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生きもの二人三脚

ミシシッピニオイガメの受難

野生では、産まれた瞬間から生存競争が始まります。

カメで見てみると、ウミガメなどは、産まれた浜から海に出るのも大変。

そんな番組を、テレビで何度も見た記憶があります。

わが家で飼っているミシシッピニオイガメたちも、きっとそうだったと思います。
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さぞかしや「恐ろしい思い」「痛さ苦しさ」を乗り越えて、ここまで生き延びてきたのでしょう。

「だけど、もう心配はいらないよ、優しいオジサンが大切に育ててあげるからね!」と、言葉を掛けながら「レップフォレスト」から買って(保護して)帰ったミシシッピニオイガメを、わが家の水槽に放します。

とても怪しい光景ですが、この言葉には理由があるのです。

わが家で飼育している親のミシシッピニオイガメたちは、ほとんどが「B品」と呼ばれるカメなのです。

カメのB品とは、手や指などに欠損があったり、甲羅がズレたり欠けていて、売り物として価値の低い状態のことを示します。

わが家のミシシッピニオイガメは、どの様な状態かと申しますと。
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甲羅に穴が空いた個体ばかり。

そのカメたちの特長から推測するに、アメリカはフロリダ州近辺の個体群だと思われます。

そのフロリダには、ミシシッピニオイガメの天敵であるアリゲーター科の「ミシシッピワニ」が分布しており、わが家の個体は、その天敵に襲われながらも逃げ生き延びた個体たちなのです。

つまり甲羅に空いた穴は、全てミシシッピワニの歯によるもので、体長1~1.5mほどの若ワニの歯型と合致します。

そんな状態ですから、お店で売れ残り、長期滞留在庫となってしまっていたのです。

レップフォレストの店主に「取引のある他店に、まだ同じ様な穴あき甲羅の個体が売れ残ってないか?」聞いてもらったところ、さらに数匹ミシシッピニオイガメが集まり、全て私が保護。

やはり、フロリダ個体群ばかり。

歯型からして、正面から咬まれたり、斜め横から咬まれたり、かなり深い咬み跡の個体もおりました。
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(この個体は真正面からガブリ!)

本当に野生とは、厳しく逞しいものです。

ワナから足を引きちぎっても尚、逞しく生き延びているイノシシと被ります。

ミシシッピニオイガメたちは、今では皆すっかり元気になり、2世も誕生し、傷もだいぶ目立たなくなってきました。

ミシシッピニオイガメは、小型で丈夫で飼育の楽々な、とても人懐っこい良いカメです。
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是非とも飼って頂きたいオススメのカメなのです。

これから先、私は、わが家のミシシッピニオイガメより確実に早く、あの世に行ってしまうでしょう。(それほどにカメは長生き)

出来ればその前に、彼らを生まれ故郷のフロリダに帰してあげたい。

それが、本当の幸せなのでしょう。

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ニホンイシガメ④

今年の異常気象で、冬眠をさせない事にしたニホンイシガメたち。

狩猟の準備やカノの世話でバタバタしていて、そのタイミングを逸してしまったのです。

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(責任転嫁はいけません!)

そ~なんです、私の手抜き飼育が原因なんです。

自然に生息しているニホンイシガメであれば、気温や水温との見合いで、冬眠に向けて食べる量を自分で調節します。

ところが飼育下では、エサを与え過ぎれば水質悪化を招くだけですので、それはこのカメにとっては命取り。

だからと言ってエサを絞れば、冬を冬眠で乗り切るエネルギーが確保できない可能性もあります。

また変温動物の場合は、お腹いっぱいの状態で急に気温が下がったりすると、消化不良を起こすどころか消化器官の中で食べたものが腐ってしまい、死に至ることもあります。

川や池のように水量が多ければ、気温が急に下がっても水温はそれほど変化しませんが、人工飼育下の少ない水量では、気温とほぼ同時に下がってしまうのです。

今年のように、秋らしい秋がほとんどないと、屋外飼育は色々と気を使わなくてはダメ。

十分なエネルギーを貯め込めなかったニホンイシガメは、冬眠中に死んでしまうこともあるからです。

したがって、今年はカメ部屋で冬を越すことに。
カメ部屋

ここなら温度が高いので、エサを食べながら冬を越せます。

0才(6ヶ月)
かめ0才

1才5ヶ月
かめ1才


2才5ヶ月
かめ2才
                (はなじで~!)

