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生きもの二人三脚

ワンワン大作戦!

この日の天気は文句なし!
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11月11日は二つの猟隊が合流し、大規模に巻き狩りを行いました。

皆さん自慢の猟犬を持ち寄っての、まさしくワンワン大作戦。

なにも日付に作戦名を引っ掛けた訳ではありません。

図らずも、そうなってしまったのです。

合計で8頭。

猟犬が多ければ多い程、獲物の捕れる確率が高くなります。

・・・・・なんて言うのは全然ウソ。

捕れるモノも捕れなくなり、猟犬もケガを負うことが多くなります。

犬も人と同じ、大勢になると群集心理が働き、気が大きくなったりと、判断力がマヒ。

簡単に言うと、カンカンに怒っているイノシシが目の前にしても「イケイケ!」になってしまうのです。

また、猟犬同士の相性ミスマッチや勢子との同調性低下、GPSの混乱など、良いことは一つも無し。

なのに何故、狩猟者の多くは猟犬を多く猟場に入れたがるのか・・・・・

その要因が色々あって、ここでは説明を差し控えさせて頂きますし、そもそも私の口からは言えません。

困ったものです。

我が親方は、勿論そんな弊害のことは百も承知。

でも「遠方よりせっかく犬を連れてきたのだから」との配慮で、作戦の知恵を絞ります。
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そして最後は勢子長と私に「オイ、頼んだぞ」と一言。

重いな、その言葉・・・・・

「犬たちの命を守れ」との意味も含まれているのです。

後に親方の、この「他の猟隊」への気遣いが仇となってしまうのですが・・・・・。



一回戦目の猟場に着いて、三方向から猟犬を入れます。
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(奥がサリー、手前がベッキー)

私は遊撃隊として勢子長の指示の下、猟犬たちの後を追います。

「みんな速いな待ってくれ~!」

サリー、ベッキー、ヒデの後を追います。

猟犬たちの動きからして、どうも獲物のニオイが濃い感じ。

すると、尾根から別の勢子が入れた猟犬が追い出したのか、シカ3頭が私の目の前15mほどを猛ダッシュ。

私はシカに銃の狙いを付け、その動きに合わせてスイング。

「フッ、フッ、フッ、もらったぜ!」

と、ところが・・・・・バックストップが確認できない!

バックストップとは、弾が飛んで行っても確実に止まる土の斜面や壁・崖のこと。

それが確認できない限りは発砲は禁止・・・と言いますか、恐ろしくて撃てません。

「ドシャ~ン!」と撃って「ギャ~!」となったら私も「キエ~ッ!」となるのです。

やっとバックストップが確認できた頃には、シカはもうだいぶ遠く。

キュートなシカの白いオシリに向かって「タツまで飛んでけ~!」で2発発射。

もちろん弾は外れ、その後、タツも外してシカはサヨ~ナラ~。

それを追ったマルとリュウは括り罠に掛かってしまい、一回戦目は終了。
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(プリチーなマルちゃん、大丈夫?)

人の猟場に括り罠を仕掛けた不届き者には、後日みっちりとお仕置きをすることに。

「浣腸~!」なのです。



さて、気を取り直して2回戦目。

2頭が戦線離脱したため、6頭で臨みます・・・イヤだけど。

「ダイエットしてからにしなさい!」と言いたいところですが・・・・・

「ダイエット代わりに」かな? ゴンベー。
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怪我しても知らんぞ。

サリー、ベッキー、ヒデの邪魔しないでね。

やはり、二回戦開始とともに出遅れるゴンベー以下2頭。

私は勢子長と別れ尾根下のルートを取ります。

途中にこんな足跡も・・・13・4貫くらいのイノシシかな?
足跡

暫くしてサリーとベッキーがイノシシを起こし、そのイノシシを鳴き止め。

遅れて現着したゴンベー以下2頭も、鳴き止めに加わり大合唱。

コリャ危険! 群集心理!

