った雨は少しなのに、富士山の雪化粧は、また一歩冬に近付いた感じがします。
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さて、先日の猟で捕獲したイノシシとシカ。

お肉のお味はどうかな?

なんだかとても気になるのです。

今までに様々な捕獲状況の獲物の肉を頂いてきました。

その中で一番大切だと感じたことは、獲物を解体するまでの前処理とその時間。

今回の獲物たちは、これらの諸条件が今までの中で最も良かったからです。

まずはイノシシ・シカともに仕留めたときは即死に近い状態。

現場での放血もバッチリ。

ここまでは、当たり前のいつもの処理。

その後、間を空けずに集落近くにある「漬け場」で腹を開き、水の中にドボン!

水の中に漬けることにより、獲物の温度を下げ、筋肉の硬直収縮と共に余分な血液が抜けるのです。
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と、ここまでの手順もいつもと同じ。

で、スゴイのはこの「水」

親方の漬け場の水は全て地下水、そう「湧水」なのです。

一年中水温は13℃の冷~え冷え!

もちろん、お水はそのまま飲んでもOK!

こんな好条件を考えると、食いしん坊の私としては、気になって気になって仕方がなかったのです。

家に持ち帰り、冷蔵庫のチルドルームで数日保存。

イノシシ肉はもちろん、シカ肉であっても、ほとんどドリップは無し。

思った通り素晴らしい状態のお肉。
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シカ肉はモモの部位を頂いたため、シチューにします。

カットした肉の色も香りも文句なし。

シチューのルーは各社試してきましたが、私は「ハウス北海道シチュー」がお気に入り。
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一番、シカ肉に合うと思っています。

あとは箱の裏に書いてある通りに作るだけ。
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ビールの肴に・・・・・
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シチューライスにしても最高!

やっぱり今までに食べたシカ肉の中では、最高レベルの美味しさでした。

そしてイノシシ肉は焼肉で頂きます。
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ウヒョ~! これも最高!

「このお肉、美味しい~!」と、家族皆も大絶賛!でバクバク。

違いの分かる一般庶民なのです。

改めて解体前処理の重要性を実感。

山に向かって手を合わせ、美味しく頂きました。

ごちそうさまです。

猟犬連合艦隊!

11月18日(日)の猟は前日と打って変わって、またもやワンワン大作戦!

合計7頭。

それも一ヶ所から山に入れます。

本来はこんな猟犬の入れ方は御法度。

猟犬の能力が拮抗している場合、イノシシに受傷させられる可能性が高くなるため、普通は2・3頭しか入れません。

ところがそうではない、つまり能力差が大きく足が合わない(スピードが合わない)場合、勢子の技量がそれなりであれば、ある程度、猟犬の受傷を防ぐことが出来るのです。

なのに、この日より勢子は「私」となってしまいました。

「猟場と犬のクセを覚えたみたいだから頼むね!」と、親方。

勢子長も「頼んだよ!」だって。

カンベンしてよ~、親方も勢子長も。

獲物を追い出すのはともかくとして、猟犬たちの命も自分次第なんて・・・・・
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私には、そんな技量もスピードも無いのです。

スピードは、山中ではゴンベーにも劣ります。
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プリチーなマルちゃんにケガでもさせてしまったらどうしよう。
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マルちゃんは、こんなに小柄な女の子なのに強烈ファイター!

ゴンベーの10倍くらいスゴイのです・・・・体重は4分の1なのに。

あっ、そうそう。

先週、括り罠でケガをしてしまったマルちゃんは、足首の腫れも治まりスッカリ元気に。

括り罠の仕掛け主も謝罪に訪れ、治療費を弁償して貰いました。

もう私たちの猟場内には「括り罠を仕掛けない」とも約束。

これで一安心。

さて、掟破りのこの猟犬の使役でどうなることやら。

実はこの猟場は、地形的に数ヵ所から猟犬を入れるより、一ヶ所から猟犬を入れた方が実績があるとのこと。

まず最初に捜索と足の速い「イ班」が獲物を起こし、タツまで追わせます。

次に捜索も足も遅い「ロ班」で引き残した獲物の寝場を捜索の二段構え

つまり、この7頭+1人は適当にあつらえた追い出し係ではなく、高度に組織化された集団とも言えるのです。。。

胸中は・・・・・日本海海戦を目前にしたアドミラル・トーゴ―、そう「東郷平八郎」と同じ。

そう、私たちは日本海軍連合艦隊!

