FC2ブログ
 

生きもの二人三脚

待った、罠師さん

こちらの猟場でも多くの罠師たちが、ひしめき合っています。

そして罠師同士で、いがみ合ったりも。

大きな山から小さな山への渡り(移動する通り道)に、互いに括り罠を掛け合っているのです。

そのような場所では、初めのうちは獲物が獲れます。

しかし、そのうちに小さな山へと獲物が移動しなくなり、年が明ける頃には獲れなくなるのです。
05062.jpg

「アイツがあんな所に罠を掛けるから、獲物が(小さな山)入って来なくなる」と、お互いに非難し合っているのだから困ったもの。

私は「話し合って、そこに仕掛けないようにすればイイだけじゃないの?」と、たしなめるもアレやコレやと。

オレが罠を掛けなければ、他のヤツが罠を掛けてしまう。

オレが獲らなければ、他のヤツに獲られてしまう。

まるで「この山の獲物はオレの物だ」と言わんばかり。

なんで皆でシェアし合わないんだろう。

ガメツイにも程がある。

しかしそんな彼らも、年が明けて獲物が獲れなくなるにしたがい、次第に括り罠を引き上げ出します。

「おい、もう罠を引き上げるからな」と、私に言ってくる罠師たちもチラホラ。

「犬を掛けても大丈夫だぞ」とでも言うのかな。

普段はコソコソやってるのに、何を今さらとも思いますが。

そんな罠師たちに私はこう言います。

「いや、まだ罠を引き上げなくてもいいよ。デカい山で犬を掛ければ罠でも獲れるでしょ」と。

「おぉ、そうだな獲れるよな」と罠師たち。

「その代わり、ストッパーは頼んだよ」と私は必ず付け加えますが。

先週も3人の罠師に、そんな話をしました。

本当にルールを守った上で獲る気なら、私に連絡をしてくるでしょう。

実際に猟犬を掛けると、括り罠に獲物が掛かるのです。

もちろんそれは、山にもよりますが。

山の高い所に移動している生息密度の高い獲物たちが一気に動き出すわけですから。

そのイノシシやシカを減らさないと、いつまで経っても正常な生態系バランスが戻って来ないのです。

初夏や残暑の厳しい秋も、捕獲業務を行わなければならない現状は、もう懲り懲り。

環境省の考えていることは本末転倒だとも言えます。

環境省担当者には、もっと現場に足を運び、罠猟と銃猟の双方の猟師から幅広く意見を聞き、今後の猟のあり方を考えて貰いたいものです。

そして罠師には、私のように猟犬を使った大物猟猟師を、もっと上手く利用することを考えて貰いたい。

そうでないと効率の良い捕獲は出来ません。

罠猟は獲物が移動してこそ成立するわけですから。

このままでは、さらに確実に山の生態系バランスは崩れてしまうでしょう。

罠猟と銃猟のバランスが崩れていますから。

猟犬を使役した大物猟の衰退は、山の荒廃に繋がると言っても過言ではないと考えています。

さて、今週はどうしたものか。

電話は、まだ掛かって来ません。



いつも応援ありがとうございます!
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ
にほんブログ村

スポンサーサイト



三本足

三本足のイノシシやシカ。

銃による大物猟を行っている猟師ならば目にすることも多いはず。

私も今までに多くの固定を確認してきました。

括り罠により、足や足先を失ってしまったり、切断した括り罠を付けたままのイノシシやシカを。

こちら静岡県東部でもシカの大増殖を抑えるために盛んに括り罠猟が行われています。

よって三本足状態となったシカも多く確認されます。
足無し 2

とくに、そのようなハンデを負ったシカは簡単に猟犬に追い詰められてしまうため、目立つのかもしれませんが。

それはイノシシも同じで、三本足比率はシカよりも圧倒的に上。

中にはワイヤーを組織が覆い、普通に走っていた個体もいましたが。
DSC00148.jpg

やはり、その気質や瞬発力、足の短い体形などが、集中荷重的な要素を助長しているのでしょう。

私は括り罠猟を行わないため、受け売り的にしか説明できませんが・・・

プロ罠師数人に伺った話では、括り部分を締め付ける事ばかりに固執していると、逃げられることが多いそう。

荷重調節やストッパー位置調節など、見切りを行った上で、こまめに的確な調整をすることも時には必要だと。

また、引っ張れば引っ張っただけ締め付けてしまう構造では、時間稼ぎは出来ないとも言っていました。

つまり「力の分散を考えろ」と。

もちろん、早朝一番での見回りは当たり前。

罠の無線機に頼り過ぎるのは考えもの。

そして「括り罠に掛かった獲物になって考えてみろ」とも言っていました。

「ようは、バカ暴れさせなければイイだけだろ」と。

獲物も私たちと同じ、痛覚を持った生きものだと言うことを考えろとのことなのです。

これ以上は書きませんが、考えてみれば分かると思います。

何れにしても、年間に数百頭のシカを捕獲し、その中でシカとイノシシをほぼ確実に獲り分ける。

また、巻き狩りにおいては見切り上手の凄腕猟師であった彼らが言うのですから、そうなのでしょう。

そして最後に一言、こうも。

「見切りが出来ない人は、罠は上達しないだろうね」と。