そして勢子長が現着する直前に1頭の悲鳴が・・・・・

私も現場までもう少し、あと70m。

そこへ、サリーが私の下へ帰ってきました・・・さっきまで鳴いていたのに。

戦意を喪失し、なんだか元気がありません。

マズイぞ「さっきの悲鳴はサリーかも」と思い体をチェックすると・・・・・

あ~やっぱり、右わき横の皮が裂けています。(画像は自粛)

その裂け方からして雄イノシシの牙ではなく、雌の前歯咬み付き攻撃によるもの。

サリーほどの猟犬が雌イノシシ咬まれるとは考えにくい・・・・・もしや、サリーの退路を塞いだ者が・・・・・
権平

その後、サリーは獣医さんの手当てを受けてスッカリ元気に。

気が付いてみると今回もボウズ。

ワンワン大作戦は失敗! 

サリー、間に合わなくてゴメンネ!
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自分の不甲斐なさを感じた一日でした。

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謎の贈り物

先日、三重県の猟犬師匠より宅急便で荷物が送られてきました。

「?」 なんだろう・・・・・猟犬に関する物かな。

その怪しい荷物のフタを開けてみると・・・・・「?」 さらに怪しい。
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恐る恐る中身を確認してみると 「!」 スゴイ。

イノシシの牙だらけ。
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それもモンスター級ばかり。

これらを仕留めたときに、猟犬たちは大丈夫だったのだろうかと心配になります。

うわぁ~太い牙!
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30貫(1貫=3.75kg)超え間違いなし!

ところで猟犬師匠は何で牙を送って下さったんだろうか・・・・・。

我が家の困窮ぶりを見兼ねて「これを売って生活費の足しに」とでも考えてくれたのかな?

確かに上手く売れば5万円くらいにはなりそう。

それとも、以前にこんなモノを作ったからかなぁ。
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「色々と活用して下さいな」と、言うことなのでしょう。

ありがたいことです。

だったらということで、家内に「ネックレスを作ってあげようか」と聞いてみたところ・・・

間髪入れずに「やめて下さい」と。

なんでだろう、カッコいいのにな。

「じゃあ、イヤリングは?」

「いりません」

う~む、女心は分からん。

そんなことでは部族の女にはなれないのだ。。。

やっぱりキーホルダーか携帯ストラップかな。

箸置きじゃ食欲が減退しそうだし・・・・・

もう過ぎちゃったけどハロウィンの「リアル イノシシメイク」に使用・・・

我が家のワンコたちに咬まれるな。

それか孫の手の先に装着して「ハイパー孫の手」・・・・・ってケガしそう。
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おお、そうか、いっそのこと「ミスター・ハン」
ミスターハン

最後はブルース・リーに負けたけど、牙に付け替えていれば勝てたかも。

・・・・・もっと平和的利用方法はナイかな。

どなたか良い案はないでしょうか。。。

猟犬の名前の付け方?

前回の話で登場した親方の犬「ベッキー」

覚えやすい良い名前だと思います。

人の名前もそうですが、漠然と覚えるより、何かと絡めて記憶の棚に仕舞い込めば、そう簡単に忘れるものではありません。

その他にもいる親方の3頭の猟犬「サリー」「ヒデ」「ローラ」

例えば・・・・・

「サリー」は「魔法使いサリー」

「ヒデ」は「ヒデとロザンナ」

「ローラ」は「傷だらけのローラ」

一度聞いただけでも、もう忘れません。

既に記憶の中にあるものと絡めやすいからでしょう。

それに比べて、我が家は「ヤマ」「コーシン」「カノ」

「ヤマ」は元飼い主の老師匠が名付けたため、皆も馴染みがあり問題なし。
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「コーシン」は、私がテキトーに名付けたため、今までに一度で覚えてくれた人はいません。
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老師匠などは、その名前「コーシン」を覚えるのに一年がかり。

「オイ、あっきょ君。こいつの名前は何にした」

「コーシンです」

「ん? コーシン?」

そして一週間後に会ったときは「キョーシン」に変化。

その後、電話で話した時には、なんと「キョンシー」になっていました。

それからしばらく、コーシンは老師匠から「キョンシー」と呼ばれ続け、戸惑っていたのを覚えています。

カノはそれを教訓に、伊豆半島を流れる「狩野川」から取りました。
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よって皆には「狩野川のカノと覚えて下さい」と、必ず付け加えるよにしています。

