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生きもの二人三脚

2年目のシーちゃん

※ ヘビの苦手な方は読み進めることを控えられた方が・・・いいように思います。
   先にお詫びをさせて頂きます。ごめんなさいね🎵

私を狩猟者としての出発点に立たせて下さった老師匠。

その狩猟の師匠が他界されてから、今年の12月で2年になります。
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亡くなられる3ヶ月くらい前までは、一緒に山散策も出来ていただけにショックでした。

9月の終わり頃に猟場の確認をしに行ったのが、老師匠との最後の山散策となってしまったのです。

イノシシの生息状況を足跡やエサを食べた跡から推察し、その合間に栗拾い。

「おっ、あっきょ君、ここにも栗が落ちているぞ!でも結構イノシシに食べられてるな」

などと言いながら、気が付くとイノシシとの栗争奪戦。
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(その時の栗で作った渋皮煮)

と、そんなことをしている時のことでした。

「おい、マムシがいるぞ、気を付けろ!」と老師匠。

私はいつもの癖で反射的にマムシを捕獲。

ところが、このマムシは少しヘンだったのです。

本来の俊敏なはずの動きに切れがありません。

「どうしたのかな?」と良く見てみると、マダニに寄生されていました。

「なんだよ・・・マダニは何でもアリだな・・・」などと思いながら・・・

そのマムシをペットボトルに入れ、家に連れて帰ったのです。

もちろん老師匠に呆れられたのは言うまでもありません。



家に戻り、さっそくワンコ用のフロントライン(ダニ・ノミ駆除剤)をティッシュに染み込ませ・・・
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マムシを入れたケージの隅に置きます。

フロントラインは脊椎動物の神経系には影響が無いため、マムシは大丈夫。
(この方法は、爬虫類全般のダニ落としに有効です)

しばらくするとマダニはマムシから離れてコロリ。

マダニに噛みつかれていた幹部は鱗がはがれて傷は深く酷い状態。

傷が治るまで、飼育することにしました。

また、マダニの寄生により弱っていたため、エサを上手く獲れなかったのでしょう。

マムシは痩せていたのです。

このままでの冬眠は死に至る可能性が高いと判断。

ケージ内の温度を上げて冬眠をさせないことにしました。

それはエサを与えるため。

カエルやネズミを、せっせと食べさせます。

餌付きの良い個体だったのが幸いしました。

春にはすっかりと正常の体型になり、傷も完治。

脱皮も順調に完了。
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ヘビの場合、脱皮が上手く出来たということは、体調万全の証。

さぁ、もう自然に戻しても大丈夫!

しかし、ここで問題が。

私が知っている山は、その殆どが猟場。

猟場にマムシを逃がす愚かな狩猟者はいません。
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猟犬はおろか、狩猟者自身もマムシに噛まれる可能性があるからです。

どうしたものかと悩み続けていたら、もう秋。

おまけに、情が湧いて来てしまったのです・・・このマムシに。
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「マムシのシーちゃん」などと名前を付けてしまったので尚更。

そして老師匠との思い出も蘇る秋。

シーちゃんに老師匠が重なるのです。

雲の上で怒っているな・・・「勝手に重ねるな!」なんて。

そんなこんなで気が付くと更にもう1年・・・で、今年で2年目。

シーちゃんは相変わらず元気。
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私が水入れの水替えをしようと、ケージの中に手を入れると・・・

ピョ~ンとその手に飛び掛かって来たりと・・・
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とっても人懐っこいのです (-_-;)

そんな可愛いシーちゃんに、今日もご飯を獲ってきてあげました。
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仕事の帰りにカエル獲り

大の大人がカエル獲り

さぁ、今日もたくさん獲れたよ~!

タップリとお食べ🎵
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これで今年の冬眠は安心。

因みに、シーちゃんはオシャレな赤マムシなんですよ🎵

光の加減でちょっと分かりにくいかな?
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でもキレイでしょ!