3才、4才は親の故郷に移住して、元気でやっていると思います。

この、0~2才のチビカメたちは、お部屋で越冬。

体力のある親ガメは、お外で冬眠。

でも実は、親ガメに関しては「体力があるから」だけではないのです。

日本の四季の下、冬を「冬眠」で過ごさないと、翌年は「繁殖スイッチを入れてはダメ!」と、ニホンイシガメのDNAにしっかりと書き込まれているから。

ですから、来春まで「おやすみなさ~い」の、手間いらずの、ほったらかしの・・・・
いや、違う「そぉ~と」しておいてあげるのです。

しかし、ここで一つ問題が、ニホンイシガメの子ガメはとてもデリケート。

水質に敏感で、水の管理が悪いと直ぐに皮膚病になってしまい、そのままにしておくと死んでしまうのです。

だからと言って、そのままの水道水で、水替えを頻繁に行うのもいけません。

それも皮膚病を誘発してしまいます。

水替えは、中和剤を使ったり汲み置きして、塩素を抜いた水を使用すること。

雨水や井戸水はそのままでOK!(本当はこれが一番!)

昔、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)を飼われていた方も多いと思いますが、あの様な飼い方で、ニホンイシガメを上手に飼うことは難しいのです。

「水の中に石などを入れたり砂利で陸地を作る」程度ではダメ。

もっと陸地を多くして、体を乾燥できるようにしてあげます。

もし、ニホンイシガメが皮膚病になってしまった時は、保温球などを使って上から温めて、体温を上げて免疫力を高めてやります。
こんな感じ
(参考例です)

その時は、必ず熱から逃げられるところを確保すること。

2週間ほどで皮膚病は治るでしょう。

元気になった後も陸地を多めにするか、水を張った場合は、確実にカメの体が乾燥できる陸地を設けた飼育を心がけます。

これでも可
(100均のシンク収納棚を流用)

中には、ミドリガメやクサガメと同じ飼い方でも大丈夫な個体もおりますが、油断はせず「水」に気を配ることを忘れてはいけません。

突然!皮膚病になったりします。

ハッキリ言って、ワンちゃんたちよりはるかに気を揉むカメ飼育。

でも、なんだか愛おしいニホンイシガメちゃんなのであります。

本当は、冬眠させてあげるのが一番良いんですけどね。

コンパクト デジタルカメラ

「ブログで写真が大切なのはわかってるよ、自分だっていい写真を撮りたいさ!撮りたいんだよ!だけど撮れないんだよ!!」と、家族に胸の内を訴えたかけた直後に、ダメになってしまったコンデジ君。

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確かに使いにくかったことは否めません。

当時は速いとされたシャッター反応時間(0.6秒)も当時から閉口ものでした。

止まっている被写体は問題ないのですが、連写機能も無いため、動いているモノは難しすぎ。

ちょこまか動くワンちゃんなどは、その筋肉の動きを見ながら次の動きを予測し、シャッターボタンを押さないと、まともな写真は全く撮れません。

しかし、その0.6秒後の被写体の動きと構図が、自分の思い描いていたものと合致したときの「やったぜ!」感と言ったら、それはもう・・・・・嬉しいけれど何だかチョット?違う感じ。

そんな写真の撮り方が身に付いてしまった状態で、家内のスマホを借りて写真を撮ってみてビックリ。

どんくさい指の動きでシャッターボタンに触れると勝手に連写!そして、その写真のレベルの高いことと言ったらありゃしません。

「ムムムッ これはスゴイ!そんじょそこらのコンデジではスマホに勝てないぞ、これじゃ安いコンデジを買うくらいだったら、自分もガラケーからスマホに替えた方がイイではないか!」と、浦島太郎な私。

