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生きもの二人三脚

シカカツとニクサス

私の好きなシカ肉の食べ方の一つ『シカカツ』

さっぱりとした肉質にフライの衣が合うように思うからです。

それこそ何枚でも食べられる感じ。

今日も作ってみることにしました。

出来れば、軟らかい背ロース肉で作りたいところですが、今回はモモ肉で。
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個体差や後処理の違いで肉質が異なるため、念のためにコレを使用します。

以前にも紹介させて頂いた『ニクサス』
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レクサスでもネクサスでもないニクサス。

我が国が誇る刃物の町、岐阜県は関市のメーカーから生まれた肉のスジ切り器。

このニクサスが開発された経緯は・・・

児童数の減少により、彫刻刀の売り上げが減少。

そこで新たなる活路を模索。

その中で彫刻刀を作る技術とその利点を生かし、ニクサスが誕生したのです。

先っぽなんて彫刻刀そのまんま。
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コレが超スグレモノ。

従来のスジ切り器よりも効率よく確実にその役目を果たします。

ただし、注意点も。

調子に乗ってカシャカシャとヤリ過ぎると高性能が故、お肉がグダグダに。

それと焼肉やステーキ肉に使用するのもダメ。

軟らかくなり過ぎて食感がその食べ物と合致しません。

入れ歯のお年寄りが食べるのならばOK!ですが。

あくまでも『とんかつ専用』なのです。



話はシカカツに戻ります。

モモ肉は少々硬い場合もありますのでニクサスを使用。
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そうしたら、軽く塩コショウして生パン粉を付け、170℃前後で揚げます。
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あまり揚げ過ぎると、例に漏れず肉が硬くなりますので、余熱で肉の中央部に火が通るくらい。

さぁ、出来上がり。
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早く食べよう!

旨い!

シカカツは冷めても、そのままで美味しくいただけます。

残りは、家内と息子の明日のお弁当行きとなるでしょう。

ところでニクサスの「シカカツ専用」なんてあったら面白い!

ニッチだなぁ。。。





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恥ずかしい管理捕獲

台風一過のような天気となった日曜日。

風はまだ少し残っているけれど、日中は暑くなりそう。
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こんな日は汗をかいた後に川にでも浸かりたい。

な~んて思っていたら服を着たまま本当にそうなってしまい、皆の前で大恥をかくことに。

嗚呼、恥ずかしや・・・・・



この日もニホンジカとイノシシの管理捕獲を実施。

我が家の猟犬たちは発情期がまだ終わらないため、私は今回もタツ役へ。

作戦の打合せが終わると同時に、各員、配置場所に散っていきます。

さて、今回の私のタツは・・・・・

近頃、全く獲物が来ない場所。

その洞筋のタツ全員は、どうにも士気が上がりません。

過去には獲物が頻繁に使っていた通り道も、今は使っていない感じ。

この洞で土砂崩れが起きたからかな?

タツ配置に着く間も獲物の足跡を確認しますが、シカのモノが一つあっただけ。

以前は足跡で、どこもベタベタだったのに・・・・・

山を登って行くと、土砂崩れの生々しい跡に行く手を阻まれます。
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こんな場所の登りやすい脇を獲物たちは通るため、そこを狙う算段で私はこの場所に配置。

さぁ、計算通りに上手くいくかな?

それにしてもあの一本橋・・・・・渡ってみたいなぁ。
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いっそのこと、あの丸太の中央に跨り、獲物を狙うというのはどうだろう。

まさかそんなところに敵が潜んでいるなんて獲物たちは思うまい フッフッフッ・・・

それとも、おサルさんに「通り道だから、どいてくれる?」なんて言われるかな アハハハ・・・

なんて妄想に耽っていたら一回戦目が終了。

山々に銃声が木霊して「止めたよ」なんて無線が数回。

獲物の引き出しを手伝いに向かいます。

そして、二回戦目も私の配置したタツにはシカは現れずで終了。
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結局、ニホンジカ5頭とイノシシ1頭を捕獲。