「イノシシもシカも、山に溢れかえっている時は誰でも獲れる。そうでなくなった時に確実に獲れるようにオマエも勉強しておけ」とも付け加えて。

私も将来は行政から要請があれば括り罠猟を始めるかもしれません。

しかし、その前にもっと山を知っておかないと。

それに捕獲する以上は出来るだけ獲物を苦しませないのも、腕前の一つ。

罠構造の更なる勉強も必要です。

でも、これは銃猟も同じ。

半矢は罪深い。

その後に、どれだけ獲物が苦しむことか。

よって射撃練習も大切なのです。

ブログにアップはしていませんが・・・

今猟期は既に2頭、三本足状態となったシカを捕獲しました。

どちらもクレーンを使用しないと一人では車載できなかった大物。

やはり、その体重や力が、足やワイヤーを切断してしまうのでしょう。

1頭は足先がありませんでした。

もう一頭はストッパー無しの違法罠を引き摺ったままの状態。

ストッパー無しは力の分散性においても不利なため、ワイヤーカシメ部の切断に至ったのでしょう。

その括り部分には皮や肉が既に無く、ワイヤーがガッチリと骨を締め付けていました。

このような三本足状態の獲物を見るたびに自分を顧みて・・・

射撃技術の向上を誓うのでした。



いつも応援ありがとうございます!
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ
にほんブログ村

ぼっち猟

今猟期は基本的に単独猟を行っている私。
04992.jpg

なんだか、このスタイルに慣れてしまうと、大人数でのグループ猟には、もう戻れない気さえしてきます。

勢子として「如何にタツに撃たせるか」だけを考えている時は面白かったのですが。

一段落して「常にリスクを背負わされている」と思い始めるにしたがい、徐々にグループ猟に疑問を抱くようになってしまったのです。

とても嫌な言い方ではありますが・・・

「真面目にヤレば、バカを見る」とでも言いましょうか。

しかし、この気持ちや経験は貴重なものだとも思っています。

今後、有害・管理・認定などの捕獲業務においても、グループ猟を行う際は、勢子へのフォローの充実を現実的に行うための指標ともなりますから。

これなくしては、グループ猟の存続は無理でしょう。

「バカバカしくて、犬なんて出せない」との状況が一番よろしくないのです。

よって、この体制が整っている猟隊は長く続いていますし、獲物も獲れます。

ところが今は猟師の世代交代の過渡期。

そうでないデタラメな猟隊も多いのです。

面倒なことに抗わず、サッと身を引いたのも、猪犬たちを思ってこそ。

それが今猟期は「吉」と出ているようです。

でも、これからは別な面で危ない。

雄イノシシたちは繁殖行動に専念するため、食事もそこそこにメス探しやオス同士の戦いに明け暮れます。

よって、貯えていた体脂肪を消費し、動きは俊敏に。

とても危険な個体が増えてきます。

なので、より的確な見切りが重要となるのです。

「君子危うきに近寄らず」

君子のように徳や教養はありませんが、このことわざは、いつも頭の中にあります。

今まで所属していた猟隊では、見切りをして・・・

「30貫の大物が居るから、あそこをやるべ」と言い出す者が殆ど。

それに対して・・・

「そんな食っても旨くない危険なヤツは罠で獲ってくれ」と拒否していた私。

「何を言う、撃ち獲る喜びがあるだろ」と、のたまう連中と都度衝突していました。

でも今はそんな面倒なことも皆無。

猪犬たちと、のびのびと楽しめています。
05064.jpg

ヘンな話、一人の方がどういう訳か成績がいいですし。

ジックリと猪犬たちと向き合えるからかな。

しかし先ほどのように、これからがより危険に。

「一人が一番」などと浮かれていると、とんでもない目に遭いかねません。

猟期も折り返しとなりますが、更に気を引き締めて猟に臨みたいと思います。



いつも応援ありがとうございます!
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ
にほんブログ村

納得いかない無線

私はどうにも腑に落ちないことがあるのです。

以前、勢子の見習い中だった私。

無線機の交信を、タツ役のままイヤホンで行っていました。
05224.jpg

そうしたところ師匠から注意を。

「おい、勢子役がイヤホンなんて使うな。マイクスピーカーにしろ」と。

こちらの地域は、深い背丈ほどのシダや混んだ笹薮など、進行に困難をきわめるような猟場ばかり。
02426.jpg

イヤホンなどスグに耳から外れてしまいます。

「あれ?やけに静かだな」なんて思って確認するとイヤホンが・・・プラ~ンと。

それが何度も続いてイライラしていました。

また、厳格な猟隊だったため、タツに配置してからの不要な会話は御法度。

親方ですら勢子に一任して殆ど話しません。

状況報告や指示で話していいのは原則として勢子だけ。

人の声をイノシシが気取った場合、そちらの方向にはイノシシが逃げて来ないのを、皆さん分かっているからです。