いつも拝見させていただいているブログ先輩方の写真の「美味しいこと、カワイイこと」

「目の前に食べ物があって、その味わいが口の中に広がり、ワンちゃんなどはペロペロなめてくれる」そんな感じにすらなるのです。

こんな素晴らしい写真を私も撮ろうとするならば、技術の無さを機械で補うしかないのです。

と、そんなことも加味しながらのコンデジ探し、製品そのものよりメーカーのスタンスが気になります。

「使いやすさ重視で、真面目にユーザーのことを考えてくれているメーカー」
「いろんな機能テンコ盛りを売りとするメーカー」
「使い勝手よりも数字的スペックで売り込んでくるメーカー」
など、デジカメど素人で製品本来の機能を引き出せる自信の無い私としては、自分に合った
仕様をラインアップするメーカー選びから始めてみます。

ところが、どのメーカーも最新機種は機能テンコ盛りとスペック合戦。

「そんな機能を自分は一生使わないな」「使いにくくなってデータも重くなるだけでしょ」
「もっとシンプルにして安くして」と、気が付いてみると目が行くのは旧型ばかり。


ソニー RX100                                     
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パナソニック LX100                                             
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ペンタックス・リコー GR
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富士フィルム XQ2
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キャノン G9X
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旧型はお手頃なお値段でイイ感じ。(ビミョーに高いのもあるけれど)

それとコンデジでは、高倍率と写真のクオリティーの両立は少し難しそう。

ましてや、猟友会ベストのポケットに入れるとなると、土埃などの影響も・・・
耐久性も心配です。

しばらくは毎日撮りを優先した方がいいかな。

もうチョット、考えて悩んで楽しんでみようと思います。

ブログの要

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連日の激務と狩猟で疲れ果てた私は、犬の世話をしようとしたところ、めまいがして目の前が真っ白に・・・・・「バタッ」(倒れた音)

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とか、「ヤ、ヤマが幽体離脱してる!!」とかいう写真ではありません。

15年間使い続けたカシオのコンデジがついに逝ってしまったのです。

どんなにモード設定を変えてみたりしてもダメ。

「長い間、ご苦労様でした」と、なりました。

いつも家族からは、私のブログのクオリティーの低さ、特に写真は酷すぎると指摘され、私は「日記のつもりで書いているから写真は、これでいいのだ!」と、言い訳をします。

それに対して「違う!ブログをわかってない!」「ブログは写真が命。大切だよ!」とバッサリ。

そして「そんなデジカメを使っているからダメなんだよ!」とのキビシー言葉をパソコンの横で静かに聞いていたコンデジ君。

その翌日にヘソを曲げてしまったのか、それとも自決を図ったのか、こんな事になってしまったのです。

あまりのタイミングの良さに、コンデジ君に申し訳なく思ってしまい、何とかならないか?と。

モノを大切にして使い続けることをモットーとする、平たく言うとビンボー性の私は、分解して直せないものかとも考えましたが、基盤に触れる知識も勇気もありません。

ただの、元に戻せない「分解君」になってしまいそうだったので、コンデジ君はあえなく本棚のオブジェとなりました。

本当はメーカー修理に出したいけれど、「無理!パーツなし!」と言われるだけ。

でも15年間、家族の思い出や、子供の成長の記録を残し続けてくれたコンデジ君は、私にとっては名機と言いますか愛機なのです。
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「長い間、本当にありがとう!」

さて、かくなる上は何とかせねばと、家電量販店やネットでコンデジを探す毎日。

ちなみに何故、コンデジを物色するかと申しますと、狩猟の最中、山中で出会った生きものたちを撮影するため、携帯しやすさを優先したかったから。

そして、出来れば高倍率のモノ。

それにしても、機種がイッパイあるな。

あれから15年も経っているから性能も凄いんだろうな。

どれがイイのか、どれでもイイのか、わからなくなってしまいます。

いつもの事ながら「どれにしようかな?」と、悩んでいる時は楽しいものです。

これも逝ってしまったコンデジ君の最後のプレゼントかな?