私はもっぱら、仕留めた獲物の引き出し係として頑張ります。

皆で獲物を山から下ろしたり、谷から引き上げたり。

エッチラ オッチラと手際よく次々と引き出します。

日中の気温上昇に伴い、汗だくになってしまいました。

集合場所に向かう途中、農家の方々からは労いの言葉をいただき、疲れもどこかへ。

「さっき、鉄砲がたくさん鳴ったようだけど、捕れました?」

「シカとイノシシを捕りましたよ」

「あぁ それはご苦労様です。助かります」

そして・・・・・

「どうです?近頃、農作物の被害は減ってきましたか?」と、伺ってみると・・・

「いやいや、まだまだ。相変わらずだよ」と農家の方々。

続けて「大変でしょうけど頼みますね」と言って下さいました。

山裾から離れ、道路を越えた民家横の畑なのに・・・

電気柵の中で農作業をされ、それ越しでの会話だったのが印象的でした。

一回戦目終了後、本部に戻り着替えた私。

二回戦目終了では河原の解体場で着替えて、最後の一仕事。
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県に提出する獲物の写真を撮った後、解体に取り掛かります。
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ところが、こののちに私は捕獲員全員の笑い者となることに・・・・・

解体作業が進む中、上流の解体グループが誤ってシカの残滓を川に流してしまったのです。

桃太郎の桃のように「どんぶらこ~ どんぶらこ~」と、流される残滓。

「あぁぁぁぁ・・・・・」全員がそれを目で追う中、隊長が大声で・・・

「あれはダメだ~! 誰か拾え~っ!」

その声に真っ先に反応し、川の浅瀬を渡り・・・

下流に向かって水しぶきを上げながら猛ダッシュする、オジサンなのに最年少の私。

残滓の不法投棄はダメなのです。

こんな時、磯釣り用のブーツがモノを言います。

そう、長靴ではなくブーツなのです!

ちょっとやそっとじゃ水なんて入りません。

目の前に迫る残滓・・・・・

と、その時、浅いと思って踏み入れた砂地の浅瀬。

それが底無し沼のように私を飲み込んだのです。

ズボォォォ・・・・・!

腰近くまで川に沈みこんだ私は必死でそこから抜け出し、さらに残滓を追い・・・

川の中央でそれを確保!

河原でそれを見守っていた全員の歓声が聞こえて来ます。

「ん?」 なんか違う。

よ~く聞いてみると歓声ではなく笑い声。

中には腹を抱えて笑っている者まで。

開き直った私は残滓を片手に「とったど~!」と、皆の方を向いて右手の拳を青空に向かって高々と突き上げます。

河原は大ウケ。

嗚呼・・・恥ずかしいやら情けないやら・・・

気が付くとブーツはただの長靴と化していました。

・・・と、次の瞬間、自分の血の気が引いていくことにも気が付きます。

「コ、コンデジが~!!」

慌てて太もも横のサイドポケットに入っていたコンデジを確認。

「あぁ・・・濡れている・・・水死しちゃったかなぁ」

もう手遅れだと思いつつ、電池を取り出し中を見てみると水滴はナシ。

とりあえず、コンデジの外側の水滴を拭き取り、乾かします。

肝心の私自身も乾かしたいところでしたが、着替えは・・・もうナシ。

ビショビショのパンツのままで解体作業に復帰。

早く家に帰りたい・・・



その後、なんとか家にたどり着き、恐る恐るコンデジのスイッチを入れてみます。

「ピッ ピッ」と、いつもと変わらぬ軽やかな電子音と共にレンズがせり出しました。

大丈夫そうなので、シャッターを押してみます。
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問題なし。