冒頭から長々とこの様なことを書いてしまった理由は、猟犬の名前を覚えることの「重要性」にあるのです。

巻狩り中の無線のやり取りは、一瞬の判断や行動においての重要の役割があり、獲物の捕獲はもちろん猟犬の命を守る要素も含んでいます。

「茶色い中型の和犬が・・・・・」なんて言わずに「カノが・・・・・」の方が早いのです。
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また、猟犬たちの回収のときでも「茶色い犬、コイコ~イ!」なんて言ってもカノは来ません。

そして猟犬たちの名前を覚えていると言うことは、勢子とタツの間でも、さり気ない一体感や信頼感を深めます。

そんな重要性があげられるため、昨今のハンター事情である「高齢化」に伴い、覚えやすくする配慮も大切なのです。

したがいまして、先輩方の「何とかコーシンを覚えなくては」という姿を見ていると、自責の念に駆られる私なのであります。
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今までに、猟犬の名前で多いと感じたのは二文字。

シロ、クロ、テツ、リキ、などなど。

その犬の特長と合致していれば覚えやすいのですが、そうでないと逆に覚えにくい場合もあるのです。

回収のときの呼びやすさも考えると、文字数が多い名前も考えもの。

それらのことを併せて考えると、親方の名付けセンスが非常に興味深く、頷けるところもあるのです。

我が家に今後も増えるであろう猟犬たち。

歴史でいくか芸能か、はたまたアニメかマンガか、どうするか。

狩猟者の世代に合わせることも大切。

ここ10年くらいは、やっぱり「昭和」な感じが良いのかな。

その前に子犬譲渡ネットワークを構築しないと。

我が家が多頭飼育崩壊してしまう。。。

11月4日の私の初猟

この日は新しい猟隊に入ってからの初めての猟行。

否が応でも気分は高まります。

前日の「顔合わせ会」を始める前に、数ヵ所の猟場と見切りポイントを親方に教えて頂きました。
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「見切り」とは、その猟場内に獲物がいるかどうかを、その足跡から判断する作業のことを言います。

次の日、私は朝一番でその見切りポイントをチェック。

生足(夜に付けた新しい足跡)は残念ながら発見できずで、親方と合流。

途中に、こんな渡り(居場所移動)後もあったりして。
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白い筋は爪痕で、シカによるものでしょう。

その後、二人で別の猟場の見切りに向かいます。

この猟場は有望。
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「よし、一回戦目はここにしよう!」で、即決定。

本部(猟師小屋)に戻り作戦会議。

私は先輩勢子(以下、勢子長)と一緒に勢子役へ。

猟場を覚えるにはこれが一番早いと考え、今期、暫くはこのスタイルで行く予定。

猟場に着いて隊員全員がタツ配置に就いたことを確認し、猟犬を放します。
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この日の猟犬は親方の犬で「サリー」と「ベッキー」
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猟犬たちは放たれたと同時に一心不乱に捜索開始。

動きからして獲物がいそうな感じ。

そして猟犬たちが私たちから一気に遠ざかったと思った瞬間、鳴き出します。

猟犬たちが鳴き出したと言うことは、目の前に獲物がいる証。

無線でその状況をタツに伝え、猟場内に緊張が走ります。

猟犬たちの鳴き方からして獲物はイノシシであると判断。

追い方からしても間違いなし、かなりの大物のハズ。

サリーとベッキーは無茶をする気質ではないため、ある程度は安心できます。

逆に「不安」とは何かと言うと、猟欲(狩りたい!という気持ち)任せに猟犬が不用意にイノシシに近付き、オスには牙で切り裂かれたり、メスには咬み付かれて骨折することなのです。

ときには殺されてしまうことも。

二頭は所々で鳴き止めをしているため、勢子長と私の二人は、その場所に向かって急斜面を走り下ります。
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まるで昔懐かし「リポビタンD」のCMみたい。

「ファイト~!」

「イッパ~ツ!」

鳴き止め現場近くに到着し、私たちは挟撃作戦開始。
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勢子長はイノシシの仕留めに向かい、私は少し離れたところの大木の陰からイノシシを狙います。

イノシシが逃げ出した場合、勢子長がどの方向でもバックストップ(弾が外れても遠くへ飛ばさせないための土の壁や斜面など)だけを気にして撃てるように、の、大木の陰なのです。