猟犬躾の第一歩

これも楽しみの一つなのですが、犬の躾についてはいつも考えてしまいます。

今までに犬を飼ったことのない私にとって毎日の世話は、ひたすら犬の気持ちになって考え接していくしかないのです。

そして猟犬の躾ともなれば、普通のペット犬とは違って、一捻りどころか真逆のことも。

わかりやすい例を挙げれば、人の横にピタリと寄って歩く躾は、猟犬には必要ありません。

勢子の進む方向を悟りながら常に先行し、獲物の捜索を行うことが求められるからです。
(町内散歩ではピタリと寄ってもらいたい時もありますが)

極端な躾の例は、老師匠により猟犬スパルタ教育を受けたヤマ。

ヤマは獲物の捜索時、私の様子を時々「チラッ」と、確認しながら10m~30mほど先を捜索します。

私が右方向にアゴを突き出せば右へ、左なら左へ進行し、私が上を見上げて指をさせばその斜面を登り、見下ろせば下へ。

そして獲物のニオイを感じると、そこに一直線に向かい確実に獲物を起こします。

山の中では私の指示を理解し、文句無しのヤマですが、家では未だに「マテ」「ヨシ」が理解出来ないのです。
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(それはナイショの約束でしょ!)

わが家に来てから1年半、食事の度にそれを躾けるのですがダメです。

エサを前にしてヤマに厳しい口調で「マテ!」と言うとピタッとヤマは止まりますが、優しい口調で「マテ♡」と言うとエサを食べてしまいます。

コーシンにそれをやると「マテ♡」では「オ~ット!」と急ブレーキで、ヨダレがダラダラ。

そのコーシンの事を家族に面白がって話してみたら「それは動物虐待だ!」と怒られてしまい反省。
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(ゆるさ~ん! お返ししてやる~!)

要するに犬もある程度高齢になると躾が上手くいかなくなり、若いうちにしっかっりと躾をしておくに越したことはない様です。

そして躾の塩梅は個々の犬によっても大きく異なると感じます。

その犬の性格を見極めながら、萎縮させないように躾けるためには、犬が何頭いても人と犬が1対1の信頼関係を築くことが第一歩だと思います。

その第一歩として大切だと感じたことは、毎日の世話。

犬の世話は必ず勢子本人が行うべきだと考えます。当たり前のことなのですが。

私は仕事の帰りがいつもより多少遅くなるからと言って、家族に犬の世話をお願いするようなことは止めました。

1度、仕事の都合で帰りが遅くなる事が1週間続いたときに、家族にエサやりをお願いしたところ、犬たちの心が私から少し離れてしまったのを感じたからです。

散歩も然り。帰りが遅くなったら遅くなったで、待たせておけばいいのです。

躾にとって、人間の感覚で犬たちに対して気を遣うことは、おそらく逆効果。

犬たちをワガママにさせてしまうだけで、それは猟犬にとっては命取りとも成り兼ねません。

それと、猟犬から勢子を見た場合、その人を飼い主と見ているのか、それともリーダー犬と見ているのか気になるところです。

そもそも犬には「飼い主」なんて概念は無い様に思いますので、勢子はおそらくリーダー犬なのでしょう。

毎日の生活や狩りの流れ全てを、リーダー犬が中心となり先導した方が、犬たちも気が楽なのではないでしょうか。

果たして私は、犬たちにとって信頼できるリーダー犬なのか、聞いてみたいところです。

ヤマ
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「オレは前のリーダー(老師匠)の方がやりやすかったな。今のリーダーは山を知らないもの」


コーシン
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「ワタシはリーダー好きよ。何とか山を覚えてワタシたちの縄張りにしようと頑張って
いるじゃない。狩りの最中もあちこちにマーキングをしてくれてるわよ」
(前日に焼酎を飲みすぎて・・・なぜかコーシンはいつも寄ってくるのです。かかっても知らないよ!)