良かった良かった。

コンデジは水に濡れても大丈夫な、3秒ルールならぬ30秒ルールがあるのでしょう。。。



この日も色々とありましたが、振り返ってみると・・・

途中で話をさせて頂いた農家さんからの感謝の言葉に、全てが救われたような思いがします。

これからもその言葉に添えるよう、安全第一で捕獲業務に臨もうと心に誓うのでした。




真竹とイノシシ

この時期、山裾の真竹林の近くで夜中に耳を澄ますと・・・・・

「ガサガサ パキパキ」と、あちこちでイノシシが真竹のタケノコを食べている音がします。

明るくなってからその食べ跡を観察してみると・・・

そこには「なるほどね」と思わせるタケノコの残骸が。

孟宗竹のタケノコとは食べ方が異なるのです。

土中にあるものは孟宗竹と同じで、それこそ根こそぎで食べてしまいます。

ところがある程度、地表から伸びたタケノコは中央部のみ「パクリ!」

根元は硬いため食べないのは分かりますが、先端部も20cmくらい残しちゃう。

実際に真竹の先っぽは、殆どが皮。
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でも、人が食べると「軟らかくて美味しい」となる先端より少し下の部分も食べ残しています。

皮を剥くのが面倒なのかな?

その少し下から、地表に出ている軟らかい部分までを上手に食べています。

孟宗竹のように、先端も皮を剥いて食べるようなことはナイ感じ。

その食べ跡を見るたびに「なるほど、イノシシもそうなんだ」と感心するのです。



前日に収穫し、すぐに下茹でした真竹のタケノコ。
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いつもの一般的な味付けでコトコト煮て・・・・・
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出来上がり。



食べてみると、やっぱりこの筒部分が旨い!
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風味もシッカリしていて、なにしろ食感が最高!

真竹タケノコ、バンザイ!

この筒の部分を、どこまでも食べたい!

でも、欲張りは禁物。

根元に近い部分を食べると、ガビ~ン!となって後悔することに。

もはや、そこは竹なのです。

そうならないためにも、イノシシ先生を見習います。

包丁で切っていって「サクッ!」ではなく「ザクッ!」と切り難く硬い部分になったら・・・

その少し上から下は思い切って捨てること。

硬い部分はどんなに茹でても竹のまま。

著しく食感が悪いのです。

それさえ気を付ければ、梅雨の味覚「真竹タケノコ」の食味を存分に堪能することが出来ます。
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孟宗竹タケノコのように堀具や容器を持たずとも、手ぶらで山に入ってポキポキと収穫。

タケノコは小脇に抱えてで、運び出しも楽々!

あとは根元に近い下の部分を欲張らないこと。

これは、いつも収穫している人にとっては基本中の基本かもしれませんね。

山に入ると、動物たちから学ぶことが沢山あるのです。





真竹は今だけ

もたもたしていると、真竹が終わってしまう!

との焦りから、雨天の間隙を縫って真竹のタケノコ収穫に向かいます。

猟師小屋の近くに良い真竹の竹林があるため、軽トラ乗ってGO!

海沿いを走っていると、富士山が目に留まります。
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このところの雨続きで、なんだか久しぶり。

雪化粧に逆戻りしてしまいました。

海もキレイだなぁ。
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さらに進むと・・・・・
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喫茶店かな?営業しているんだろうか?
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勇気が無くて未だに入ったことがありません。

せっかくなので、ついでに「The Old 軽トラ」
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程なくして真竹の竹林に到着。

この場所はイノシシに荒らされることなく、あちこちにタケノコが生えています。
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真竹の収穫方法は孟宗竹とは異なり、ポキッ!

手で曲げて折れたところから先を収穫します。
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楽ちんなのです。

そしてタケノコの下処理をするため、猟師小屋へ向かいます。

で、到着。
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さっそく皮を剥いて・・・・・
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茹でます。

真竹は孟宗竹のタケノコのように米ヌカを入れて茹でなくても、大丈夫。
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エグ味が殆ど気にならないレベルなのです。

茹でている間に果樹に付いた毛虫捕り。

このプラムの木なんか酷いもの。
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捕っても捕っても毛虫が・・・・・

そのせいか?今年は実が12個しか見当たらないのです。

これは私の実!
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名前を書いておこう。。。



ところで職場の皆は中国に付いたかな?