これからも、シーちゃんを大切に飼っていこうと思います🎵



ドン引きされた方は拍手をお願いします!
はげみになります!?

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赤マムシ

わが家の赤マムシ。
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昨年の10月から、訳があって飼っています。

老師匠と猟期に向けて、猟場状況の確認をしている最中に捕獲したマムシなのです。

捕獲した理由は、猟犬が被害に遭ってしまうから。

マムシに咬まれた犬は死にこそしませんが、咬まれたところが腫れ上がり、とても痛がります。

よって、川向こうの猟場の外に放そうと思ったのですが、なんか様子がヘン。

よく見ると皮膚が裂け、その傷口に大きなマダニが食らい付いているのです。

どうりで動きが鈍いわけです。

何でもありの「マダニ」恐るべし。

「マムシなんて殺しとけよ」とマムシの厄介さを何度も経験している老師匠。

ごもっともです。

私は「マムシ酒でも作るかな~」と、とぼけて容器に入れます。

その後、山中で獲物の動きや寝場などの確認ついでに栗拾い。

「おい!こっちにいいのが沢山あるぞ!」っと老師匠。

気が付いてみると、袋にいっぱいの山栗。
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(その時の山栗で作っった「渋皮煮」)

朝から夕方まで山を散策し、楽しんだ1日でした。

家に連れて帰ったマムシは、マダニを取り除き、様子を見ます。

その時に赤マムシであることに気が付きビックリ、お腹が真っ赤か。

数日後、エサを食べてくれたので一安心。

このまま、カメ部屋で冬を越させることにしました。

年が明け、先月まで季節外れの大雪、4月に入っても気温が安定せずで、どうだろう。

もうそろそろ山に帰しても大丈夫かな?

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ケージ内の赤マムシを見て思います。

そして老師匠のことを思い出します。

老師匠はその後、病が急に悪化し、昨年の暮れに亡くなられました。

あれが私との最後の山歩きとなってしまったのです。

この「赤マムシ」を眺めていると「最後の山歩き」「犬たちの訓練や猟」などなど。

老師匠と、それこそ二人三脚で歩んできたことが思い出され、感謝の気持ちで頭の中がいっぱいに・・・・・

赤マムシを見ていると、涙があふれてしまうのです。

なんだかヘンな光景です。

「老師匠」いつまでも犬たちのことを見守っていて下さいね。

ついでに私も。

ボア・コンストリクター

ボア・コンストリクター、略してボアコン。

聞いたことがある方も多いと思います。

南米に分布するボア科の大蛇で、最大で5m40㎝になりますが、飼育下では3m以下のことが多いようです。

今では各国のブリーダー(自家繁殖個体の販売を生業としている人)が取り扱い、いろいろなタイプのボアコンが殖やされています。

ボアコンは、飼育や繁殖が比較的に簡単で、性質もおとなしい(満腹のとき)ヘビなのです、本当は。

しかし、平成12年にボアコンをうっかり逃がしてしまった方がいて、そのボアコンがお婆さんを襲ってしまったのです。

お婆さんは、足に全治2週間のケガをしただけで済みました。

失礼を承知で「だけ」と言った理由は、アメリカでは絞め殺された人が数名いるからです。

この脱走ボアコンのニュースが大きく報道されてしまって大問題となり、ボアコンは動物愛護法により「特定危険動物」に指定されてしまったのです。

通常は、とてもおとなしいヘビなのに残念ではありますが、気性には個体差がありますので何とも言えません。

また特定危険動物に指定されてしまうと、保健所で飼育許可を取らなくては飼うことが出来ません。

これが、それなりに面倒なのですが、法律で決められた事ですので仕方ありません。

長い前置きは置いておいて、わが家のボアコンのコンちゃん。
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初めは小さく細く40㎝ほどのチョロチョロ子ヘビだったので、興味本意で飼ってみることにしました。

ケージ内では、そんなに大きくならないだろうと高を括っていたら、いつの間にか2mを優に超え、体重も12キロに。
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(キエ~ッ!来ないでください!)