カノ
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「カノもリーダー大好き。お仕事を早く終わらせてカノを楽しいお山に連れてってくれるから。でも、お仕事大丈夫なの?」


ウメ
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「猫語もマスターしてよ。言いたいことがイッパイあるんだから。あの子(カノ)に言っといて、こたつは私のモノよ!」


近頃、かなり犬語がわかるようになってきました。

実は私、猫語は完全マスターしています。

「岩合さん」には負けますが。

狩猟ベスト

狩猟で必要な道具のほとんどを、納めて携帯するためのベスト。

これは履物ほどの消耗品ではないため、価格よりも使い勝手や耐久性を優先したいところです。

本当は猟友会ベストが、もう少し作りの良い物であればそれで十分なのですが、これが悲しくなるほどの粗悪品。

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私に配給されたモノなどは、縫製不良によりポケットに初めから穴が開いており、危うく弾を落とすところでした。

それ以外ではマジックテープが弱いため、使用しているうちにマジックテープ部がバラバラになってしまったり、縫製糸も細く弱いため、イバラなどに引っ掛けると簡単にほつれてしまいます。

この猟友会ベスト着用を半義務化しているのならば、その辺はちゃんとして欲しいところです。

そんな猟友会ベスト、仕方がないので私の場合は穴が開いたところを縫い直し、マジックテープ部も普通の物に交換し、縫い目の部分は全てラテックスコーティング(この液体が固まるとゴム化します)をしました。

これで何とか猟に使えるようになりましたが、私の場合は重装備ですのでポケットが足りません。

携帯装備品は次の通りです。

・通常通信用アマチュア無線機×1
・デジタル業務無線機(有害・管理)×1
・猟犬マーカー用無線機×1
・GPS受信機×1
・携帯電話(無線が届かない時に使用)
・許可書類各種
・人、犬の救急用品
・スラッグ弾
・猟犬、獲物の引き縄×3
・シカ検体採取用鋸、容器
・飲料水 etc

したがって、猟友会ベストの下にもう一つベスト(田上商店終売品)を着用しております。

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この田上商店製のベストは「すんばらし~!」の一言。(現在はオレンジ色ベストの取り扱いはあるようです)

念のため縫い目にはラテックスコーティングをしましたが、品質・使い勝手に何の不満もありませんし、色違い(オレンジ色)バージョンも購入しておきたいところ。

他にも良さそうな狩猟ベストが数メーカーから販売されている様ですので、順次試していきたいと考えていますが、出来れば1着で済ませたいものです。

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(籠城 in こたつ)

狩猟靴

私が狩猟を始めるにあたって、鉄砲と同じくらい選択に悩んだのが狩猟靴。

何軒もアウトドア用品店・釣具屋・ワークショップそしてインターネットで探し回ったのですが、私は決めきれずで先輩方に聞いてみることに。

すると、こちらの地域では8割ぐらいの方が「タビ」タイプであることが判明し、私もそれにならうことにしました。
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(爽快堂の「若葉」(スパイク無し) スパイク有は「朝霧」どちらも丈夫で使い良いです)

ですから私は実際にどのタイプが本当に自分に合っているのか、本格的に幅広く試したことはありません。

ただし、靴を軽く考えていると命にも関わると言う事を、昨猟期に思い知らされました。

その日、私はタツ役だったのですが、他の方の仕留めた獲物の引き出し応援に向かう途中で、V字谷の上べりで足を滑らせ谷底に転落してしまいました。

谷底には背中を下にして叩きつけられたため、しばらくは上手く息もできず意識も朦朧としていたため、体を動かせずにただ青空を見上げるばかり。

そのうちに私の上空をカラスが旋回しだし「お前らなんぞに突かれてなるものか!」と腹が立ったのを覚えています。

幸いにも数ヵ所の軽い骨折と全身打撲ですみましたが、運が悪ければそんな程度では済まなかったでしょう。

背中に背負っていたリュックと鉄砲にだいぶ助けられたと思います。
(鉄砲は先台と銃床がバッキリといってしまいました)