「天安門事件から30年」の年。

中国政府がピリピリしていると言うのに・・・なんで・・・・・

そんな国に社員旅行なんかに行くんだろう?

それもチャーター便の大所帯で。

行かなかった私は、おかげで3連休。

青天の下、小屋でのんびりと真竹のタケノコを茹でるのでした。

明日はまた大雨になるようです。




イノシシ背骨スペアリブの大根煮

この料理は、あるベテラン猟師の方から教えて頂きました。

その料理方法とは・・・・・

にわかには信じがたいモノなのです。

しかし、素材的にはそんなに驚くようなものではありません。

題目にあるように「イノシシ背骨スペアリブを大根と一緒に煮込む」だけの料理ですから。

一般的な肋骨付きの肉ではなく『背骨付きの肉』で作るのがポイントなようです。



イノシシの背骨は、大抵は残滓として処分される部分。

本来は、どこの猟隊も猟犬のエサとなることが多いのです。

ところが、この背骨に付いた肉の旨さを猟師の皆さんがご存知。
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したがって「これ、犬用に持って行きな~」なんて言ってくれますが・・・

ついでに旨い食べ方も教えてくれたりします。

それがこの題目の料理方法なのです。

実際の作り方は簡単で、先程の通り。

問題なのは味付け。

なんと『水』のみ!

で、味付けはナシ!

毎回、甘辛醤油+出汁の濃い目の味付けで食べる私には衝撃的ですらあります。

「えっ? 本当なの?」と何度も聞き直してしまいました。

正直に言いますと、今までの味付けには些か飽きがきていたため、これは是非とも試ねば。

猟犬の上前はね常習犯の私としましては、残滓料理のレパートリーは増やしておきたいところなのです。



では、にわかには信じがたい料理作りに取り掛かるとします。

まずは背骨を分解し、大根をカット。

そうしたら、水を張った鍋にそれらを投入して着火!・・・・・それだけ。
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やっぱりウソだぁ~!

こんなので旨いワケがない!

でもなぁ・・・・・

この料理方法を教えて下さった方は、筋金入りのベテラン猟師。

バリバリの猪狩り師を経、ライフルマンに転身。

毎年冬になると北海道にエゾシカ狩りに出掛けています。

その猟果たるや・・・・・体重170キロ級をバタバタと。

北海道には超大型のシカが時々いるそうなのです。

「それって間違って牛を撃っちゃったんじゃないの~?」と、ちゃかすと・・・・・

「そうかモォ~!」と、両手の人差し指を立てて頭の上に。

お茶目なナイスガイ・・・でも、もう70代かな?

「よかったら角をあげるよ🎵」と、両手を大きく広げます。

「あ、ありがとうございます・・・でも、狭い家なので・・・」と、丁重にお断りしました。

頂いて家に持って帰ったら絶対に怒られるもの。

因みにその方は、エゾヒグマの捕獲日本記録も持っていらっしゃいます。

記録は体重550キロ!だって!

意味わからん (-_-;)

先輩猟師の皆さんが一目も二目も置く・・・

そんな人がデタラメを言うハズが無いのです。

したがって、あとは信じて、ひたすら煮込むのみ!

6時間が経過したあたりで味見をしてみます。
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大根が肉から出た脂の甘みと骨髄のコクを吸って、上品な味わいに。

肉も本来の旨味があります。

そして若干の塩気も感じられるのです。

「これは旨い!」

しかし、濃い味に慣れている私には、ちょっと物足らない。

よって、粗塩を少々。

再度煮込みます。

すると味が引き締まり、肉の旨味がより濃厚に感じられるようになりました。
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こんなシンプルな味付けなのに旨いのです。

大根も更に旨いな。

イノシシの旨味を存分に味わえる料理方法であることが確認できました。

『素材本来の旨味』の引き出し方。

そして『名わき役としての大根』の重要な役割。

今回の料理は目から鱗でした。

ベテラン猟師さんに今度会ったらお礼を言わなくては。

ごちそうさまでした。