すると、差し詰め私は「旗艦 三笠」か。

以下

イ班)
    戦艦「ベッキー」「ヒデ」

    巡洋艦「マル」「リュウ」

ロ班)
    駆逐艦「ゴン」「サブ」

    水雷艇「ゴンベー」

一方、山中に潜むバルチック艦隊は、こちらの出方を伺っていることでしょう。

「犬、放すよ~」の打電で、日本海海戦が開戦。

「各員一層奮励努力セヨ!(ホリャ~ ホリャ~!)」と勢子声を掛けながら、バルチック艦隊が潜んでいるであろうシダボサに向かって日本海軍連合艦隊は尾根を進みます。

イ班戦艦の反応を見ていると、尾根左側のシダボサが怪しい感じ。
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その様子を見て日本海軍連合艦隊は、そのシダボサに向かって九時方向に舵を切り、左旋回を開始。

ここから「T字戦法」が始まります。

シダボサに近付くにつれ戦艦の動きが更に速くなり・・・・・

その直後に「ワン!ワン!ワン!」とシダボサの中、連合艦隊イ班とバルチック艦隊が交戦開始。

そこに旗艦三笠が、地面に向けて「ドシャ~ン!」と主砲を発射。

それにビックリしたバルチック艦隊戦艦が、シダボサに中より逃げ出します。

後を追う連合艦隊イ班。(これは「勢子鉄砲」と言い、獲物を驚かせ追い出す時に行います)

旗艦三笠はすかさず各方面に「敵艦見ユ!(起きたぞ!)」と打電。

連合艦隊イ班に追われた敵戦艦は、ウラジオストクに逃げ込もうと船速全開。

ところが航路を誤り、旅順に向かった敵戦艦は、日本陸軍の榴弾砲により撃沈。

残された旗艦三笠は、連合艦隊ロ班を引き連れ、バルチック艦隊の掃討作戦を開始。

すると今度は別の場所のシダボサの中で敵巡洋艦を発見。
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すぐに敵巡洋艦は飛び出し、旗艦三笠がそれに主砲の照準を付けるも発射を見送り打電。

「鎮海湾方面ニ、敵巡洋艦向カイシ!」

少し間をおいて「ドシャ~ン!」と榴弾砲の発射音が響き渡ります。

鎮海湾の砲手より打電。

「撃破セリ!(止めたよ!)」

これを以って日本海海戦一回戦目は終了。

我が日本海軍連合艦隊の勝利に終わりました。

早速、撃沈した敵戦艦と巡洋艦の引き上げに掛かります。
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二回戦目は敵戦艦を発見したものの、ウラジオストクに逃げられ敗戦。

「あ~ぐやじ~!」なのです。

文章の全てがなんだか分かり難くてスイマセン。

でも、これが日本海海戦の実態です。
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来週も頑張ろ。

猟犬カノのお受験

11月17日(土)は親方と二人で巻き狩り?を行いました。

他の猟隊員は仕事が忙しく、狩猟どころではないのです。

中でもミカン農家の隊員には、日曜日以外の出猟のお願いは出来ません。

この時期は一年の中で一番忙しい収穫時期。
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「かあちゃんに叱られる!」と嘆きながら、山々に木霊する銃声をBGMにミカン収穫に励むのです。

お仕事をしている最中に遊んでいてゴメンナサイ。

とは言いながらも、こんな日は親方と私にとって良い機会。

我が家の猟犬たちが、親方の猟犬たちと協調して仕事するのかを試せるから。

今後の猟犬組合せも視野に入れての「見定め猟行」にあてられるからです。

よって、今回は和犬のカノを試してみることにしました。
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では、何を以ってその適正を判断するかと言いますと・・・・・

次の通りです。

◦ まずは先ほども書いた、他の猟犬との協調性。

◦ 他の犬とケンカをしないか。

◦ 獲物捜索をシッカリと行うか。

◦ 獲物を発見したら力強く鳴けるか。

◦ 逃げ出した獲物を追いながら鳴けるか(追い鳴きがあるか)。

◦ 獲物をある程度、追い続けることが出来るか。

◦ 回収はしやすいか。

これらにおいて合格点を取れるのか?親方試験官に採点してもらいます。
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そんなテストをするには絶好の猟場があり、おまけにそこは一本タツでOK!

一本タツって何ぞや?と思われた方には、ちょっと説明を。

タツ(鉄砲で獲物を待ち構える役の人)が一本(一人)。

そのまんまです・・・・・。

そこは猟場の山の周りを護岸整備された川や開けた道、そして集落などで囲まれており、獲物が隣の山に移動する通常ルートが一ヶ所くらいしかない所。

非常に獲物を捕りやすいのです。

そして、カノの他犬との適正を確認するため、そのお相手はベッキー。

現場の山「試験会場」に2頭を連れて行き、試験官の合図を待ちます。

試験官の「タツはオッケ~!」の無線と同時にテスト始め~!