足を滑らせてしまった原因はスパイクタビで石の上に乗ってしまったためで、硬度が高く表面が滑らかな岩はスパイクでは時にビックリするほど滑るという事を忘れていました。

私は勢子役の時は犬の足を傷つけないために、いつもスパイクの無いタビを履いております。

しかし、その日はタツ役だったためスパイクタビを履き、その事もすっかり忘れていたのです。

以来、雨上がりで地面が滑りやすいとき以外は安易にグリップ頼みでスパイクを履かないようにしています。

そんな事もありましたが、タビタイプは急斜面を登るときなどは、足の親指を曲げて地面に引っ掛けられるため、今でも私は愛用し続けています。

ただし、タビタイプは耐寒性や耐水性に対しては弱いですし、消耗品感が強くオシャレではありません。

それに比べると、トレッキングシューズやアーミーブーツは「ハンター!」って感じでとてもオシャレですし、耐寒性もありそう。

そしてその靴を使用したり手入れをすることにより、モノによっては道具として所有する喜びも味わえそうです。

また、それら以外で耐寒性や耐水性においては長靴に勝るものはないのでしょう。

寒い地方や川の多い猟場などではこれが一番なのかもしれません。

獲物の解体だってそのままでOK。

釣具メーカーの取り扱っている内側がネオプレーンの磯ブーツなどは値段はそこそこしますが、耐寒・耐水・耐久性は文句なし。

ホームセンターなどで売っている安い長靴と比べると価格の桁が1つ違いますが、10倍以上長持ちし、履き心地や耐寒性は比べ物になりません。
(私はシマノの磯ブーツを愛用していますが、釣りを中心に20年履いております。今は猟の解体や、ぬかるんだ猟場で使用しておりますが、まだまだ使えそうです)

それらを履いて注意することは、笹を刈った場所を歩くとき。穴が開くとショックです。

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(ちょっと休憩。「シカ肉ハヤシライス」これは絶品!旨すぎ~!)

何れにしても、どんなタイプの靴を履いたとしても、足運びが上手で筋力のある方はスタスタと危なげ無く山を上り下りされます。

靴のタイプやスパイクに頼っているようでは、私もまだまだだと痛感している次第であります。

しかし、「男のオシャレは足元から」「できる男は靴でわかる」などなど常に男のダンディズムを追求している私としては、狩猟靴にも拘りたいのです。

ウソです。

やっぱり私は当分の間、カッコ悪いけどタビでいいや。

シカシチュー

少し前に紹介させて頂いた「シカシチュー」(本当はディアシチューかな?)

12月17日の猟で捕獲したメスジカのモモ肉でまた作ってみました。

本当は前にも述べたように、シカ肉大和煮作りを優先させたかったのですが、家族の要望によりあえなく断念。

私の不用意な一言が皆の食欲に火を付けてしまい、その要望に応えざるを得なくなったのです。

「うわっ!この背ロース旨そ!」と、私の一言に間髪入れずに家内が
「ご飯のおかずが一品増えた。タタキにしましょうよ」
「えっ!」
「タタキにすればいいじゃない、子供たち好きなんだから」
「ハイ・・・・・」

フライパンの上で軽くローストし、すぐに氷水に漬けて急冷後にスライス。

わが家では主に、生姜醬油でシカ背ロースのタタキをいただきます。

他にはポン酢とニンニク・ネギで食べたり、別料理になりますがユッケもバッチグー!

食品衛生法の改定により、市販での畜肉生食は原則禁止となって久しいのですが、自分で捕ったシカの生肉はどれだけ食べてもオッケー!ただし「あくまでも自己責任で!」とは、言うまでもありません。畜肉生食の危険性を侮ってはいけません。

子供たちはタタキをおかずにご飯を何杯も。箸が止まりません!

私は酒の肴に。酒が止まりません!