よってマイクスピーカーでも、基本的には私からの一方通行。
05223.jpg

返事をするような野暮なタツはいません。

鳴き止め現場に向かう時も「みんな黙ってて」と言えば・・・

次に私が話をするまでは、誰一人として絶対に口を開きません。

私のマイクスピーカーからのタツの声で、イノシシが逃げてしまうことが容易に想像できるからです。

なので私としては、師匠から注意を受けたのは納得。

ところが・・・・・

別の猟隊に勢子請負人として巻き狩りを行った時のことです。
DSC03309.jpg

その猟隊の親方から注意を受けてしまいました。

「おい、あっきょ君、勢子がマイクスピーカーなんて使ったらダメだろ。イヤホンにしろよ」と。

猟場の状況は全く同じ、ボサだらけ。
03436.jpg

また、他の猟隊の親方からも「基本を知らんのか。イヤホンにしろ」と。

どちらの猟隊も大所帯なのに、勢子を私に依頼するようなレベル。

推して知るべし。

まぁ、よく喋るのなんの。

親方やタツが、入れ代わり立ち代わりでペチャクチャと。

そして託された猟犬たちも・・・本当は良い犬なのに。
DSC03216.jpg

よって猟果も知れています。

なので、私はどちらの親方にも同じことを伝えました。

「私が基本を学んだ猟隊ではタツに配置して不要なことを喋ると、親方や勢子から怒鳴られました。だからマイクスピーカーでも何の問題も無かったですよ」と。

静かになってしまった親方。

どちらも同じ反応でした。

それにしても、猟が始まっているのに喋っている皆さんは楽しそう。

タツでGPSを見ながら、あ~でもないこ~でもないと。

黙っていられないんでしょうね。

無線で「黙って!」なんて注意するのは少し可哀そう。

それも現代の狩猟の楽しみ方なのかな。。。

今期も、その両猟隊から勢子の依頼が来てしまったけれど、どうしよう。

なんか気が乗らない・・・

郷に入っては郷に従うべきかな。

猟場では、生の音を聞き取ることをモットーとしている私。

頭と違って、耳だけは良いのです。

デビルイヤー並なのです。

その耳を塞ぎたくない。

まぁいいや、スピーカーの音量を限りなくゼロにしておけば。

それとも、やっぱり注意しちゃおうかな。

「黙っていないと獲れませんよ」と。

獲って、ナンボですもんね。




いつも応援ありがとうございます!
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ
にほんブログ村

生態系バランスの正常化

オオカミを導入して、森林の生態系バランスの正常化を図る。

日本でも、その解決案を説く方々がいます。

私もこれには賛成。

もちろん今は、まだ「学術的に」ではありますが。

シカに生息圧をかけて行動的にもプレッシャーを与え、繁殖を抑えようとの作戦です。
IMG_6727b_sika.jpg

おそらくは、人口減少や生活様式の変化などに伴い、ハンターはさらに減ってしまうでしょう。

よって、このままではシカの増殖を抑え切れないことも考えられます。

私もこれから先、一体どれだけのシカを捕獲し続けなければならないのかと思うと・・・。

諸外国では、偏った生態系を元に戻すためにオオカミ等の捕食動物を再導入して、成功に至っているようです。

日本は今後、山間部の集落が無人化するなど、人口の都市集中化がさらに加速するでしょう。

その変化の中における山の荒廃は、シカの更なる大増殖に繋がるであろうことが懸念されます。

そんな状況に陥らないためにも、オオカミに託すのは有効なのでしょう。

実際には今からオオカミを導入しておかないと、間に合わないようにも思いますが。

しかしオオカミ導入あたっては、その弊害も考えられるため、様々な角度から検討する必要があります。

今度は「オオカミ狩りをしろ」なんて要請があっても困りますし。

そうならないためにも、今は狩猟者がシカ捕獲を頑張り続けるしかないようです。



ところで話は変わりますが、未だに終息を見ない豚コレラ。

今はCSFと呼んでいますが、これとてイノシシの生息密度の高さが、それを妨げているのでしょう。

養豚業への影響も考えると、早く食い止めないと。

狩猟者が捕獲し続けて生息密度を下げることがCSFを終息させ、イノシシを救うことになるようにも思います。

その過程で、私たち狩猟者がCSFを伝播させる原因とならないために、農林事務所より殺菌消毒剤と噴霧器が配られました。
05271.jpg

猟場を変えるたびに猟車のタイヤや履物に散布するのです。

少々面倒ですが、シッカリと意識をして履行したいと思います。
05345.jpg

感覚的には、コロナ禍におけるマスクや手洗いのようなモノかな。

あっ、そうだ。

猟友会会長は言っていなかったけど・・・

ここもかな?
05222.jpg

・・・だよね。

なんと大きな履物でしょ。

でも、これは履物ではなく「手」

だったら「手洗い」かな。。。




いつも応援ありがとうございます!
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ
にほんブログ村