ど、ど~しよう、もう後戻りできない!こうなれば、行くところまで行くしかないのです。

もっともっと大きくして、体に巻き付けながら踊っるスネークショー(スネークマンショーじゃないよ)でもやって、大道芸フェスティバルで披露するかな?

いや、ダメダメ「おバカ芸人、大蛇に絞め殺される‼」なんて見出しで新聞に載りそう。



だいじょ~ぶだ~

家に連れて帰ったマムシの、その後のお話しです。

まずはダニを取り除きます。

ダニを強引に引っ張り取ると、ダニの口器がマムシの体内に残り、傷の治癒を遅らせてしまうため、フロントラインという無脊椎動物の神経系を麻痺させて駆除する薬を使用し、ダニを取り除きます。

この薬は、犬(特に猟犬)を飼われている方や、爬虫類を本格的に飼われている方にとって御用達の強い味方。

ダニに直接薬を塗布すると、ダニが口器を引き抜く前に死んでしまうため、ティッシュペーパーを丸めて少量この薬を染み込ませて、ケージのすみに置いておきます。

しばらくするとダニが嫌がり、口器を引き抜き逃げ出します。

しかし「オマエはもう死んでいる!オワッタァ~!」

既に薬が効いているため、程なくしてダニは死んでしまいます。

これを通常の殺虫剤や忌避剤で行っても、ほとんど効き目はありません。

たとえ、ダニが生体から離脱したとしても「マダニ」は死にませんので、ご注意ください。

ちなみに、マムシは脊椎動物ですので全然平気。

今ではその傷も目立たなくなり、マムシはすっかり元気になりました。

ところで、このマムシはなんと赤マムシ、そう「赤まむしドリンク」の赤マムシ。
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(ちょっと分かりにくいけど、アゴからお腹にかけて真っ赤か)

私は、ついつい研ナオコさんを思い出してしまうのです。

「ア カ ま む し~」と、鼻声で口走っている私に「ナ マ た ま ご~」と、家内がこれまた鼻声で返します。

そして「早く逃がしなさい!」と、怒られます。

(すいません、春になって暖かくなるまで待ってあげてください)





新たなる出会い

まだまだカメシリーズを続けたいところですが、ここで一息入れたいと思います。

この秋、老師匠と一緒に、今期の猟場の様子確認に山中入りしたときの話です。

シカが捕っても捕っても増えてしまうため、県が仕方なく禁猟区を開放するとのことで、その下調べを兼ねての山歩きでしたが、気が付くと半分は栗拾い。
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(その栗を「しぶ皮煮」にして老師匠にもおすそ分け♪)

「どこから犬を入れるかな」「タツはどこにしようかな」「あっ!いい栗だぞ!」などと、山中で散策を続けます。

すると、急に立ち止まり注意を促す老師匠。

「おおっ!ヘビだ、マムシだぞ!」

すかさず、私はそのマムシを捕まえて容器に入れます。

「おい!そんなもの殺せよ、猟犬がやられるぞ!」と老師匠。

ごもっともな話なのであります。

狩猟をやられる方々は、マムシに噛まれた猟犬のダメージを知っているので、マムシを見つけたら排除するのは常識なのです。

私は、そのマムシを川向こうの禁猟区へ放そうと思っての捕獲でしたが、そのマムシを良く見てみると、なんか少しヘン。

尾の付け根(ヘビにも胴と尾があります)あたりに皮がめくれた傷があり、そこに血を吸って大きくなったマダニが寄生していて、そのマムシ自体の動きも鈍いのです。(この文章を読んで気持ちの悪くなった方、ごめんなさい。)

老師匠には「マムシ酒でも作ろ~かな~♪」などと、ごまかして家にお持ち帰りの保護。
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マムシが元気になって、来春暖かくなったら禁猟区に放しに行こうと思います。