400gもあったシカ肉大和煮試作用の背ロースは一瞬で皆のお腹の中に納まってしまいました。

これはこれで、いつも通り美味しくいただきました。「ごちそう様です」

したがって、本来は背ロースとモモ肉を同条件下でのシカ肉大和煮試作としたかったのですが、モモ肉だけとなってしまい今回は見送りへ。

残ったモモ肉は1週間ほど冷蔵庫のチルドルームで寝かせて、旨味が増して軟らかくなってからサイコロステーキかカツにでもしようと考えたのですが、やはりこれも家族皆のお気に入り「シカシチュー」行きとなりました。

作り方は、前の説明の通り簡単なのですが、要の「ビーフシチューの素」には頭(舌)を悩ませます。

今までに各メーカー何種類か試してみたのですが、わが家では「ハウス 北海道シチュー ビーフ」が1番シカ肉の旨味を引き出す、つまり「旨い!」となりました。
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そして今回もこんな感じでいただきました。
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(オムライスにはシカシチューとケチャップを混ぜた「なんちゃってデミグラスソース」を)

私は食品メーカーさんに是非ともお願いしたいのです。

香辛料などをもう一工夫して「シカシチューの素」を販売して頂けないかと・・・・・
いや~無理があるな。

だったら、姑息な手段ではあるけれど、ビーフシチューの素のパッケージに書いてある「ビーフシチュー」の文字横に「シカ肉でも可」なんて入れてくれると「んっ!シカニク ~?」と、なってシカ肉を求めだす人が増えて、シカ肉の需要につながるのではないか!・・・・・全国で500人ぐらいは試してくれるかな?・・・ダメだ。

やっぱり今は、狩猟者一人一人が自らそのまわりの方々にシカ肉の有用性や美味しさを伝えて消費を広げ、捕獲したシカを有効に利用する流れを作ることが大切なのでしょう。

地球上の同じ生きものとして、狩猟者はそのぐらいはしないと、そのうちに罰が当たります。

車載犬舎

ボロボロ中古車のスズキ キャリイが私の狩猟車。

かなり乱暴な使用にも音を上げない頼りになる相棒です。

この車、作りは他メーカー車と比べると甘い部分も多いのでが、駆動系に関してはタフ。

「軽トラなんて仕事の道具なんだから、ちゃちでも壊れなきゃイイんでしょ!」と言うスズキの割り切りと潔さが伝わってくる、合理的な思考の下に生み出された工業製品です。

そんなキャリイに初めの頃は、道具箱しか載せていなかったのですが、しばらくして猟犬を連れて行くことになり車載犬舎を物色。

しかしアルミ製の車載犬舎はどれも高価で、私などにはとても手が出ません。

市販のドッグキャリーやドッグケージも考えたのですが、結局自分で作ってみることにしました。

それからというもの、犬舎の設計図が頭の中をめぐる毎日。

先輩方にも犬舎をどのくらいのサイズで作製したら良いのかを伺ってみると、皆さん一様に「小さめの方がイイよ」とのこと。

犬の体格に対して狭めにした方が、走行中に犬の体が動かないため犬も楽で、車酔いをし難くなるそうなのです。

確かに犬は寝る時など「くるん」と丸くなると、目を疑うほど小さくなってしまいます。

そんなある日、職場の廃棄物置き場に捨ててあったスチールラックに目が留まり、私が頂いてもいいことに。

早速、家にキャリイで積んで帰り、頭の中の設計図とはまるで違う寸法の箱型に変形。

仕上げの扉はオウム用の鳥かごを利用し「廃物ゼロ円ビンボー犬舎」の出来上がり。

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(コガネメキシコインコ:「私の家を勝手に使わないで!」たぶん天国で怒ってます)

「で け た よ ~!」と、完成したシックなグレー(事務用品カラー)に染まった犬舎を、猟隊や有害捕獲員メンバーに披露したところ「バカ!デカすぎだよ、小さく作れと言っただろ!」
「何だこりゃ!箱ワナか?」「廃品回収車で猟に来るな!」となかなかに好評・・・・・・・

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(なるほど、勘違いされても仕方がないのだ)