もしも勢子長が仕留められずに私の方向にイノシシが逃げてきたら、その時は私が仕留める作戦。

そして山の中には猟犬たちの鳴き声だけが響き、無線は静かになります。

私は思います「勢子長が臨戦態勢に入ったな・・・・・」

と、その直後、一発の銃声が「ドシャ~ン!」

「勢子長、仕留めたな、おめでとう・・・・・」

勢子撃ちで一発の場合、十中八九は仕留めているのです。

と、またその直後、勢子長が「あっきょ、そっち行ったぞ~!」

「うっそ!」

私は大木から離れ、狙いやすいところで銃を構えます。
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ところがイノシシは私が構えていたところとは違う方向に逃げ、その姿を見ることは出来ず。

「いやぁ、ごめん。二の矢(2発目)が出なかった。モノは大きいぞ!」と、興奮した口調で勢子長。

勢子長の縦二連銃の調子が悪いとのこと。

そして猟犬たちは、まだ猟場内にいる、そのイノシシを追っています。

逃げた方向を確認しに行くと、こんなものが・・・・・
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「ノリ引いてるぞ」と私は無線を飛ばします。

「ノリ」とは「血のり」のこと。

しかし、その量は少なく、勢子長の放った弾は致命傷にはなっていない感じ。

それを証拠に、凄いスピ―ドで猟場内を逃げ回り続けるイノシシ。

すると今度はタツの方向に猟犬たちが追い出したため、勢子長が無線を飛ばします。

「Kさんの方に行ったぞ!」

暫くして2発の銃声が山間に木霊します。

直後に無線から声が。

「行っちゃった~!」と。

イノシシにはタツを切られ、猟犬たちの追撃むなしく、そのまま逃げられてしまいました。

その後、猟犬たちを回収し、一回戦目は終了。

ちょっと残念な結果に終わってしまいました。

イノシシよ、また勝負じゃ!


間を開けずに二回戦目を行うため、放棄された農道を登り、猟場に到着。
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ところが、二回戦目もイノシシを起こしたものの、今度はタツに掛からずで終了。

う~ん、これも残念。

結局、この日は獲物ゼロ。

でも、私としては大いに楽しめ、親方の猟犬たちの働きも分かり、勉強になった一日でした。

来週は、いよいよコーシンの出番。

サリーとベッキーの猟芸(獲物を追ったり対峙したときのスタイル)とコーシンの猟芸が似ているため、上手く協調できそう。

そうそう、ローラも次の猟期は頼んだよ。
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とても人懐こい生後3ヶ月の猟犬の卵。

ベッキーの娘さんです。

ところで、親方は猟犬の回収が民家に近かったり人が多いところの場合「ベッキー! ベッキー!」なんて叫んで、どんな感じなんだろう。

聞いてみると・・・・・

「恥ずかしい♡」だって。

11月3日の思い出深い時間

この土日は、なんとも楽しい週末となりました。

こんなのは久しぶり。

3日土曜日は、新しく所属した猟隊と協力関係にある猟隊隊長さん方々との「顔合わせ会」をして頂きました。

この猟隊隊長さんは、隣の地域の猟友会会長でもあり、捕獲業務では時々お世話になっていた方。

開口一番「あっきょさん(名字で)が入隊するって聞いて?ダレと思ったが、あんただったのかい!」と。

私も、まさかこんな繋がりがあるとは思っていませんでした。

なんだか最高の出会い続きで「猟師」ネットワークのありがたさ、凄さ深さを痛感しました。

イノシシ焼肉や近海で獲れたマグロ血合いの刺身。
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深海で獲れた手長エビや赤エビの味噌汁等々。
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猟師小屋で食べさせて頂いた、これら料理も抜群に美味しく、最高でした。

このために「狩猟を始めた」と言っても過言ではないかも・・・・・

それが、狩猟を始めて4年目にして、やっと訪れたのです。

これも全て猟隊長Mさんのおかげ。

この日を境に、私はMさんのことを「親方」と呼ばさせて頂くことにしました。

猟隊員6名。
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もちろん私は最年少。

なんとか足手まといにならぬよう、まずは猟場や勢子ルートを一日でも早く覚えたいと思います。

明日の日曜日が楽しみです。