カノとベッキーを放ちます。

お互いにケンカもせず、2頭揃って捜索開始、協調性はイイ感じ。

試験官から「ど~お~? 仲良くやってる?」

「今のところ息が合ってる感じですよ」と私。

山の頂上付近まで登ると、2頭の捜索の動きが更に早くなります。

するとベッキーが山の中腹に向かって200mほど一気に走り出し、何かを気取った感じ。

カノはまだ山頂付近で必死にニオイを嗅ぎながら捜索中。
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しかし、すぐに鼻先を上に向けた「高っ鼻(タカッパナ)」姿勢に変わり、地面のニオイではなく空中のニオイを取る行動をとりだします。

和犬がこの行動に出るときは獲物が近い証拠。

私は鉄砲に弾を装填。

その直後、カノはシダボサ(シダの群生地帯)の方に向かって猛ダッシュ。

激しく鳴き出します。

その間の様子を、私は試験官に無線で報告。

状況や鳴き方からして、獲物はイノシシであることは明白。

急いでカノが鳴いている現場に、これまた猛ダッシュで向かう私。

あと、40m。

「待ってろよ~カノ! いざ助太刀じゃ~!」

激しく吠え掛かる声の中に混ざった「キャイ~ン!」というカノの声。

「あっ! カノがヤラレタか?」

カノをかわし、寝場より飛び出したであろうイノシシ。

それを怯まずに鳴きながら追うカノ。

追い鳴きもバッチリ。

でも心配。

50mほど先で、そのイノシシを鳴き止めしています。

そこに、カノの鳴き声に反応したベッキーが合流参戦。

私が現場に到着する前に、イノシシと一緒にお出掛けしてしまいました。

2頭の走るスピードは、ピタリと合っています。

GPSを見ていると、240m先の集落手前で折り返し、またこちらへUターン。
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「よっしゃ!」と、私は尾根の向こうに移動し、ゴールテープの代りに鉄砲でイノシシを歓迎する作戦に変更。

急いで尾根に登ります、

ところがその前に、尾根の上の方で「カサ カサ カサ・・・・・」と足音。

「しまった! ゴールテープが間に合わなかった!」

その後を遅れてカノとベッキーが2着と3着。

2頭の追いが弱かったためか、イノシシは試験官の前に現れずで、どこかにズクまれて(隠れられて)しまいました。

そのイノシシを捜索し続ける2頭ではありましたが、上手く回収できたため、試験官に確認を取ってテスト終了。

カノの体を調べるも、ケガは無し。

ほっと一安心。

さて親方試験官の採点は・・・・・

カノは合格!

「見込み有り」で「もうチョット鍛えよう」と言うことです。

親方と私の考え方としては、今後、土曜日を中心に二人で猟をする場合、カノと相性の良い犬2頭で行う予定。

大勢で巻き狩りを行い、猟犬3頭以上を入れる場合は、和犬のカノを使役しないことにしました。

通常の洋犬と和犬とでは、その敏しょう性や間合いの取り方の差から、どうしても動きの遅い洋犬が受傷することが多くなるから。

その時はコーシンに頑張って貰います。

この日は、少人数でも猟犬を使った大物猟(イノシシ・シカ)は十分に楽しめるのだと、実感した実りある一日でした。

そして、カノの秘めたる能力を感じさせる一日でもありました。

ベッキー、ありがとね。

そしてカノ、お疲れさん。
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狩猟仲間からの頂き物

アウトドア派のほとんどの方は「食通」なのではないでしょうか。

そうなると、アウトドアの集大成とも言える「狩猟」つまり猟師も漏れなく食通なハズ。

山の恵を如何に美味しく頂くかを皆さん真剣に考え、拘っています。

そんな方々の持ち寄る食べ物や頂き物は全て絶品!

失礼な言い方ではありますが、ハズレはありません。

先週も美味しい食べ物を、たくさん頂いてしまいました。

魚市場に努めているKさんからは極上生サンマ。
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農家のMさんからは甘柿。
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どちらも、その食味は間違いナイでしょう。

楽しみ楽しみ。



話は変わりますが、近年のコールドチェーン、つまり冷蔵物流網は実に素晴らしいのです。

大型配送から宅急便まで。

30年ほど前は「サンマの刺身」なんて関東以西では考えられませんでした。

今は、どのスーパーや魚屋さんでも新鮮なサンマが買えます。

そんな鮮度の良いサンマは、全て刺身OK。

そして、昨年は不漁で食べることが出来なかった生サンマも、今年は安価で食べ放題。

改めてサンマのありがたさを感じている最中の頂き物。

家に帰って早速、サンマを調理します。

・・・感謝を込めて作った割には萎えるなぁ。

サンマの刺身のテンコ盛りと・・・・・
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サンマのゴボウ煮。
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両方とも盛り付けや写真は酷いモノですが、脂の乗りや味は最高!

一刻も早く飲みたかった食べたかったので・・・・・と言い訳しておきます。

食後のデザートスイーツは、もちろん甘柿の丸かじりの、お猿さん食べ。
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あんま~い! 最後はヘタだけ、すんごい歩留り!

これらの美味しさが分かる私は、やはり例に漏れず「食通」なのでしょう。

って、食通がこんな盛り付けや食べ方をするかなぁ。

辞典で調べてみると・・・・・

① 食通 → 料理の味に通じている人。

② 食いしん坊 → 食い意地のきたない人。

・・・・・②だわ。

それじゃ美味しい食べ物を下さった方々に対して失礼かな?

だったら「違いのわかる食いしん坊」くらいにしておきましょう。

本当に、ご馳走様でした。

また下さいね。。。