しかし、何と言われようとも、私は皆を信じているのです。

茶道や俳句の中に閑寂な味わいを嗜む心を持ち、不完全なものに「美」「趣」を見出すことの出来る感性を有する日本人。

「ボロ軽トラ」と「廃物利用犬舎」の見事なまでの「調和」と「侘び寂」を、日本人である猟隊の皆さんがそのうちに必ずや気付いてくれることを。

一方で、犬舎の大きさについてワンちゃん達に聞いてみたところ「やっぱり広い方がいいよね!伏せしたり丸まっていれば車の揺れは問題ないし。狭い犬舎だと動けないからエコノミー症候群になりそうだけど、この犬舎はファーストクラスだから快適だよね!」と、評判は上々の様です。

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(ヤマ:またテキトーなこと言ってるよ。 コーシン:ほっといて猟までの間、寝ときましょ)

「いや待てよ?今後カノはど~しよう・・・・・助手席だな!」私はこんな中途半端な勢子を見たことがありません。

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(私:シートベルトOK!GO! カノ:いいから早く降ろして下さい)
 

有害・管理捕獲はつらいよ

「有害鳥獣捕獲と指定鳥獣管理捕獲」狩猟者として普通に考えたら、この事業に従事するのは少し考えモノです。

私は、そう実感することが時々あります。

この事業の遂行に当たって、あまりにリスクが大きいと感じることが多いからで、勢子役の私は尚更です。

この事業を行う期間は通常は4月~10月迄の間ですのでハッキリ言って暑いのです。

気温が高いと言う事は、植物が繁茂し毒虫や吸血虫が活発に活動する時期でもあるのです。

ボサ(植物が繁茂した場所)が深くなると勢子の進行を妨げ、猟犬にとってはイノシシと対峙するときに不利な条件となります。

また、虫やダニにも悩まされます。

私の所属する有害捕獲の猟隊では、スズメバチの襲撃により猟犬が2頭殺され、その時の勢子の方も数ヶ所刺されて病院に担ぎ込まれる事故が発生してしまいましたし、マダニに嚙まれて酷く化膿してしまい、手術するにまで至った方もおります。

私も犬たちもマダニには毎回悩まされますし、油断していると家族にもマダニ被害が及んでしまい、酷い目に合ってしまいます私が。

その度に、私は家内と娘から厳しい叱責を受けてしまうのです。当たり前です。

ですから、有害・管理捕獲から家に戻ると私は玄関で産まれたままの姿にされ、お風呂に直行し、服は即漬け置き洗い。

それでもダニ被害は無くなりません。

「いったい何処にくっ付いているのだろう?」といつも自分の体を検査してみるのですが、1度はおヘソの中に、そして別の日は私の体で結構大切な部位の裏にダニエル君がくっ付いておりました。「キャーエッチ!」

どうにもマダニには殺虫剤や忌避剤が効かない場合も多いようです。

そして更に注意が必要なことは「熱中症!」

対策は十分に行っているつもりなのですが、家に帰って頭がくらくらし、その後に頭痛や吐き気をもよおしてしまったことが何度かあります。

実際に現場で倒れてしまった方もいらっしゃいます。

猟犬だって熱中症は油断できません。

暑さに慣れていないコーシンは、獲物を追った後に私の足元に戻って来てバッタリと倒れてしまったことがあります。

その時は手持ちの飲料水があったので何とかコーシンは大丈夫でしたが、私は慌ててしまいました。

それに比べるとヤマは慣れたもので、適当に手を抜いています。

何れにしても、「有害が・・・管理が・・・と言うよりも、この時期は・・・」と言うのが正しい表現かも知れません。

では、なぜ猟隊の皆さんがこの事業に従事し続けるのか?聞いてみると、ほとんどの方がボランティア的なお考えのようです。

その中で「自分たちがやらなければ、他に誰もやらないし、出来ないだろう」と言う一種の使命感の様なモノを私は強く感じます。

もう一つ、ついでに言うと「自分が休んでしまうと、他の隊員が大変だろうな」と言う連帯感も感じます。

そんな文句ばっかり言っている私も、それらに突き動かされているのです。

猟期中にこんな事を書くのもなんですが、猟期中だからこそ「狩猟」と「有害・管理捕獲」の違いが明確に見えてきます。

やっぱり、有害・管理捕獲はボランティアであれ「仕事」なのです。